F1シーズンも既に3分の1を消化しました。
ここからは再びヨーロッパに戻り、オーストリアグランプリが開催されます。
サーキットスペックの導入、マイナーアップデートが中心とされている今シーズン。
カナダではメルセデスが圧勝し、競争力を見せつけてきましたが、ここオーストリアではどうなるでしょうか?
ウイングセッティング確認
ウイングセッティングに入ります。

レッドブルリンクは、低速コーナーと高速コーナーが混在しているため、セッティングの妥協点をどこに置くかはチームによって分かれるはずです。
トップ4のウイングセッティングからもそれが見て取れます。
レッドブルは他の3チームに比べて若干アッパーフラップが薄いか?
U字型のロワフラップをこの中では唯一採用しており、ダウンフォース量は多い。
しかし空力効率との両立は取れないので、ウイングレパートリーの少なさは少なくともここでも災いしています。
とは言え、通常のサーキットに比べ少し高地にある為、少し空気が薄い。
マクラーレン・フェラーリの様に多少フラップを重めのものを用意してダウンフォースを優先させたいという意図とも取れます。
メルセデスはカナダでアンチスクワットを強化したリアサスペンションがここでも強さを発揮できるか。
そのためかレッドブルほどではないですが少し薄めに感じる。
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見切れているので多少分かりづらいですが、メルセデスの翼端は他チームと違いうねりがあります。

続いては中団チームのセッティングを確認したいと思います。
アストンとハースがミディアムロー気味。
アルピーヌとRBはローダウンフォースです。
こうしてみた時にアストンのリアウイングは翼端の処理と言い、ロワフラップの湾曲具合と言い、お世辞にも空力効率が良いものとは言えません。
アルピーヌのロワフラップも湾曲が大きく、ダウンフォースを多く得ようという意図が見て取れます。
1分弱で一周もまとめるのは至難の業
高地ではレッドブルグループに搭載されているホンダPUが有利に働くとされていますが、肝心のシャシーと空力においては、マクラーレンに先を越されています。
ただ、標高700メートルという少し高地にあるサーキットなので、酸素が薄く冷却面においては平地よりも少し劣ります。
エンジン負荷に関しては、全開区間が多く酸素の薄さも相まって高めです。
PUの信頼性が無いメルセデスにとっては気を付けたいところです。
セクター1~2の前半にかけてはストップ&ゴーサーキットの色が強く、後半は高速サーキットへと変化していきます。
結局のところ、低・中・高速域の区間が揃っているため、マシンの総合力の高さは言うまでもなく重要です。
どの速度域の区間を優先させるか?
冷却優先なのか?それとも空力を優先させるのか?
前述通りチーム毎にセッティングの違いが生じています。
そしてこのコースと言えばソーセージ縁石に注意が必要です。
トラックリミットにも注意が必要で、昨年の予選ではルクレールが最終コーナー手前でオーバーランしマシンを跳ね上げフロアにダメージを受けていました。
タイムアップには速めにスロットルを開けることが当然ですが、オーバーランには注意したいところです。
1分弱で1周で来てしまう短いサーキットですが、上記の理由から完璧にまとめ上げるのは至難の業です。
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