F1第19戦アメリカGP、FP1・SQ。フェルスタッペン逆転でポール、レッドブル復活か?

F1 2024シーズン

アメリカグランプリが開幕しました。

フェラーリは大規模アップデートの投入が報道されていましたが、今回は入れていないようです。

他にウィリアムズを除いた8チームにアップデートが投入されているようです。

直近のニュースとして、2025年以降のファステストラップによるポイントの廃止が決定しました。

先日のシンガポールでのレッドブルとRBの共謀によるファステスト潰しが問題視されたようです。

そしてもう一つは、予選後のパルクフェルメ下で、ビブ(Tトレー)を弄ったことによる車高調整をしたという疑惑があったと報じられました。

レッドブルに疑惑が掛けられているようですが、ひとまずは監視を強化するという方向で完結したようです。

これが各チームにどういった影響を及ぼすことになるでしょうか?

アップデート情報

アップデートの情報がここにきて多く入ってきました。

先ずはメルセデスから見ていきます、大規模なアップデートが入っています。

さぁ、メルセデスもマクラーレンの追従をしてきました。

ついにポッドウイング化です。

ポッドウイングの効果については以前から触れているので記載しませんが、それに伴いサイドポッド形状の変化も見られます。

サイドポッドインテークの面積が減少しアンダーカットの始まりが上の方に持っていくことができました。

フロントウイングから跳ね上げられる気流はより確実にキャッチできるはずです。

サイドポッド側面前方もより絞られ、前面投影面積の減少、ドラッグはさらに減らせるはずです。

アンダーカットの形状も変わり、湾曲していた旧式から、緩やかに下っていくような形になったのが分かります。

サイドポッド側面の後ろ側は旧式よりも若干膨らみ、アンダーカットで気流を確実に流せる形になりました。

メルセデスの変更はリアにも及び、エンジンカウルの絞りが確認できます。

ビームウイングに取られたアプローチはドラッグ低減が中心と見ています。

アッパーフラップを寝かせ、ロワフラップの端はシンガポールよりも削りました。

レッドブルはマシン側面の変更が中心です。

サイドポッド形状に変更が入りアンダーカット後部が下がり、スライダーの後端はより緩やかな形状になりました。

スライダーは傾斜が急であればあるほどドラッグ低減とダウンウォッシュが強力になりますが、このダウンウォッシュの角度が急すぎるため、アンダーカットと合流する気流とぶつかりリアに流れる気流が結局汚くなってしまう。

緩やかにすることで気流の乱れは少し抑えられます。

こちらはフロアサイドの変更です。

フロアサイドの端を少し立ち気味にし、アンダーカットに気流が混ざらないように。

フィンの形状にも変化が見られ、こちらも立ち気味になりました。

アンダーカットに気流が行かないようにするためのアウトウォッシュを強めた形です。

レッドブルはこの2カ所のアップデートに収まりましたが、リアに向けて流れる気流の整流を意識したアップデ―トがどう作用するかです。

昨日紹介したアストンにも多くのアップデートが入っています。

@ShanuLanj

フロントウイングフラップ最上段の外側前後幅を広げてくるという珍しいアプローチです。

今まで見られた他のチームのフロントウイングは中央に近い部分の前後幅を広げ、外側に行くにつれて前後幅は小さくなっていく。

アウトウォッシュだけでは、フロントタイヤの乱流の処理がし切れないのでしょうか?

そこでフロントタイヤの前の気流を思い切り跳ね上げ、タイヤにぶつけないようにする狙いなのか?

しかし、それでは後方の気流が乱れはしないか?

翼端を見てみますと、切り欠き部分の面積が広がっていますので、アウトウォッシュをより強力にする処理は確認できます。

アストンマーティンのサイドポッドはアンダーカットにも変更がありました。

アンダーカット後端の流れを狭くより真っすぐになるような作りです。

アストンマーティンのサイドポッド周辺の流れは、直線的ではなかったので、これによってリアに向かって流れる気流が乱れ、アストンマーティンの弱点であるリアの不安定さに繋がっていたのかも知れません。

フロアサイドにはアルピーヌなどにも取り入れられている切り欠きを付けて来ました。

アメリカGPは高速コーナーだけでなく、低速コーナーのトラクションの掛かりも大事になります。

レッドブルとアストンマーティンはその改善を狙ったアップデートと考えます。

FP1、やはりオーバーラン多発、スピンも目立つ

アップデートを評価するための走行練習が今回はこの一回のみしかありません。

ビッグブレーキングを要するコーナーではやはりオーバーランが目立っていました。

マクラーレンはいつもは良いはずのコーナリングが良くありません。

ブレーキングスタビリティもイマイチです。

僅かな時間でしたが、フロービズを塗りたくりアップデートパーツの見極めに掛かります。

意外にも1コーナーをクリア寸前でスピンするという事例が多く見られました。

1コーナーはクリッピングポイントが全く見えないため、プロでも勘でブレーキングステアリングを切っているという難しいコーナーです。

しかし上り坂で上がり勾配になっている分、ブレーキを詰めることができます。

見たところスピンしたドライバーの共通点として、ブレーキングを奥にし過ぎ、エイペックスに付けない。

膨らんだ先の路面はレコードラインから外れ汚いので、アクセルを開けた瞬間にグリップを失って制御できず回ってしまった。

という感じの印象を受けました。

特にメルセデスはリアが不安定です。

ハミルトン、ラッセル共にオーバーランとスピンが目立っていました。

セクター1の高速コーナーで顕著に表れていたため、リアの空力処理に原因がありそうです。

疑惑が掛けられていたレッドブルは今回高速コーナーのパフォーマンスが良さそうです。

一発、ロング共にトップタイムではないものの今のところ安定したパフォーマンスです。

今回トップタイムはアップデートが入っていないフェラーリのサインツ。

こちらも一発、ロングランに関しては文句のつけようが無いレベルです。

ポーパシング解決に向けた最適解を見つけたのでしょうか?

意外にも苦戦気味だったマクラーレン。

得意だったはずのコーナリングでのオーバーランが目立っていました。

トラックリミット多発のSQ

今季4度目のスプリント予選です。

SQ1・12分、SQ2・10分、SQ3・8分とどこでマシンを出すかというトラフィックマネージメントが大事になります。

最初で最後のフリー走行でははみだしが各所で見られましたが、この予選でも多発しそうな予感がします。

天気は晴れ、外気温28℃、路面温度は36℃でスタートです。

フリー走行から見て感じたのはパーマネントサーキットでありながらトラックエボリューションによるタイム改善が見られます。

今回も後出しが有利になりそうです。

フリー走行で不調だったメルセデスは何事もなかったかのようにトップ争いに加わります。

しかし、リアの不安定さはフリー走行から変わっていません。

こちらもフリー走行ではいまいちだったマクラーレン。

ノリスはラストアタックで何とか4位に食い込みました。

見立て通りセクター3の低速区間は速い模様。

しかし、ピアストリは予選が始まってもピリッとしません。

ラストアタックは最後の最後でトラックリミット超過。

まさかの16位でSQ1敗退を喫してしまいました。

アルボンもピアストリと同じコーナーで、こちらはスピンを喫してしまいタイム計測できず、こちらもSQ1敗退となりました。

ウィリアムズはフラップを立てているものの、高速コーナーでは曲がってくれません。

ザウバーの周はエンジン不調を訴えていますが、今回も最下位を争うことになりそうです。

SQ1はザウバー2台、アルボン、オコン、ピアストリの5名が通過できず。

RBはフロアのマイナーアップデートのみですが、ローソンが思ったよりいい走りを見せます。

ハースのヒュルケンベルグはフロアをヒットしてしまったか、テープで応急処置です。

SQ2

トップチームは続々とコースイン。

一方のRB2台とアストンの2台、ガスリーはまだ出ません。

ワンアタックに賭ける模様です。

サインツが1分33秒274でトップタイムを記録。

フェルスタッペンはそこに僅か0.016秒足りずに2位通過。

リアの気流を修正するアップデートが効いているように見えます。

マクラーレンノリスは6番手とここでもパッとしたタイムが出ません。

ハースの2台、コラピントもSQ2通過、角田もタイムは34秒台と危なかったものの、アロンソのミスに助けられ10位で通過。

ペレスはSQ2敗退です、大丈夫でしょうか?

SQ3

時間は8分しかありません、ワンアタック勝負です。

ここでもメルセデスが先陣を切ってアタックです。

ラッセルはタイムを32秒8と33秒台を切ってきました。

ハミルトンはコラピントのスピンに足を引っ張られてしまい33秒3と暫定2位のタイムですが、ラッセルに大きく離される。

フェラーリの2台のアタック、サインツは33秒089、ルクレールはサインツよりも0.03秒速かった。

ノリスはサインツのタイムを更新するもラッセルには及ばず。

フェルスタッペンのタイムは・・・32秒833!

ラッセルよりも0.012秒速いタイムで逆転のポールを決めました。

ヒュルケンベルグはハミルトンのタイムに割って入り6番手獲得です。

マグヌッセンも8番手とハースの2台は良い形でセッションを終えました。

レッドブル復活か!?

今回のSQのポールはフェルスタッペンが獲りました。

久々のポールですが、これまで3戦行われてきたスプリントレースでは全てフェルスタッペンが勝利しています。

マクラーレンはストレートに振りすぎたセッティングによって、本来の武器であるコーナリングが失われてしまっています。

メルセデスはラッセルがフェルスタッペンに肉薄もリアの不安定さが気になるところ。

ルクレールを始めとするフェラーリはアップデート無しで健闘しています。

しかし、高速コーナーでは相変わらずポーパシングを起こしており、予選でもそれによってタイムを失ってしまっています。

レースペースはかなり良いです、マクラーレンが後ろにいるうちにポイントを確実に稼ぎたいところです。

F1第19戦アメリカGP。持ち込まれたパーツ、セッティングの確認と予選決勝の展望 – アルボンノート

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