昨日のセッションではホームグランプリのルクレールが好発進。
ハミルトンやアロンソというモナコ優勝経験のあるベテランも躍動しています。
特筆すべき点として、3チームともアップデートが機能しているように見えます。
しかし、メルセデスは予選ペースは良いものの、決勝レースではタイヤが持たないので、若干決勝寄りにセッティングを振るとのこと。
モナコは予選結果がとにかく重要なサーキット。
タイヤ負荷が少ないから決勝に振る必要はないのではとも思いますが・・・
決勝寄りに振らなければいけないということは余程デグラが酷いのか。
今回のポールポジション争いも非常に熾烈なものとなりました。
正直誰がポールを獲っても驚かないくらいです。
この日のセッションはどうだったのか早速振り返ってみることにしましょう。
難所攻略に向け最後のプラクティス
最初の10分間は前日に比べるとコースインする車が少なく、比較的大人しい展開でのスタート。
それともトラフィックを避けるための練習なのか。
残り48分ボッタスがプールサイド・シケインをクリアした直後にマシンバランスを崩しウォールに軽く接触。
右フロントサスペンションを壊してしまいボッタスは早くもFP3のセッションを終えることに。
中団のザウバーとしてはこのFP3で予選に向けて最後の追い込みを図りたかったところ。
ボッタスにとって厳しい予選になることでしょう。
マシン撤去の為赤旗になりましたが直ぐにセッション再開。
ここでもルクレールはトップタイムをマークします。
角田が低速区間で最速を記録。
これはブレーキをレッドブルと同様のものにしたことと、角田の武器であるブレーキングがマッチしたこと。
RBのマシンは低速区間が得意という点が作用しているように見えます。
しかし、それ以外の区間ではほかのトップチームにはまだ及ばない。
トップチームに追いつくためにはまだまだ改善が必要なようです。
フェルスタッペンは昨日よりも持ち直してきたように見えますがそれでも圧倒的なタイムを出したルクレールにはまだ及ばず。
セクター1で0.1秒以上速いのですが、セクター2でルクレールから約0.2秒もの後れを取ってしまっている。
ラストアタックでタイム更新を狙うもプールサイド・シケイン通過後のトラフィックに引っかかってしまいタイムを更新できず。
予選もこのトラフィックに引っかからないようにマネージメントが必要になります。
どのタイミングで出すか、エンジニアの手腕が問われることになります。
トラフィックによりQ1から波乱
ドライバーの腕もさることながら、トラフィックマネジメントによるチームの戦略も非常に重要になってくるモナコの予選。
1年で最も緊張するモナコの予選の始まりです。
私はフリー走行での走りを分析してポールラップは1分10秒台に突入すると予測しました。
やはり市街地コースとだけあってトラックエボリューションによるタイム向上が凄いです。
一度アタックをしてタイムを更新しても別のドライバーが直ぐに更新する。
しかも今回は中団勢もトップ10に食い込むような快走を見せる。
マシンパフォーマンスが高いチームと言えど一切の油断を許さないような状況です。
これがモナコの予選の醍醐味です。
フリー走行から絶好調だったルクレールのタイムが中々伸びてこない。
後から走った方が当然有利なのですが、モナコの場合はいつどこで事故が起きるか分かりませんので、時には早めにコースインをし確実にタイムを記録しておくということも重要です。
そんな中ノリスが最後の最後でベストラップを記録するというひやひやした展開。
先にチェッカーを受けたドライバーたちも次々に更新されていくタイムを見守らなければならない。
こちらもひやひやするでしょう。
先にタイムを出しピットで見守るアロンソ、しかし自分の出したタイムを他のドライバーが次々に更新していく。さぁどうなる!?
ラストアタックでアロンソより下の順位にいた、ノリス、ガスリー、リカルドが15位以上のタイムを記録。
これによりアロンソまさかのQ1敗退・・・初日の好調ぶりを見てこの展開を誰が予測できたでしょうか?
これがモナコの怖さです。
アロンソもストロールに対して4戦連続で予選で負けている。
トラフィックがあったとはいえ、ストロールはきっちりQ2に進出している。
アストンというマシンをどう評価していいのか・・・
Q1敗退のデッドラインにいるペレスが最後のアタック。
しかし、15位オコンに対してまさかの0.18秒及ばずこちらもまさかのQ1敗退。
しかもサージェントの後ろ。
契約更新の交渉真っ最中の中でこのタイムはマイナス要素になるかもしれません。
次はパーマネントサーキットでの開催なので是非そちらで挽回を図って貰いたいところです。
角田も何とかQ1突破。
特にアルピーヌはここでもQ1を2台ともクリア。
ストレートの伸びの悪さを気にしなくてもいいとは言え成長著しいマシンです。
FP3をまともに走れなかったボッタスはやはり厳しかったか。
FP1でフロントウイングを壊した周も苦戦。
ザウバーのマシンはここでは終始安定感が無いように見えました。
Q3進出をかけて争う中団勢
波乱の幕開けとなった今年のモナコの予選。
少しインターバルを置きQ2セッションがスタートします。
ここでカジノ・スクエアを抜けようとしたオコンがマグヌッセンに引っかかってしまいます。
無線でブロックをされたと訴えるオコン、マグヌッセンも決してわざとやったわけではないと思いますが、このところ荒れたレースを見せるマグヌッセン。
他のドライバーも懐疑的になっているのだと思います。
フェラーリを始め、レッドブル、マクラーレン、メルセデスが順当にタイムを記録しQ3進出を確実なものにしていく。
そうなるとQ3進出のデッドラインはアストン、RB、ハース、ウィリアムズ、アルピーヌの5チームが争うことに。
先ず最初にデッドラインを突破してきたのは、まさかのアルボン、今季初のQ3進出です。
ストレートに特化しているウィリアムズのマシンでよくやっています。
角田も取り敢えず9番手タイムをマークするも0.5秒落ちと怪しい展開に。
リカルドがラストアタックを決めるも0.2秒届かず13番手。
モナコウィナー経験者がまた一人ここで脱落です。
アルピーヌガスリーも今季初のQ3進出に向け渾身のアタック。
暫定10位タイムを記録していたチームメイトオコンのタイムを0.4秒近く上回るスーパーラップ!
なんとメルセデスとフェラーリの一台に割って入る5番手。
シーズン前に最弱と言われたマシンがこの順位に食い込むことを誰が予想できたでしょうか?
ガスリーは今季初のQ3進出。
無線で5番手を告げられ喜びを爆発させます。
開幕時のパフォーマンスを考えれば無理もないでしょう。
ルクレールはここでもトップタイムをマークしていない。
Q3に進出さえできればいいのですがQ3は大丈夫なのか?
マクラーレンはここで低速区間最速を記録。
やはりコーナリングマシンだけあってコーナーは速いです。
白熱のポール争い、ついに決着!
白熱のポール争いもいよいよ最終局面。
Q2では1位から10位までの差は僅か0.5秒とかなり僅差の争い。
ここまでくれば誰がポールポジションをとっても不思議ではない。
それだけに一つのミスが命取りになってきます。
最初のアタック、先の方で出ていったハミルトンが先ず1分10秒台をマーク。
やはり私の予想通り1分10秒台の戦いに突入してきました。
ルクレールが最初のアタックでハミルトンを0.5秒突き放しトップタイムをマーク。
漸く本領発揮というところでしょうか。
しかしタイムは1分10秒前半に入ってきた。
正直私自身もここまで速いタイムになると思っていませんでした。
その後ピアストリがルクレールに対し僅か200分の1差で2番手をマーク。
マシンも勿論良いのですが、彼は本当に2年目なのか・・・
サインツが3番手タイムをマークしノリスを上回る。
フェルスタッペンがまだタイムを出していないとはいえ、今回はフェラーリ対マクラーレンによるポール争いになるか。
やはりフェルスタッペンも黙ってはいませんでした。
サインツの間に割って入るも上位2人のタイムには届かず3番手タイム。
セナのもつ連続ポール記録の更新が掛かっているフェルスタッペン、万事休すか!?
不完全燃焼のまま終われないフェルスタッペンはラストアタックを敢行。
しかし1コーナーサン・テボーテでウォールにヒット。
フェルスタッペンの連続ポール記録更新の挑戦は残念ながらここまで。
このあと他のドライバーにタイムを更新されまさかの6番手でセッションを終えます。
フェルスタッペンのミスを他所に暫定トップのルクレールがタイム更新に向けラストアタック。
渾身のラストアタックは自身のタイムを更に上回る1分10秒270。
モナコのコースレコードは2019年にハミルトンが記録した1分10秒166。
まさか現行マシンでこれほどのタイムに迫れるとは正直思っていませんでした。
ルクレールの後からラストアタックを仕掛けていたピアストリ。
自身のタイムは更新するもルクレールのタイムには惜しくも届かず。
その後サインツがタイムを更新し再び3番手に。
ノリスもタイムを更新し4番手。
白熱のモナコ予選はこれにて決着!
ポールポジションはルクレールです!
ルクレール、地元で圧巻のポールポジション!
という訳で今回のモナコGPのポールポジションは、に決まりました。
ルクレールは今季初ポール、そしてフェラーリにとって250回目のポールポジションをここモナコで決めることができました。
フェルスタッペンは残念ながら6位。
これで今シーズン初めてポールを逃したことになり、アイルトン・セナの記録を超す9戦連続ポールとはなりませんでした。
モナコはどのグランプリのサーキットよりもトラックポジションが重要なコース。
ここ20回の開催でポールシッターが13回も優勝しているというデータもあることから、予選が重要であることは最早いう必要がありませんが、決してポールシッターが必ずしも勝つわけではありません。
2022年のルクレールのようにタイヤ戦略をミスすれば逆転される可能性はあります。
モナコでは基本1ストップで走り切れてしまうので、余程デグラが酷くならない限りはミディアム→ハードのタイヤ戦略が予想されます。
今回のポールポジションは、ルクレールでしたが果たしてポールトゥウィンは達成できるのでしょうか?
正直私自身ルクレールのファンですのでここでのポールポジションは素直に嬉しいです。
そろそろ報われて欲しい所。
どうなるか見てみましょう。
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