金曜セッションではアップデートの入ったメルセデスが他チームを圧倒。
ラッセルがスプリント予選では好調、前回の勝者が今年も躍動しています。
マクラーレンもアップデートを活かしてセカンドローを占拠。
フェラーリはアップデート無しでのサードローは及第点と言ったところか?
今回はマクラーレンのアップデートを分析してからセッションの反省に入りましょう。
マクラーレンのフロントウイングアップデート
マクラーレンが今回カナダで投入してきたアップデートはフロントウイング周りを中心に、各部に気流の整流を狙ったアップデートが入った。

形状の特徴としては、メルセデス同様フラップエレメントのプロファイルを全面的に見直し、翼端板付近のフットプレートエリアを従来よりもナロー化(幅狭)に絞り込んだデザインを採用。
フラップの前後幅はより広くなった、平坦なフラップにアップデートしたメルセデスとはその逆を行く。
但しフラップ翼端の捲れを見直すといった処理はメルセデスと共通しています。

フロントウイングステーは短く曲線気味だったものを、延長しより直線的なデザインに変更した。
この変更の意図はノーズ下に多く気流を流すということです。
整流と一緒に多くのダウンフォース確保を狙います。

ステーの変更に伴い、アクチュエータの長さにも変更が加えられました。
前後長が伸びたことにより、Xモード作動時の効果もより強力なものになる。
元々弱点だったストレートでも威力を発揮できるでしょう。
これによりメルセデスに対して更に肉薄できるパフォーマンスを狙いたい。

翼端とカナード形状も変更。
正面から見た時に、翼端の湾曲が若干弱まっていることが分かる。
このままだと翼端で発生するアウトウォッシュは弱まるが、横から見た時に翼端形状が丸みを帯びたデザインになってることが分かる。
翼端上部が若干前に突き出たことでアウトウォッシュの発生位置を前方にずらし、フロントタイヤに充てさせない。
カナードは全体的にボリュームが付きここでアウトウォッシュを強力に働かせる。
今回の翼端周りのアップデートはアウトウォッシュの発生位置と強力なアウトウォッシュを発生させる位置の変更だと考えて良い。


また、コクピット周辺の気流を整える新型ハロ・ウイングレットや、新しいエンジンカバー、フロアエッジなど、マシンボトム・リアの新パーツへ最適な気流を供給する役割を担っています。

フロア後端には、メルセデスやハースに見られた切り欠きが追加されており。

ディフューザーに向けて流すことで、よりディフューザー効果を向上させる効果が期待できる。
今回のアップデートでフロント側のダウンフォースが強くなるので、リアも相応に強くしてバランスを取ろうとしています。
公式の発表通り、マシンのあらゆる速度領域(低・中・高速、など)作動領域(ロール時)において、一貫して優れた気流の整流を行い、より安定した空力負荷をマシンに提供することが最大の狙いです。
マクラーレンも鈴鹿の際にはリアの不安定な挙動というメルセデスと同様の欠点を抱えていた。
今回のフロントウイングの仕様変更もメルセデスと同じく、フロントの気流の整流を中心に、空力効率を向上させ、全体的なダウンフォース向上という意図は同じ。
しかしローグリップでバンピー気味なジル・ヴィルヌーブの路面にこのアップデートはマッチしなかったようです。
その証拠にマクラーレンのマシンは挙動変化(荷重移動)の際に不安定な挙動を見せるシーンがあった。
速さはあるものの全体的な仕上がりとしてはまだまだ発展途上なところがあるでしょう。
スプリントレースにおけてレースペースはどのくらいあるのでしょうか?
アントネッリ若気の至り
気温20℃、路面温度32℃でスタートです。
殆どのドライバーはミディアムタイヤスタート。
リンドブラッドはハードタイヤ、ペレス・ストロール・ボッタスはソフトタイヤを履きます。
ベアマン・ボッタス・ガスリー・アルボンはピットスタートです。
ストロールのマシンがピットから出てきません。
レーススタート

今回はメルセデスが良いスタート、ピアストリ若干の出遅れ。
ハミルトンが2コーナーでピアストリの前に出る。
HAM5→4、PIA4→5。
メルセデス2台とノリスが序盤から抜け出す。
5周目、ハジャーがスローダウン、エンジントラブルの様です。

6周目、アントネッリとラッセルが1コーナー前でサイド・バイ・サイド。

ラッセルは2コーナーのインを締め、アウト側のアントネッリは外側に押し出される形でコースアウト。

復帰するもターン7でブレーキロックしまたもコースアウト。
後ろから迫っていたノリスに抜かれてしまった。
NOR3→2、ANT2→3。
アントネッリはこの押し出しに対して「あれは汚い」と激怒。
エンジニアのボニントンから落ち着くよう促されるも、怒りが収まらないアントネッリ。
最終的にウォルフが咎める形で収めた。
9周目、スローダウンしたハジャーはピットに戻りマシンをガレージに入れる、しかしその後ピットアウト。
15周目、アルボンがピットイン、ソフトタイヤに交換です。
16周目、アロンソがピットイン、ハードタイヤに交換です。
18周目、アロンソはピットに戻りリタイア。
19周目、ベアマンがピットイン、ソフトタイヤに交換です。
20周目、ガスリーがピットイン。
ヒュルケンベルグに10秒ペナルティです。
首位争いはメルセデス2台とノリス、そして後方ではフェラーリ2台とピアストリによる4位争い。
ハミルトンは周回を重ねるごとにペースが悪くなり、トップから離される、そこにピアストリとルクレールが1秒圏内に差を詰めてきた。
20周目時点でピアストリに0.5秒圏内まで詰められたハミルトン。
焦ったのか最終コーナー、ウォール・オブ・チャンピオンズの脱出でリアを軽くヒットさせてしまった。

それを逃さなかったピアストリが22周目ウォール・オブ・チャンピオンズでオーバーテイク、すぐ後ろにいたルクレールにも先行を許した。
PIA5→4、HAM4→6、LEC6→5。

ファイナルラップで1コーナーでアントネッリはノリスに並ぶもまたもブレーキロックでオーバーテイクに失敗。

レースはそのまま動きはなく、ラッセルが優勝。
ここ最近アントネッリの影に隠れていたものの久しぶりの勝利です。
トップ4、Q3で熾烈なポール争い。
気温21.1℃、路面温度31.4℃でセッション開始。
Q1
アロンソ18.272、ベアマン15.610、ピアストリ15.105。
リンドブラッド15.316、フェルスタッペン14.609。
ノリス14.213、コラピント14.727、ラッセル14.438、アントネッリ14.428。
ハジャー14.381、レッドブルはストレートが速いです。
ハミルトン14.838、ルクレール16.346。
ルクレールはウォール・オブ・チャンピオンズでミス。
ピアストリ15.221、アルボン15.761、ローソン15.109。
ベアマン15.846、サインツ15.746。
ラッセルがセカンドアタック、13.953であっさりトップ。
しかしすぐさまアントネッリが13.380でトップを奪取。
ハジャー13.654で暫定2位に付けてきた。
ハミルトン14.302、ルクレール14.475、リンドブラッド13.895。
ハミルトン三度目のアタック13.974、ノリス13.531、ガスリー14.698。
ルクレール13.825、ピアストリ13.559、サインツ14.276、ハミルトン13.767。
ノリス13.563、ヒュルケンベルグ14.562、ボルトレート14.775。

ボルトレートはギリギリオコンのタイムを超えてQ2進出。
Q1ではボッタス・ストロール・ペレス・アロンソ・アルボン・オコンの6名が敗退。
Q2
ハジャー13.623、ノリス13.325、ピアストリ13.270。
コラピント14.711、ハミルトン14.270、ルクレール14.321。
アントネッリ13.076、ラッセル13.611、フェルスタッペン13.475。
ハジャーのセカンドアタック13.204、ルクレールのセカンドアタック13.815。
ルクレールのタイムが全然上がってきません。
ノリス13.144、ラッセル13.079、ハミルトンが13.041でトップタイム。

フェルスタッペン13.553、ハジャーが何と12.975でトップを奪う。
ルクレール13.496、Q3進出は確実にしたがそれでもトップタイムには程遠い。
Q2ではベアマン・サインツ・ガスリー・ボルトレート・ローソン・ヒュルケンベルグの6名が敗退。
アップデートが入ってからというものの、コラピントが度々ガスリーを上回り始めている。
チームにとっては良い傾向である。
Q3
ここへきてレッドブルがトップ争いに加わっています。
ハジャーがフェルスタッペンを上回っているという点においても面白い。

フェルスタッペン13.433、ハジャー13.990、ピアストリ13.003、ノリス12.729。
ラッセルはファーストアタック敢行もピットへ戻ってしまった。

ハミルトン12.868、ルクレール13.149、アントネッリ13.088、ラッセル12.993。

フェルスタッペン13.502、アントネッリが12.646で暫定トップ。
ルクレールは12.976、12秒台に乗せるもハミルトンのタイムに届かず。
ハミルトンはアタックを取りやめ。
ピアストリ12.781、ハジャー12.935。

ラッセルはタイヤをよく温めてラストアタック、タイムは12.578でトップタイム!
フェルスタッペンは12.907で6番手に入って予選終了。
Q3ではトップ4が0.3秒以内の接戦を見せました。
ラッセルが公式予選久々のポール獲得。
カナダマイスター、2年連続優勝なるか?

今回はラッセルがポールを獲得しました。
ラッセルはこれで3年連続カナダでポール獲得。
Q3で出遅れた感はあったもののカナダマイスターと呼ぶに相応しい走りでした。
Q3ではトップ4が1位~8位まで差が0.3秒台の接近戦。
メルセデス、マクラーレンのアップデートは機能していることがよく分かる結果でした。
特に今回はレッドブルが良かったです、武器であるPUのパワーを活かした、ストレートの長いこのサーキットで本領をいかんなく発揮。
フェラーリはセクター1・2では勝負になっていたものの、セクター3では、メルセデスPUに置いて行かれる。
ルクレールに至っては直線番長のレッドブルにすらセクター1・2のタイムで後れを取っていた。
ここ2年見ていてもカナダであまり良いところが無いルクレール。
決勝は天気が微妙、雨が降ったカナダの決勝では戦略ミスを犯されているので、嫌な予感もあります。
今回はリンドブラッドとコラピントが良い走りを見せてくれました。
リンドブラッドは今回の予選で終始13秒台を出し続けていました。
PUが強力なこともあるでしょうが好印象です。
決勝の天気は微妙、雨が降ればシャシーにおいてはフェラーリが有利ですが、前述通りタイヤチョイスによる戦略ミスがかなり怖いところです、フェラーリには前科がありますからね。


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