F1第13戦ハンガリーGP。FP1・2。評価の難しい初日、フェラーリ復調か?

F1 2024シーズン

ハンガリーGPが開幕しました。

F1第13戦ハンガリーGP。持ち込まれたパーツ、セッティングの確認と予選決勝の展望 – アルボンノート (albonnote.com)

前半戦も残すところあと2戦、今回は中団勢を中心に大きなアップデートが目立っています。

欠点が出にくいので、前回苦戦していたチームにも分があります。

サマーブレイクを前にドライバーズマーケットでは色々な噂が飛び交っていますが、注目されているドライバーたちはどのようなセッションだったのか?

レッドブル今季最大のアップデート

https://twitter.com/AlbertFabreg

レッドブルはフェルスタッペンとペレスで異なる仕様のマシンを持ち込んできました。

フェルスタッペン車には、キャノンデッキを廃止した、マクラーレンに倣った造りをしたエンジンカウルを持ち込んできました。

現レギュレーション開始当初のエンジンカウル形状に戻した形です。

開幕当初からついていたキャノンデッキを廃止するという思い切ったアップデート。

最早RB20ではなくRB21と言えるレベルの変更です。

依然キャノンデッキが付いたままの旧仕様で戦わなければいけないペレス。

厳しい戦いになるかも知れません。

とは言え、新仕様が必ずしも速いとは限りませんが、私はこのアップデートは効果的なのではと考えます。

何故ならメルセデスとマクラーレンがリアのエンジンカウルを絞ったことで、マシン全体の空力バランスが良くなったように思えます。

現行マシンで大事な要素の一つとして挙げたい、圧力勾配を考えたマシン作り。

フロントの圧力は強く、空気に対して敏感なリアの圧力は弱くが重要なのではないかと考えます。

マクラーレンにもハンガリー対策十分と言える部分があります。

それはリアブレーキドラムに穴を開けてきたことです。

ハンガロリンク自体のブレーキ使用量は平均的なのですが、前述通り兎に角暑い。

暑い時の空気の密度は低く、十分な冷却を行えない可能性がある。

冷却ができていない状態でのブレーキングは、オーバーヒートを起こしブレーキに異常をきたす原因にもなる。

フェラーリ復活の狼煙

という訳でFP1開始です。

前述通りフェルスタッペンとペレスは仕様が違うため、ペレス車にエアロレーキを付け、新旧エンジンカウルの比較を行っていました。

フェラーリのサインツもエアロレーキを付けてのコースインです。

このセッションはフェラーリのサインツがトップタイム。

やはり、弱点が出にくいというのがトップタイムを記録している要因なのか?

元々フェラーリのマシンは低速域でパフォーマンスを発揮しているマシンなので、そういった事もトップタイムを記録した要因かも知れません。

路面温度が60℃とかなり高温で、タイヤの熱入れが苦手・・・つまり冷え性のフェラーリのマシンにとってはうってつけの好条件だと思います。

しかし、ルクレールがセクター2~3にかけてやたらとステアリング修正が多かったのが気がかりなところです。

フェルスタッペンはサインツに約0.3秒近く離されていましたがそれでも2番手タイム。

新仕様は上手く機能しているように思えます。

しかし、低速区間では相変わらずの優位性がありますが、中速区間が多いセクター2に来ると途端に遅くなる。

RB20の弱点の一つである中速域が遅いという欠点は相変わらず露呈したままです。

去就が心配されるペレスは旧型仕様だからなのか11番手タイム。

トラックエボリューションによるタイム短縮が期待できるコースなので、もう少し様子を見る必要がありそうです。

サイドポッドにアップデートを入れたザウバーですが、周のマシンの冷却ルーバーが破損。

しかし5番手タイムをマークし、アップデートが機能しているようにも思えます。

縁石に乗り上げたことで右側のエッジウイングをコース上に落としてしまったウィリアムズのアルボン。

これにより一時バーチャルセーフティーカーが導入されるも直ぐに解除されます。

ハースはFP1でヒュルケンベルグに変わってベアマンがイギリスに引き続きシートに座る。

F2との掛け持ちは大変ですが、マグヌッセンとほぼ同等のタイムを出せているのは好材料と見て良いでしょう。

しかし、タイムは19位と20位。

低速サーキットでは欠点が打ち消されるのと同時に、メリットも打ち消されてしまうのでしょう。

FP2からヒュルケンベルグが乗ることになっているので、そのタイムも参考にして考えたい。

FP2、ルクレール負の連鎖

FP2では序盤でルクレールがターン4で縁石に乗り上げスピン、ウォールに激しくクラッシュ。

FP1では3番手タイムを記録もステアリング修正が多く乗りづらさを感じましたが、肝心な所でクラッシュを喫してしまった。

今回フロアはスペインで入れたアップデート版を使用しているみたいですが、やはり高速コーナーでは挙動が不安定になってしまうのか?

しかしチームメイトのサインツはこのセッションで3番手タイムをマーク。

2人でセッティングが違うのかそれとも・・・

ルクレールにとっては不安になる出だしです。

直近のレースを見ているとペレスの不調が大きく取り沙汰されていますが、フェラーリファンとしてはペレス以上にルクレールのパフォーマンスの方が心配になるこの頃です。

このクラッシュにより、マシン撤去とタイヤバリアの修復に約20分の時間を要してしまいました。

残り25分でセッション再開になりましたが、赤旗中断中にRBのスタッフが角田のマシンを取り囲んでいる。

どうやらトラブルがあった模様で赤旗解除後も中々コースインができなかった。

結局タイムは19番手で終わり、FP3のワンセッションで仕上げていかなければならない状況になりました。

FP1で振るわなかったペレスは、最初のアタックをミディアムで行い暫定トップタイムをマーク。

後に出走した新仕様のマシンで走るフェルスタッペンよりも速かったです。

結局新仕様の方が良いのか旧型のままの方が速いのか分からず仕舞いでしたが。

ペレスはその後ソフトでもアタックを掛け4番手タイムをマーク、復調を感じさせるセッションでした。

FP1で5番手タイムだった周は、ルクレールと同じ区間でスピンを犯す。

すぐ前を走るペレスとクロスする形になりましたが接触が無かったことは不幸中の幸いか?

このコースはトラクションが重要なので、リアが不安定なチームにとっては苦戦を強いられることになると予想。

リアセクションの不安定さが欠点であるザウバー、サイドポッドの張り出しをアッパーバイトに変更したことで、マシン側面のダウンフォース量は向上したはずです。

あとは欠点であるリアセクションの解消をどうするかがこのチームの焦点でしょう。

このセッションのトップタイムはマクラーレンのノリス。

高速域だけでなく、低速域のパフォーマンスにも目を付けたことで、全体的なマシンバランスが整えられていると思います。

数少ない弱点である、ストレートスピードの伸びは、このコースではさほど影響しないので、コーナーリングでタイムを稼いでライバルチームを圧倒したいところ。

前回前々回と好調だったメルセデスはあまり目立った動きはなく大人しい初日となりました。

トップ10にハースのマグヌッセン、RBのリカルド、ウィリアムズのアルボンと中団勢が割り込んできています。

それはマシンのパフォーマンス向上によるものなのか、それともトラックエボリューションによるものなのか・・・評価が難しいセッションではあったと思います。

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