F1第10戦スペインGPFP1・2。アップデートを入れたチーム、入れなかったチームに明暗?

F1 2024シーズン

いよいよ始まりました。

前回のカナダから1週間空けてスペインGPの開幕です。

ここからはスペイン→オーストリア→イギリスと三週続けてレースがあります。

やはりかつては第二の開幕戦と呼ばれていただけあって各チームともにアップデートを持ち込んできています。

しかしそんな中で、アルピーヌだけは、夏休み手前までアップデートをは無いという声明をガスリーが出しました。

ここ数戦入賞争いに絡んでいただけあって残念です。

やはり軽量化というのは高コストなアップデートだということを改めて思い知らされました。

なんと、マクラーレンとメルセデスはアップデート無しでスペインに臨みます。

前回速かったので余裕ありという感じですがどうなるのでしょうか?

イタリアチーム大型アップデート。RBはギャンブル?

今回のアップデートで目についたのはフェラーリとRBのイタリアチーム勢による大型アップデートです。

フェラーリは大規模なアップデートを加えてきましたが、RBは全取っ替えと言えるレベルでのアップデートを入れてきました。

先ずはフェラーリから

リアウイングに変更があります。

フラップの下部の前後幅がカナダの時より若干広げられ、よりダウンフォースを生み出せる造りになっています。

https://x.com/NicolasF1i

続いての大きな変更点としてフロアフェンス形状とその後方に変更点。

特に後方の凹みはレッドブルと似た仕様のものに変えられました。

アンダーカットに流す空気とそうでない空気の差別化を図ることによって空力効率の向上。

アンダーカットに向けて流す空気を増やすことでフロアシーリングに役立つ。

外側に排出される空気はアウトウォッシュを増進するための空気として使われるでしょう。

アンダーカットに乱れた気流を流さないエアカーテンとしての役割が期待されます。

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先ほどアンダーカットに向けて流す空気量を増やしたいと言いましたが、その証拠がサイドポッド形状の変更です。

カナダまではサイドポッド中間の膨らみが大きくアンダーカットの面積が狭かったのですが、全体的にサイドポッド下部を上に引き上げたことにより、アンダーカットの面積を確保したのです。

そしてこの写真を見てみるとハロ付近のボルテックスジェネレーターにも変更が加えられています。

ボルテックスジェネレーターが高くなり、アウトウォッシュをより強めた形になりました。

RBは前述の通り全取っ替えと言えるレベルでのアップデートを敢行。

先ず目につくアップデートとしてエッジウイング形状を変更。

後部に切り欠きを入れたことで、アウトウォッシュを二層化し、より強力にすることを狙っています。

渦の発生ポイントと強さを調節したというところでしょう。

次に目立ったアップデートはサイドポッドスライダーの大型化です。

スライダーを大きくすることによって、ここで稼げるダウンフォースは増える。

しかしそれと同時にドラッグも増えてしまうのは懸念材料か。

RBは元々ドラッギーなマシンなので、ストレートでのパフォーマンスには少なからず影響を及ぼしそうです。

サイドポッド形状の変更に伴いフロアフェンスをややせり上げる形に変更。

バランスをとるという意味合いがあるように思います。

FP1はカナダと正反対

FP1は前回のカナダとは打って変わって真逆の条件でのスタート。

スペインはタイヤ負荷が大きいだけではなく暑い(気温28℃・路面温度46℃)

タイヤに優しいチームの本領発揮です。

セッション序盤ではハードタイヤを履いて走行。

トラックエボリューションによるタイム向上は若干あるものの、前回ほどではありません。

序盤はラッセルとフェルスタッペンがタイムを出し合う。

今回のメルセデスは金曜だけなのか、それとも・・・

レッドブルは今回はまずまずの出だしです。

しかしカタルーニャにも盛り上がった縁石は存在しているので、気を付けたいところ。

ペレスもここ二戦酷い出来でしたが、FP1では前回の反省を生かして修正してきたように見えます。

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レッドブルはサイドポッドのアンダーカットの面積を狭めるというマイナーアップデート。

先ほど紹介したフェラーリとは正反対のアップデートを取り入れています。

そして写真を見てもらうと分かるようにインレットの形状に変更が加えられています。

狭めたことによりより高圧で冷えた空気が冷却機構に流れて行くことになり、排熱ルーバーの数を減らすことができます。

このアップデートにより冷却効率の向上が望め、空力的にもメリットがあるのです。

そして排出された空気は、変更が加えられたビームウイングに当たるようにし、局所的にダウンフォースが生み出されるような仕組みになっています。

ビームウイングは翼端板の変更に伴い下側約3分の1が外側に移動し、横幅が広がったような形になりました。

角田のリアウイングがペラペラしています。

この後ザウバーのボッタスにも同じような現象が起きていました。

RBはセッション後半になってもタイムが出せていない。

それどころか角田が中々コースインをしない。

どうやら、RBは2台ともDRSのトラブルがあり作動していなかった模様。

いざコースインかと思ったら、アロンソがターン9通過後にフロントウイングのフラップを落としてしまい赤旗が出てしまう。

DRSトラブルがあったとはいえ、それでも15位と20位というこれまでの出だしとは違い、少し不安な出だしとなりました。

本来であればアップデートパーツを熟知するために一周でも多く周回を重ねたかったところですが。

セッションは最終局面で、マクラーレンのノリスがフェルスタッペンを0.024秒上回りこのセッションのトップタイムを記録。

やはり私の目論見通り、フェラーリ・マクラーレン・レッドブルによる三つ巴の争いを予感させるようなFP1となりました。

FP2メルセデスは今回も好調か?

ほどなくして始まったFP2

前戦大荒れだったカナダとは違い今回のセッションは比較的大人し目だったと思います。

ハミルトンがカナダでのフリー走行に続きスペインでもトップタイムをマーク。

サインツも地元でのレースということもあり躍動しています。

ルクレールはFP1でアンダーステアが起きているという無線が入っていましたが、マシントラブルはなく順調にプログラムを消化。

カナダのような悲惨な結果には少なくともなりそうにはないです。

ガスリーがアップデート無しにも関わらずセッションを4番手で終えました。

アルピーヌは去年のスペインでも好調でしたので、マシンの相性があっているのか。

ガスリーは昨年の予選ここでは4番手に付けているので、期待ができるのではないでしょうか?

一方FP1に引き続き調子が上がらないRB。

角田は「RBのアップデートは機能しているものの目標としている所には到達していない」とのコメント。

確かに全取っ替えレベルのアップデートを入れて機能さえすれば、かなりのパフォーマンスの向上は望めるかもしれません。

しかし、全て取り替えるということは、マシンのバランスや素性自体全くの別物になるということ。

適切なセッティングを理解するにも時間を要することですし、そもそも大量アップデートの全てが当たっているということは考えにくく、その逆も十分にあり得ます。

今回のRBのやり方というのはある意味ギャンブルなのです。

レッドブルのように、スペインだからと言って闇雲に大型アップデートを入れようとせず、マイナーアップデートで今のコンセプトの熟成という手法も正解の一つではないでしょうか?

前回のカナダで持ち直したように思えたアストンマーチンは初日は低調。

今回はフロントサスペンションに細かい変化を加えました。

細かい変化でこれまでに入れてきたアップデートの評価をしているという意味合いにも見えます。

今回はアップデートを入れたチームと、入れなかったチームとで明暗が分かれているように見えますが所詮はまだ初日。

この一日だけで評価するのは尚早ですし、セットアップ改善によってパフォーマンスが向上するチームが現れる可能性もあります。

スペインは風が強いのでその日によって当たり外れはどうしても出てきます。

この日良かったチームは次の日も維持できるように、逆に悪かったチームは少しでも改善に持っていけるように。

どうなるかは土曜セッションを見て判断していきましょう。

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