F1第13戦ハンガリーGP。持ち込まれたパーツ、セッティングの確認と予選決勝の展望

マシンアップデート分析

ハミルトンが3年ぶりの優勝を決めたイギリスGPからはや一週間が経過。

この間にはグッドウッド・フェスティバル2024が開催。

ニューウェイがレッドブルで最後の仕事であろうRB17が公開。

急遽角田がRB18に乗るなど話題が満載なイベントとなりました。

そして、ハースのマグヌッセンが今季限りでのハース離脱も発表されました。

次にハースに乗るのは、一部報道ではオコンではないかという報道です。(ネタバレしていたようですが)

フェラーリはハースと2028年まで技術提携をするとの発表もありました。

色々なニュースがあった2週間、そして今週はハンガリーGPが開催されます。

ウイングセッティングの確認

では、早速ウイングセッティングに入っていきます。

https://twitter.com/AlbertFabreg

トップ4のセッティングです。

やはりフラップを最大限までたたせてダウンフォースを稼ごうとしています。

ハンガリーは低速サーキットなので、基本ウイングは最大限に立たせることが鉄則になります。

前回のイギリスの時には見られた、フラップ中央のV字カットを小さくしてきたチームが見受けられます。

ストレートスピードを多少犠牲にしてでもダウンフォースを確保します。

メルセデスは、リアウイングにアップデートが入り、低ドラッグ高ダウンフォースを、つまり空力効率の良いウイングを前回のイギリスでも機能させていました。

他のトップ4との違いはメインフラップの翼端が前方に突き出しているのが分かるかと思います。

新しいウイングになったことにより翼端の切り欠き部分が拡大し、より強力なアウトウォッシュが生み出されるようになりました。

マクラーレンのウイングもメルセデスの形状に近いですが、翼端の切り欠き部分が少なく、アウトウォッシュはメルセデスよりも弱い。

加えてフラップの面積が広いのでメルセデスよりもドラッグが多い、なのでストレートのトップスピードでは未だ他のチームに後れを取っている状態です。

中団勢のアップデートが目立つ

今回のハンガリーでは中団勢のアップデートが目立っています。

先ずはアストンマーティン

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アップデート前のハロの後ろは、小さなフィンでアウトウォッシュを作りだしていましたが、アウトウォッシュが弱いorハロ周辺の乱流を整流しきれなかったのだろう。

ハンガリーに持ち込まれたアップデートでは、フェラーリから着想を得たと考えられるハロウイングが取り付けられていました。

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フェラーリの場合、イモラで入ったアップデートで、トンネル状だったハロウイングのフィンが外側に向けられた形になっています。

アストンの場合はフェラーリのマイアミ仕様のものに近いです。

しかし、フェラーリのハロの後ろのフィンは垂直になっているのに対し、アストンのハロの後ろのフィンは若干外側に折り曲げられた形。

トンネル状のハロウイングを通過した後に、リアセクションに向けてより正確に整流ができるような機構になっていると考えられる。

ハロ周辺の空気はハロによって大きく気流が乱れ、その空気は乱れたままリアセクションに向かってしまう。

特にリアの安定性に欠けるアストンにとっては良い視点のアップデートではないでしょうか?

イギリスではダブル入賞を達成できた、前半戦は課題のアップデートの弱さもあり、若干停滞気味の時期がありましたが、このアップデートでもう一度トップ集団に戻りたい。

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続いてはザウバーのアップデートです。

前半戦も積極的なアップデートで中団争いをリードしようとしたザウバーでしたが不発。

目のつけ所としては非常に良かったと感じましたが、セッティングの理解不足からかポイント獲得に結び付かなかった。

今回のザウバーのアップデートはサイドポッド。

これまでは他のチームにも見られたアンダーバイトを張り出したサイドポッドでしたが、アッパーバイトを張り出してポッドウイング化してきました。

ポッドウイングはマクラーレンとハースが採用している機構であり、ハースはイギリスでこの機構を採用し見事成功を収めています。

ザウバーもハースの成功にあやかって追従した形でしょうか?

ポッドウイングを機能させるのに大事なことは、ウイングを規定限界の高さに設定されているか?

当然空気は前から流れてくるのでフロントの空力処理は適切にされているか?

ザウバーはハースと違ってフロントサスペンションはプルロッドを採用しているので、フロントウイングから跳ね上げられた気流の抑えつけはプッシュロッドよりも適した形です。

低速コーナーで弱点が消える?

ハンガロリンクは平均速度が189.134km/hとカレンダーの中ではかなり低速の部類に入ります。

前述の通りウイングフラップは最大限に立たせて、できる限り低速区間でもダウンフォースを確保することが大事になってきます。

最高速度も319.2km/hとホームストレートがそこまで長くない為、他のコースに比べれば低めです。

低速区間では、弱点が打ち消される。

高速域でポーパシングしていたフェラーリなどにとっては、戦いやすいコースとなっているはずです。

典型的なストップ&ゴーサーキットなので、立ち上がり・・・つまりトラクションの掛かりは重要になってきます。

普段あまり使われていないサーキットですので、コース上は若干汚れ気味、トラックエボリューションのよるタイム短縮は期待しても良いでしょう。

こうなると予選では後出しが当然有利ですが、1周が短いコースです。

どのタイミングでドライバーをコース上に送り出すか・・・トラフィックマネジメントが非常に重要になってきます。

特にフェラーリ・・・オーストリアの時のルクレールのようなことにはならないよう気を付ける必要があります。

タイヤに掛かる負荷は平均よりやや少なめと見ておくべきか、しかしハンガリーは非常に高温になるため、サーマルデグラデーション(熱によるタイヤ摩耗)には警戒するべきでしょう。

冷え性と言われるタイヤが温まりにくいチームには有利に働くはずです。

3連戦終了、フェラーリまさかのダウングレード。失速の原因について考えてみた。 – アルボンノート (albonnote.com)

以前こちらでフェラーリの不調について分析しましたが、前述してきたことの多くがフェラーリに当てはまっていることです。

3連戦は最悪だったフェラーリに挽回の余地はあるのでしょうか?

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