世界三大レースモナコGPが終了、フリー走行から終始好調だったルクレ―ルを予選で振り切り、その勢いのままノリスがモナコ初優勝を決めました。
これによってポイントトップのピアストリとはたったの3点差です。
今年のチャンピオン争いは序盤から接戦の様相です。
そして今週、シーズン2度目の3連戦のトリを飾るのはスペインGP。
マシンの総合力が試されます。
フレキシブル制限されたフロントウイング
このスペインからフロントウイングのフレキシブルが制限されます。
これまでフロントウイングの撓みの許容範囲は、15㎜までとされていましたが、スペインからは10㎜に制限されます。
そして、中央部分は3㎜→2㎜と撓みの範囲が縮小されます。
そしてテストをする際には停止時に1000Nの圧力をかけ、フロントウイングフラップが10㎜以上撓んでいないかをチェックします。
なので今回リアウイングセッティングに先立ち、フロントウイングを最初に見ていきます。

フレキシブルの恩恵を一番受けているであろうとされているマクラーレンにも、早速仕様変更されたフロントウイングが投入されています。
変更については主に、スロットギャップセパレーターの仕様もしくは位置変更が主になるでしょう。

もちろん仕様の変更はマクラーレンのみならず、フェラーリも例外なく変更を余儀なくされています。
フェラーリにもスロットギャップセパレーターの仕様変更が施されているようです。
メインフラップと2枚目フラップの前後幅が狭くなっているでしょうか?


翼端に目を向けると翼端板に形状変更が見受けられます。
上のモナコ仕様では翼端板後端は直線的な形。
しかしここスペインでは、後端が湾曲した翼端板を持ち込んできました。
アウトウォッシュの促進です。
フロントウイングフレキシブルの利点は、フラップが寝ることにより、前面投影面積減によるストレートスピード向上。
加えてノーズ下~フロアに向けて流れる空気量が増えグランドエフェクトによるダウンフォースが増える。
といいことずくめでした。
基本的な考えとして、ダウンフォースが少ない→その分余計にステアリングを切らないといけない。
タイヤ負荷増=ロングランに影響が出ると考えています。
勿論ステアリングを切らないと曲がってくれないので、予選の際の一発のタイムにも少なからず影響は及ぶことになるでしょう。
総合力の高いチームが制す
スペインGPはかつてプレシーズンテストで使わていただけあり、総合力が試されるコースです。
セクター1・2は中高速コーナーが中心。
セクター3は低速コーナー中心、最終コーナーは高速コーナーです。
右コーナーが多いことに加えそのコーナーの多くが高速コーナーです。
その為左フロントタイヤに掛かる負荷はかなり高いのでタイヤマネジメントはかなり重要になります。
レッドブルはモナコのようなどうもできない状況ということは考えにくいですが、タイヤに厳しいマシンですので如何にマネジメントできるか?
そういった観点で見ていくと、今年はやはりマクラーレンがこのサーキットでも抜きん出たパフォーマンスを持っていると思います。
そして前述通り、今回からフロントウイングのフレキシブルの取り締まりが強化されます。
高速域でフロントウイングフラップを寝かせることで、ノース下に流れる気流量を増やすという手法は制限されることになります。
マクラーレンのフロントウイングの動きが顕著ですが、パフォーマンスに多少パフォーマンスに影響は出ると考えます。
しかし、これによる優位性が失われるとは考えにくいです。
何故ならマクラーレンほどではありませんが、他のチームも追従してフレキシブル機構を取り入れているから。
追従して取り入れたということは少なくとも取り入れたチームには影響が及ぶということです。
全てがマクラーレンに繋がってくると考えるのは尚早かと思います。
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