フェラーリからの招待状。車作りの考え方、モータースポーツに賭ける情熱を探る。

市販車分析

皆さん、長かったF1のオフシーズンがいよいよ終わり、14日から開幕戦オーストラリアGPが始まります。

今年は6人のルーキーに加え、ハミルトンを始めとした、移籍したドライバーの新天地デビュー戦。

現行レギュレーションにおいてはラストシーズン。

データのみによるとマクラーレンが予選、レースペース共にリードしているという予想。

実際にどうなるかは分かりませんが、私は分析を通して、全チームのマシンのポテンシャルや欠点をすべて把握しています。

テストが終了し1週間空きができ、どうしようかと考えている所にある所から招待状が来ました。

フェラーリからの招待状

フェラーリのディーラーから招待状が届きました。

私はたまにフェラーリのディーラーへ顔を出しに行っていました、どうやらそこの店からの様です。

グランテスタ長野と言って長野県内唯一のフェラーリ正規ディーラーです。

ここ数年行っていませんでしたが、中身を確認するとイベントの案内でした。

テストの分析も無事に終わり、開幕まで待つのみとなり折角だったので予約を入れていくことにしました。

昨年のF1においてフェラーリチャレンジというフェラーリのワンメイクレースが行われていたのですが、このレースにグランテスタ長野から出走していたのでその経緯が気になっていました。

こちらのお店に行くとフェラーリやモータースポーツについて沢山勉強になることがあります。

今回も沢山学ぶことが多かったです。

シェイクダウン前の車両が!

予約していた時間にディーラーに着くと早速スタッフに迎えられました。

直ぐにロビーに案内され、営業の方を待つことに。

営業の方が来るまでの間は車を眺めます。

流石はスーパーカーフェラーリ、圧巻の佇まいです。

眺めていると営業の方が来ました、私が顔を出すたびに対応して頂いた方でした。

最初は気付いてないようだったので、F1や鈴鹿といったワードで話を切り出すと

「ああ、F1好きの君か!」と思い出してくれました。

数年ぶりでしたが、ここに来るたびにF1の話を熱心にしていたので、そのお陰で私の事を覚えてくれていたようです。

早速本題のフェラーリチャレンジに話題を移すと

丁度工場に参戦予定のマシンが入っているから特別に工場を見に行っても良いよ、とのこと。

昨年の鈴鹿でのピットウォークの時もそうでしたが、フェラーリは非常にサービス精神旺盛です。

工場に入ると整備中のマシンが目の前にありました。

昨年までは488Evoが使われていましたが、今年からは296チャレンジを使用するとのこと。

奥に昨年走っていたマシンがあるよ、と言われたので工場の奥に目をやると

昨年型488Evoがありました。

このマシン鈴鹿で見たぞ!と昨年の日本グランプリの記憶が一瞬にしてよみがえります。

今年の開幕戦までは296チャレンジのみの出走ですが、2戦以降は296と488をクラス別に分けて走る予定とのことです。

通常の296とチャレンジ仕様の違いを見ていきましょう。

通常296のフロントです。

F8までの所謂458型からはフロントデザインが一新されました。

ヘッドライトのすぐ横は空洞になっており、その奥にあるラジエーター等の冷却機構に気流を流す。

マクラーレン720sと同様の手法が取られています。

チャレンジの場合は、フロントがかなり攻めたレーシングカー仕様に変更されている。

フロントスポイラー横には大きなカナードが設けられている。

ボンネットにはSダクトが設けられており、フロントダウンフォースを稼ごうという狙いが見て取れます。

バンパーに近づいてみるとラジエターが確認できる。

フロアはフラットボトムながら、フィンが立っており、現行のF1マシンに見られる、フロアトンネルのような構造にも見える。

リアに目を向けると、ディフューザーもしっかりと設けられている。

マフラーを車体の上側に持っていくことで、ディフューザー効率を良くしようととしている。

チャレンジを見てみると、先ず目につくのは大きなリアウイング。

これによりリアダウンフォースをより強力にする。

透けて見える内部構造からは、マフラーが2本出しになっている。

近くにいた整備士の方に話を聞くと

通常の296はハイブリッドシステムが入っているが、296チャレンジはハイブリッド機構が撤去され純エンジンのみが動力源、ただその分整備はかなり楽ですよ、とのこと。

296は通常のホイールですが、チャレンジのホイールはセンターロック式を採用しています。

フェラーリチャレンジの裏側

話をしていくと私の知らない裏事情が沢山出てきます。

まだスポンサーステッカーとデカールを貼って無いけど、マシンの方はあと少しで仕上がるとのこと。

完成したマシンは3月14日に非公開でシェイクダウン+テストを行うとのこと。

そして4月の日本GPでF1の前座レースとしてぶっつけ本番だそうです。

F1の時間が絶対だから事故は起こせない、3月14日のテストは絶対に事故を起こさないための予行演習のようなものだ、と語ってくれました。

ドライバーはプロもいればアマもいます。

そのドライバーたちに掛かっているプレッシャーは相当なものの様です。

更にピットでの裏事情も話してくれました。

フェラーリチャレンジはピットは使えないが、ポルシェカップはピットを使えるそう。

ポルシェカップは5~6年と長いスパンで契約をしているが、その契約が今年で切れる。

もし更新が無ければフェラーリチャレンジがピットを使えることになる。

ピットを使えないと大変なんだよ、と営業の方が漏らしてくれました。

因みにこちらの店はアマクラスでの参戦。

こちらでフェラーリを購入されているオーナーさんに、このシリーズに参戦しないかと持ち掛けたところ、4人の方が参戦してくれることになったそうです。

こうしてディーラー側からオーナーに向けてモータースポーツ参戦の話を持ち掛けるのはフェラーリのみだ、と営業の方は力説してくれました。(但しフェラーリチャレンジの参戦には国際Cライセンスが必要)

フェラーリに乗ることができれば、レースといったものが凄く身近になるよ、とも話してくれました。

因みに鈴鹿には2台参戦予定とのこと。

今年から仕様車種が488Evoから296チャレンジに変わるので、レース用の車両を購入して貰う必要があるとのこと。

そこに参戦するためのエントリーフィー+全5戦分のタイヤを用意する。

1シーズンざっと9000万円かかるそう。

流石はモータースポーツです、しかしこれでもF1に比べれば断然安いのですから驚きです。

296に試乗

今回は296に試乗ができるとのこと。

良いんですか?と恐る恐る聞くと勿論です、と返答が。

運転もOKと言われましたが、流石に気が引けたので、助手席のみの試乗をすることに。

乗る前に誓約書を書かされます。

これは運転するしないに限らず書かなければならないそう。

運転免許証のコピーも取ります。

ドアは格納式、奥側の取っ手を引っ張るとドアが開きます。

空気抵抗削減の為に徹底されています。

早速乗り込むと奥行きがかなりある、少し寝るような態勢と言っていいか?

サイドミラーの確認が少し窮屈な感じです。

下は試乗した際の様子です、是非ご覧下さい。

フェラーリ初のV6エンジンだけあって、普通に走らせている分にはフェラーリらしからぬ静かです。

ところが少し踏むと一気に加速する、しかし運転している営業の方の足を見ていると、文字通り少ししか踏んでいない、しかしそれでも加速は強烈でした。

一体ベタ踏みしたらどれほどの加速をするのだろうか?全く想像つきません。

サスペンションも路面の衝撃を吸収してくれており、凹凸に乗り上げても車内に伝わってこない。

そのため快適であり不快感を全く感じない。

試乗の時間はあっという間に過ぎてしまいました。

皆さんもフェラーリに乗る機会がありましたら、是非乗るべきです。

フェラーリのモータースポーツに全てを賭けるという自動車メーカー本来の姿勢であったり、車造りに対して一切妥協が無かったりと、私にとっては全てが共感できるメーカーです。

今回も沢山の事をこの場所で学ばさせて頂きました。

全てはF1で勝つために日々活動しているフェラーリ、今シーズンも期待です。

フェラーリについては以下からもご覧下さい。

アルボンノート 市販車分析、フェラーリ編。市販車販売はレース資金調達の為?全てはF1で勝つために – アルボンノート

コメント

タイトルとURLをコピーしました