フェラーリ2025年型マシンSF-25がシェイクダウン、チャンピオン奪回の秘策はあるのか?

マシン分析

日本時間19日午前5時から行われた全チーム合同新車発表会。

というより新カラーリング発表会となっていましたが、イベント自体は盛り上がっていたので成功だったと思います。

そしてフェラーリはイベント終了後にすぐ本拠地のフィオラノに戻り、新型SF-25のシェイクダウンを行いました。

今年もチャンピオン奪回に向けて始動した2025年、新型SF-25は秘策があるのでしょうか?

予告通りフロントサスペンションはプルロッド化

フェラーリは以前から新型のSF-25のフロントサスペンションにはプルロッドを採用するという噂がありました。

この噂はどうやら事実の様です。

プルロッド化にすることにより重量物が車体下に集まってくれるので、空力的に有利になります。

プッシュロッドに比べてフロントウイングから跳ね上げられた気流の流路も確保できるので、こういった点も空力的に有利である要因であります。

更にプルロッドは引張方向(車体外側)への強度のみに気を付ければ良いので、ロッドを細く作ることができる。

つまり、これは単純に考えて軽量化に繋がります。

唯一の欠点は整備性の悪化ですが、これよりも走行時の利点の方が圧倒的に勝ります。

採用できるのであれば当然取り入れるべきなのです。

サスペンションの車体側の付け根が横に広がっています。

フロントウイングから跳ね上げられた気流をこれ以上上がらないよう、サイドポッドに向けて流せる造りとなっています。

フロントウイングフラップ翼端は昨年後半戦に引き続き、捲りを使ってアウトウォッシュ促進を狙っています。

フロントの空力改善によってフェラーリの戦闘力アップが見込めそう、フロントの入りは更に良くなるはずです。

フェラーリはフロントサスペンションの配置を全体的に変えているみたいです。

マクラーレンほどではありませんがアッパーウィッシュボーンの後部が、アンチダイブを意識した作りとなっています。

マシンサイドに大きな変化アリ

フェラーリが大きく変えてきたのはフロントだけではありません。

マシンサイドにも多くの変化が見受けられます。

フロント側から見た時、サイドポッド上がマクラーレンの様なポッドウイングが採用されています。

しかしポッドウイング翼端に目を向けると翼端板のようなものが立っており、ダウンウォッシュだけではなくアウトウォッシュの促進も狙っているようです。

サイドミラーのマウントは昨年型よりもスリムになり、細かいようですがドラッグの削減に努めています。

ハロ側面には外側に曲げられたフィンが健在です。

そしてサイドポッドインテークの下に伸びる細いインテークも健在しています。

更にハロの上には黒い小さなフィンが乗っかっています。

マシン後部(エンジンカウル、リアウイング)に向けて流れる気流が乱れているのは良くありませんのでやはり整流目的で取り付けられたと考えるべきです。

マシンからの上昇気流を吸い上げて細いインテークに流す。

今年もそのトレンドに沿った構造を採用。

マクラーレン等のトップチームも冷却確保の為にこのソリューションを取り入れています。

エッジウイングの後端は階段状で直線的に下がった形になっています。

アウトウォッシュによる渦流の発生場所を変えています。

階段状に渦流を発生させることでアンダーカットに流れる気流をより保護しやすくする狙いと考えられます。

フェラーリのマシンサイドはマシンを通る気流を邪魔しないように、徹底的なアウトウォッシュ発生によって管理されています。

今年の新型マシンはフロアエッジの構造を見直し、切り欠きを増やしてくるチームが今のところ多数を占めています。

しかしフェラーリはこの部分に関してはトレンドに乗ることなく、昨年型と大差のない形です。

フロアエッジの幅も他のチームよりも狭く、フロアに流れる気流は出来る限り放出したくないのでしょうか?

リアの空力処理

サイドポッドはリアに向けて湾曲しながら下げていくスタイルに代わり、レッドブルのようなスタイルに変更。

フェラーリのリアウイングについてです。

ロワフラップの湾曲は中心が最も下がったV字型を採用。

翼端は切り欠きの面積が広げられ、よりアウトウォッシュが強力になります。

多くのチームが翼端をメルセデスのリアウイング形状を採用しているので、このレギュレーションにおいての正解はメルセデスが引いたことになります。

マシンを後部から見た画像です。

ディフューザー内部が暗くて解りませんが、ディフューザー出口には外側へと捲りが付けられて気流を引き抜こうとするトレンドに沿った形です。

ビームウイングは中央部のロワフラップを立ち上げ気流の失速をより強め、ディフューザーから抜ける気流との圧力差を生じさせる。

ディフューザーに掛かっていないロワフラップ翼端はフラップを削り、余計なドラッグを削減させています。

翼端板は昨シーズンでは直線にしたり、曲げたりと今年もサーキットの特性によって変化するはずです。

マクラーレンに寄せつつも独自のデザインを採用し勝負を掛ける

フェラーリもどうやらマクラーレンに形を寄せつつも、随所に独自のデザインを採用しています。

他のチーム(マクラーレン等)は正常進化させている所が多いのですが、フェラーリはフロントのデザインを今年に掛ける思いが伝わっていきます。

フェラーリの完勝で始まったレギュレーション初年度の2022年。

しかし気付けばアップデートで躓き、ライバルたちに先を越される始末。

ティフォシの私としては、なんとしてもタイトル奪還に向けて全力を尽くして欲しい。

マシン構造が全く同じになった時は積んでいるパワーユニットと手持ちの空力パーツ(ウイング等)の勝負になります。

特にパワーユニットはパワーにおいてはフェラーリが最強と言えるので、そのような勝負になった時はフェラーリが有利に立てると考えられます。

他のチームの分析はこちらからです。

マクラーレンの奇襲シェイクダウン。全チーム最初の登場、MCL39の全貌とは? – アルボンノート

ハースの2025年型マシンVF-25が登場、前年型との違いを比較 – アルボンノート

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