新車発表は、今回は私の本命であるフェラーリSF-26。
昨日シェイクダウンをしたアルピーヌも新車発表、この2チームの新車発表で1月分は終了のようです。
シーズン前から、メルセデスの圧縮比トリックに対抗する話題として上がってきている鋼合金製シリンダーヘッドのPU。
毎年恒例のマラネロでのシェイクダウンが実施されました。
ではそれをシャシーとどう合わせてきたのか、暫定ではありますが分析したいと思います。
工夫で厳しい冷却効率と空力を両立。
先ずはカラーリングを見てみましょう。

メインスポンサーであるHPのカラーである青が入り、エンジンカバー上部とコックピット周りが白色、どこか312Tのような感じがします。
メインスポンサーとはいえHPの青色が入ることは、多くのファンが納得していない
個人的にはあんまりという感じですが、速ければどうということはありません。
それでは本題のマシン分析に入ります。

フロントウイングに着目、先ずは、ノーズとメインフラップの接続が左右に伸びており、中央の隙間が他のチームに比べて大きい。
これはノーズ下に多く空気を流したいという意図が明らかに見て取れます。
この領域もフロア同様旧旧レギュレーションだった2021年のデザインに何れは近づいていくのでしょうか?
ウイング中央と端とで高さは差ほど変化なくスプーン形状は弱めです。
しかしカナード形状は割とシンプルに仕上げてきました。
フロントサスペンションはプルロッドを1年で止め、再びプッシュロッドを採用。
Zモード時(ハイダウンフォース)時の気流跳ね上げを抑える手法は他のチーム同様のアプローチです。
週明けのバルセロナテストでマシンをよく確認する必要がありそうです。
とはいえマシンデザインが変われどF1空力の基本はフロントなのです。
そして正面から見てもう一つ分かるところがあります、インダクションポッドです。
インダクションポッドは細くスリムな三角形形状、明らかにドラッグの低減は期待できる。

そして、インダクションポッド横に目を向けてやると、フィンが付いている。
これもかつて流行ったホーンウイングと同義なのだろうか?
そうであれば、ロードラッグにより最高速向上が期待できます。
そして面白いのが、インテークのサイドに小さな、穴が開いており、ここでエンジンに送る冷却空気を確保しているのではないだろうか?
この形を見る限りでは、空力と冷却の両立という風に見ていますが、Xモード(ロードラッグ)の兼ね合いもあるでしょう。
実際にレーシングスピードで走らないと機能するかは何とも言えません。
メルセデスW17と似て非なるアンダーカット切り欠き
マシンサイドを見てみましょう。

サイドポッドインテークはアッパーバイトを採用。
プッシュロッドサスペンションによって抑えられた気流を確実にインテークに向けて流す。
流れてきた気流は強力なダウンウォッシュを形成する。
前のレギュレーションから着想を得ている部分はこのチームにもあります。
ウェイクボードサポーターによって取り付いているインウォッシュボード。
このサポーターの取付が他のチームに比べてかなり斜めに角度が付いた格好に。
サスペンションから跳ね上げられた気流の処理と大きな関係性がありそうです。
インウォッシュボード外側の負圧によって、ハンマーヘッド下部の気流をどこまで引き出せられるかに焦点が当たることになりそう。
マシンサイドはこれまで通り設計自由度が高い分、この領域における開発は今回も重要になりそうです。
このインウォッシュボードは2枚で構成されており、メルセデス同様後端に行くにつれ面積を削っている。
これによりアップウォッシュを生み出し、抉りが深いアンダーカットに向けて気流を流します。

サイドポッドには、去年までトレンドとして見られたスライダー形状を採用していません。
前述通り、アンダーカットは抉りが深いですが、形状は割とシンプルにまとめられています。
バルセロナテストでより進化した形状を持ち込んでくることが予想されますが、この形状を採用したのはストレートではフロントウイングを寝かせるXモードになるから、ダウンフォースを速度によって変化するスライダー形状は不要ということなのだろうか?

そしてアンダーカット後端にある切り欠き、メルセデスと考え方は同じですが形が違う。
メルセデスのアンダーはフェラーリよりも深く、兎に角大量に切り欠きに流し込みディフューザー効果を強力に。
切り欠きも大きく、ディフューザー効果増に大きく貢献するが、ドラッグや姿勢変化によって効果が変わる扱いにくさもあるのではないだろうか?
しかしフェラーリの場合は、ディフューザー効果を確保しつつも、全体のバランスを考えドラッグ低減。
切り欠きのサイズも控えめで流入量はメルセデスよりも少ないものの、ロール等の姿勢変化に対しても安定化を図ることができます。
抉りの深いアンダーカット、そして強烈なダウンウォッシュを発生させるためにきつめの下がり勾配を付けたのにはやはりこの部分に空気を流したいというれっきとした理由があるのです。

シェイクダウンではなくローンチマシンの画像ですが真上から見たマシン構造。
他のチームでも積極的に取り入れられている、コークボトル形状は弱い。
前側の空気を引っ張りダウンフォース向上狙いよりか、安定化を図った。
熱源がマシン側方にあるフェラーリPUですが、ハースの様にルーバーの設置が見受けられない。
一番最初のレンダリング画像では、メルセデスのような逆三角形のインテーク。
冷却はここに頼る形なのだろうか?
昨年の反省活かし安定化、ドライバー主体のマシンへ。

という訳でフェラーリの新車SF-26を分析しました。
結論、今期のフェラーリSF-26はピークダウンフォースよりも、安定したダウンフォース供給をコンセプトにしているマシンだと考えます。
昨年は鋭いコーナリング(ピークダウンフォース高い)がぶきであったものの、安定感が全くなくドライバビリティにおいて非常に苦労するマシンでした。
上記のメルセデスの様にダウンフォースの絶対量はあるけど、ウインドウが狭い。
メルセデスはセッティングを間違えるとこういった状況に陥る可能性があります。
フェラーリはダウンフォースの絶対量こそ劣るものの、幅広いコーナーでダウンフォースを効かせる(発生させる)ことができるマシンだと考えています。
これを言い換えるとマシンセッティングにおけるスイートスポットも広く、セッティングを大外しする可能性も低くなる。
ドライバビリティが高ければ、マシンの限界は引き出しやすい。
ドライバーラインナップが昨年同様ルクレールとハミルトンのようなスキルの高いドライバーであることを考えると、その強みはより活かされるのではないかと思います。
これまで半分以上のマシンのローンチを分析してきましたが、共通して言えることとして、多くのチームが前年まで取り入れていたデザインや思考を取り入れてきているということです。
グランドエフェクトではなくなった今、シャシーの上部中心に物理的なダウンフォースを増やし行かなければならないのですが、そこはフロアとの兼ね合い(バランス)が重要になってきます。
今年のフェラーリはV奪還に向けて絶対に燃えているはずです。
何せ午年ですからね(笑)
この鋼合金製シリンダーヘッドの革新的PUがどう機能するか、テストで良く目を見張る必要がありそうです。
下記より関連チームの分析。


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