ハースの新車VF26、フェラーリPU使用による熱効率を意識した構造か?

マシン分析

レッドブルグループの新車発表を皮切りに今週から続々と新車発表が続きます。

新車発表は3チーム目、ハースVF-26。

F1ファン界隈では、ハースは実践的な車両を新車発表でお披露目してくれる為評判が良いそう。

ではハースの新車を分析してみたいと思います。

フロントの空力、カナードによる大胆な空力処理

先ずはマシンの全体図から。

黒基調とした昨年のカラーとは反転した、今年は白基調のマシンとなりました。

タイトルスポンサーはTOYOTA・GAZOO・RACING(GR)が付き、エンジンカウルとフロントウイングに大きくロゴが付きました。

フロントウイングに目を向けると、フラップを稼働させるアクチュエータはノーズ下方に存在します。

ノーズ先端はフロントウイングよりも前に来ている。

特に興味深いのはカナードであり、前回のレッドブルグループのローンチと比べると、正反対の処理。

レッドブルはカナード上部が短かったのに対し、ハースは逆に伸ばしてきた。

レッドブルは斜め後ろに向かって上がっていく形状に対し、ハースは直線的でありながら、後方がややせりあがる形。

これを見る限り、縦渦を発生させている形ですが、これは上向きの渦が発生させる機構の様に見える。

旧レギュレーションではサイドポッド横を伸ばしたポッドウイングで下向きの渦を発生させていたが、これは逆の処理だ。

ハースは上向きの渦でフロントタイヤに直撃させない、レッドブルとは違ったアプローチを取ろうとしている。

カナード上部(ストレーキ)にはタイヤ温度センサーが取り付けられています。

ハースのサスペンションは引き続き前後共にプッシュロッドを使用しますが、レイアウトを一新。

フロントサスペンションはアンチダイブを搭載しつつ、アップウォッシュを回避する形を採りました。

フェラーリPUと熱効率の関係。

次はマシンサイドに目を向けていきます。

サイドポッドインテークはトレンドであったアッパーバイトを使用せず。

マシンを上から見下ろすと、レッドブルには投入されていたコークボトルは使用していない。

こうしてみた時にサイドポッド上に排熱ルーバーが来ている。

調査したところ、フェラーリPUの熱源が側方に集中しているため、このような配置になったそう。

アッパーバイトを採用していないサイドポッドインテークは楕円形上で、高圧を形成する形。

そしてその楕円は外に向かって伸びていくような形。

この形と高圧により乱流をマシン外側に押し出すことで、マシン全体のドラッグを5~10%低減が期待できる。

フロントウイングによるインウォッシュ義務条件を満たしつつ、排出される冷却気流はフロントウイングのXモード(ロードラッグ)と結び付けることで、更にドラッグ低減を見込めます。

インテークの高さは規定により、Z=275mm以上で、フロアボードから離隔しています。

これによりフロアを流れる気流との差別化を図れる。

そしてルーバーから排出された気流が境界層(粘性流体が物体の周りを流れた時に、粘性の働きにより、物体近くに形成される低速の領域)同士で混ざりあ合い、サイドポッド表面の圧力分布安定化に期待できる。(ここではフロアと車体上部の圧力差増)

これによりフロア下へ整流された気流の供給を促進します。

ただ、気を付けたいのは、ルーバーの位置が低すぎると、かえってフロアの気流を乱す可能性があるので、ルーバー搭載位置には注意が必要です。

ハースの場合はフロアとの距離を50mm以上離す設計により、これを回避しています。

そしてルーバーのスロットによって、気流を分割し境界層を強化。

内部シールによって気流の漏れ出しによる意図しないアウトウォッシュの発生を防ぎます。

過度なアウトウォッシュは、このレギュレーションの重要な要素の一つでもある、接近戦において競争力を発揮できなくなってしまいます。

サイドポッド上にルーバーを搭載しているためか?エンジンカウルはかなり絞り、空力を意識した造りとなっています。

昨年よりもICE単体の熱量は減ることになりますが、今度はバッテリーやモーターといった熱管理がこれまで以上に必要になってきます。

フェラーリPUに合わせた構造でできる限りの空力効果最大化

結論、ハースのルーバー配置は鋼合金製シリンダーヘッドを使用するフェラーリPUの影響も加味しているのではないかと思います。

上記でまとめた通りフロントウイングのアクティブライドハイト(Xモード)によるフロント空力の変更による影響もあると考えます。

ハースのマシンはフェラーリPUに合わせた構造を取っていることが分かりました。

この新規性におけるPUで重要な要素は冷却。

しかし冷却を優先させることで、空力はどうしても犠牲にしなければならないところがある。

空力と冷却はトレードオフの関係にあるのです。

前述の極端に絞ったエンジンカウルは、冷却が追いつかなければ当然広げて空力を犠牲にする可能性もあります。

こればかりはテストで走ってみないことには分からないです。

そしてフェラーリとキャデラックがどういった空力処理を施したマシンを発表するのかにも焦点が集まります。

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