2週間のバーレーンテストで変化した空力性能2、フェラーリまたも斬新構造

マシン分析

バーレーンプレシーズンテストでは、メルセデスやマクラーレンを始めとした、メルセデスPU勢の順調さが目立っています。

ウィリアムズもバルセロナのシェイクダウンテストには間に合わなかったものの、順調に周回を重ねた。

メルセデスPUは最多の4チームと、チーム数の多さも相まってかバルセロナからバーレーンプレシーズンテストの総距離は地球の半周にも及んだそう。

フェラーリPUを積む3チームはメルセデスPUの総走行距離の約半分ではあるものの、平均走行距離は殆どメルセデスPUと差が無い。

特に順調だったフェラーリは2日目午前のみマシントラブルがあった。

しかしそこにはあまりにも斬新すぎる新機構が採用されていた。

フェラーリの回転リアウイングフラップ

バーレーンテスト2週目2日目で最も驚かせたのは、前日に続いてフェラーリ。

なんとリアウイングフラップが反転する機構を持ち込んできました。

通常はこのようにIBMのロゴはリアからかつロゴが反転していない。

これは飛行機の翼と同様の原理が起きている。

飛行機の翼はダウンフォース発生とは逆の原理で、翼上が負圧の発生。

逆に翼下は正圧が発生している。

これによって、浮力が発生し、飛行機は上空を飛ぶことができる。

つまり図式化するとこうなる、飛行機の翼による浮力発生はF1のウイングと逆の形をしていることから生み出せるものです。

CFDで見てみる、上の写真は従来のリアウイング(Zモード(コーナリング))。

ウイングフラップは地面に向かって垂直気味に立つ。

これによってフラップ上面の流速が遅くなり正圧が発生。

その分フラップ下面(もしくは後方)の流速は速くなり負圧が生じる。

これにより正圧が負圧を押すような形となりダウンフォースが発生する。

次は従来のXモード使用時のリアウイングフラップ。

各フラップが地面に対して平行になったことで、正圧と負圧の差が縮まりドラッグが少なくなった。

それでもフラップ上面の正圧は若干強い。

次にフェラーリが採用した、回転式リアウイングフラップ。

上側の2枚のフラップの上部が負圧に変わったことが分かる。

速度域が上がることによってこの負圧は更に強まりリフトを発生させる、このリフトが更なるドラッグ低減に貢献できるでしょう。

ではこの回転フラップはどのようにして実現されるのでしょうか?

翼端板上部に何か内蔵されていることが分かるでしょうか?

これこそが、回転フラップを実現するアクチュエータで翼端板に内蔵されている。

この内蔵型アクチュエータによって起きる空気の乱れは抑えることができる。

しかしこの回転式フラップはメリットだけではありません。

従来よりも開く角度が大きい為、開き切るにも時間がかかる。(約0.4秒)

開くのに時間がかかるということは空力特性の変更に時間がかかってしまっている。

ストレートエンドからコーナーへ移行する際に、フラップの移り変わりによる空力特性の変更が素早く行われないと、昨年の鈴鹿の時のドゥーハンの様になりかねません。

しかしレギュレーションには、リアウイングの開き方に対する制限は設けられていません。

これはレギュレーションを理解していないと、できない造り。

確かに欠点はあれどこの機構を持ち込んできたフェラーリを褒めるしかありません。

速さによる考え方の違い、エネルギーマネージメントを極めたドライバーが勝つ

前回、速さに対する考え方がチームによって大きく分かれていると説明しましたが、それは走らせ方に大きく表れています。

先ず今期のレギュレーションはMGU-Kによる出力が大幅に増えた分、それだけエネルギー消費も激しくなっています。

今季のPUは高回転でエンジンを回すことによって、電動エネルギーの回生効率の向上が図れる。

これにいち早く順応してきたのはフェルスタッペン。

1週目のテストからそれが現れ、例えば本来2速でクリアするコーナーを1速でクリアするなど、コーナリングで回生効率を向上させる工夫が見られました。

現行マシンではエンジン回転数を高く保ちながら、コーナリングをしていくことがカギとなります。

それはギアレシオの設定にも表れています。

そして、トップ4(フェラーリ・メルセデス・マクラーレン・レッドブル)で速さの解釈が大きく分かれている。

フェラーリはバランス型で中間ギアがMcLarenに似ていますが、7th-8thが1%長い。

回生効率と最高速の両方を狙ったバランス重視のセッティングを採用してきた。

マクラーレンの場合は、1st-4thギアが短い(狭い間隔)、8thギアを360km/h@13,000RPMに設定。全体的にショートギアです。

ショートギアにすることで、高い回転数を維持して、回生効率を上げようとする考え方です。

特に低速コーナーのギア比の間隔が狭いので、コーナリングでの回生効率の最大化を狙おうとしています。

メルセデスは1stギアが長い(広い間隔)、中間ギアも(5th-7th)がMcLarenより1.5-2%長い。全体的にロングギアリングというマクラ―レンとは対照的。

ロングギアにすることで、回生効率はショートよりも悪くなるもののエンジン出力におけるトップスピードは高くなります。

興味深いギアレシオを示してきたのはアウディ。

極端に長いギア(1stが短く、7thがMcLarenの8th相当)で広い間隔。

低いギアでは回生重視、高いギアでは最高速重視。

何となくフェラーリと考え方は似ている。

全体的な回生効率の向上を考えているマクラーレンとは正反対のアプローチと言えるでしょう。

ギアレシオの変更は開幕前に決めたもので1シーズンを通して戦い抜く。

ギアレシオの選択が重要な点であることは間違いないです。

スタートの良さとブレーキングポイントを奥にすることでタイムを稼ぐフェラーリ。

コーナー立ち上がりの蹴りだしが異様に強烈なメルセデス。

コーナリングの速さが光っているマクラーレン。

直線が良く伸びるレッドブル。

速さの生み出し方、タイムの稼ぎ方がチーム毎によって違うという点も面白いです。

バーレーンプレシーズンテスト終了、2週間のテストで変化した空力性能1 – アルボンノート

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