今年のプレシーズンテストも無事に終了しました。
3日間視聴された方、大変お疲れ様でした。
昨年と比べ、多少の接触等はあったものの大きなクラッシュなく各チーム淡々とプログラムをこなしていたように見えました。
多少のトラブルはあったもののプログラムを全く消化できなかったというチームは恐らくないかと思います。
今回は3日間のテストを通して私が気になった部分を上げていきたいと思います。
テスト前の予想
ここで分析の前に私がテスト前のローンチ時点で、マシンの戦闘力を予想してみました。
1・2 フェラーリorマクラーレン
3・4・5 メルセデス、(レッドブル)、アルピーヌ
6 アストンマーティン
7・8 ウィリアムズorハース
9・10 レーシングブルズor(ザウバー)

1位2位予想にフェラーリとマクラーレンを入れた理由として、トレンドデザインをしっかりと把握しておりマシンに反映されている。
恐らく飛びぬけて速いのではないか?
この2チームが開幕数戦は一騎打ちになるのではないかと予想。
3位以降は正直どんぐりの背比べになるのではないかと予想。
メルセデスの直線的なフロントウイング+メインフラップとノーズの接続がトレンドから外れており、それ以外は基本的に外していない。
アルピーヌも同様な理由で5位予想、中団のトップになるのではないかと予想しました。
6位予想したアストン、他チームの模倣により面白味の無いデザインですが、しっかりとトレンドは捉えている。
昨年のパフォーマンス面+他チームもトレンドを取り入れたデザインの新型マシンを投入していることから考えてこの順位と予想しました。
開幕数戦は苦しむと思いますが、ニューウェイの入れるアップデート次第でトップ勢に食い込む可能性は有りと見ています。
7位8位予想のウィリアムズとハース。
ウィリアムズはマクラーレンを模倣、しかし昨年はディフューザーの自由度が無く、車高を限界まで低くし、ダウンフォースを得ていたが、フロアで気流がストールし、ポーパシングの発生。
リアの不安定さを招き、安定感を失ったマシンがクラッシュを繰り返していた。
ディフューザー形状の理解度次第では、順位変動が考えられます。
しかし昨年後半のパフォーマンスを考慮しこの順位と予想しました。
ハースはフロントウイングがトレンドから外れたデザインを採用しているため、そしてフェラーリとの決定的な違いであるフロントサスにプルロッドを使用していないためこの順位と予想。
9位10位予想のレーシングブルズ、レッドブルのマシンを模倣しているものの、全体的にトレンドからは離れたデザインの為この順位と予想しました。
()をしているチームはテストまでに新型車の確認ができなかったので、()を付けました。
現時点では不明ということにしています。
テスト全体の感想
今回は構造の解説に入る前にテストを見た全体的な感想を述べたいと思います。
私は初日に午前セッションから、3日目の午後セッションを全て見たので、それも踏まえて全体的な印象を語ります。

3日間を通して最速タイムを記録したのは2日目の午後セッションでウィリアムズのサインツが記録した1分29秒348。
テストの段階とは言え昨年のウィリアムズのパフォーマンスを考えると明らかに大躍進です。
去年のマシンは前述通りディフューザーの関係でリアが不安定になり、最悪吹っ飛んでいましたが、今年のテストを見ていてもリアの挙動が乱れるというシーンが全く見られませんでした。
ウィリアムズはディフューザーの構造をしっかりと理解してマシン作りをしてきたということが伺えます。
7位8位予想をしていたウィリアムズですが、これは認識を改めないといけません。

毎年のようにトップタイムを記録しているフェラーリの一発のタイムは、サインツに僅かに及ばないものの今年も上位に付けていました。
ただ、順調に周回を重ねていた昨年に比べて若干周回数が少ないのは少し気になりました。
ハミルトンが初年度だということも関係はしていると思います。
特に初日はフロントウイングの調整で出遅れている部分も見られました。
後はリアが少し不安定気味の様に思えます。
昨年に比べるとロングランのペースは鳴りを潜めた感じです。

マクラーレンはロングランがダントツに速い、決勝でも優位に立てるのではないかと思います。
がしかし、リアが兎に角不安定、特にターン4ではノリス、ピアストリの両ドライバーが挙動を乱して苦戦しているの印象的なテストでした。
低速もしくは中速コーナーからの立ち上がりもリアが滑っているように見えたので、ダウンフォースは多いが、ピーキーで乗りこなすのには難しいマシンではないかと思います。

メルセデスはフロントウイングがトレンドから外れていたものの、いい意味でフロントの鈍感さが功を奏しているのではないかと思います
マシンの挙動が乱れる場面があまりなく、コーナーでマシンが安定している印象です。
ロングランはフェラーリに近い数字を残しており、3番手以降はどんぐりの背比べと予想していましたが、3番手争いから一歩抜け出した印象です。

レッドブルは全体的にトップから微妙に遅れているという印象を持ちました。
しかし、思っていたほど悪くない、最終日の午後にはフェルスタッペンがトップタイムを記録。
フロービズを多用してマシンの更なる改善を図ろうという姿勢も好印象でした。
とはいえ現時点ではトップチームにはまだ及ばないか。
あと今年はルーキーが6人とフレッシュなシーズンとなりましたが、そのルーキーも全体的に好印象です。
特にアントネッリの走りは全体的に好印象です。
一発も上手くまとめて、ロングランも淡々とこなしていたように見えました。
ローソンの初日も中々好印象でした、適応力の高さが伺えたように思えます。
テスト視聴後の順位予想
ではテストを見た後で改めて開幕時点の戦闘力を順位予想してみます。
1・2 フェラーリorマクラーレン
3 メルセデス
4 レッドブル
5・6 ウィリアムズorアルピーヌ
7・8 アストンマーティンorハース
9・10 レーシングブルズorザウバー
やはりフェラーリとマクラーレンが開幕時点は、争うのではないかというのが私の予想です。
今後のアップデート次第でこの2チームの勢力はガラッと変わっていくでしょう。
3位にメルセデスを単独で予想。
昨年に比べると一発の速さ、そしてレースペースが全体的に良くなっているように思えたのでこの順位と予想。
新人アントネッリの活躍にもかかっています。
4位にレッドブル、悪くは無いもののトップに食い込むにはまだ改善が必要。
フェルスタッペンの5連覇には、取りこぼしをしないことが重要。
ローソンも適応力はあるので、フェルスタッペンにどこまで食いついていけるかがカギです。

5位6位にウィリアムズ、アルピーヌと予想。
テストを視聴して最も印象的なパフォーマンスだったのがウィリアムズです。
昨年のテストに比べたらそれは劇的な変化ともいえるくらいに改善されています。
ロングランのペースはまだトップには及ばないものの、予選ではQ3常連になりそうな予感をさせる走りでした。
新加入サインツのフィードバックによってマシンパフォーマンスをどこまで伸ばしていけるかにもかかっています。
アルピーヌはガスリーが今年も良さそうです。
Q3進出争いはトップ4に加え、このアルピーヌとウィリアムズが残り2枠を争っていくのではないでしょうか?
7位8位にアストンマーティンとハースを予想。
アストンとハースは全体的にあまりいい印象と言えるテストではないと思います。
アストンはロングランと一発の速さともに、中団トップを争うウィリアムズとアルピーヌからは若干かけ離れているという印象を持ちました。
ハースは3日間通してロングランばかりやっていたので、一発の速さは未知数ですが・・・

9位10位はブルズとザウバー、この2チームは順位が変わらなかったです。
特にブルズは最終日にロングランを中心に行っており、そこに不安を抱えているのではないかと感じます。
C2タイヤで1分36秒台は正直速い数字とはいえません。
アタックラップも中高速区間のセクター2で後れを取っており、今年のマシンもこの区間は苦手ではないかという印象です。
ザウバーは昨年終盤に初ポイントを記録し持ち直すも、新車に入れ替わって他チームが軒並み戦力を上げてきているので、序列はまたリセットされてしまったという印象です。
ボルトレートとヒュルケンベルグも逸材と言えるドライバーだと思いますが、マシンが改善されて戦えるようになるまで、我慢を強いられることになりそうです。
今回は分析というよりもテストの全体的な感想を中心に書いていきました。
次回以降は印象に残った構造について解説を入れていこうと思います。
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