メルセデスW16&アルピーヌA525。ザウバーとレッドブルは最後まで姿現さず

マシン分析

いよいよ明日からプレシーズンテストがスタートします。

今年は全チーム合同での新車発表となったため、単独でのマシン発表は禁止、マシンの手がかりを知る手段はシェイクダウンのみです。

2025年マシンの分析は7・8チーム目、メルセデスtとアルピーヌです。

プレシーズンテストが明日に迫っているため、同時に2チームの紹介とします。

ここまでは各チームともトレンドを取り入れているため、全体的に形が似たデザインですが、メルセデスはどうなのでしょうか?

昨年は両者ともにフロントの構造で躓く

見出しの通り、今回紹介する2チームは、昨年フロントウイングの構造で躓いてしまったという共通点があります。

メルセデスと言えば昨年型のW15でフラップ最上段を削ったワイヤーフラップと呼ばれるフロントウイングを持ち込んできました。

最上段フラップを極限まで削ることで、気流の跳ね上がりすぎ防止と、ドラッグの削減を狙ったのではないかと考えられましたが、その奇抜なデザインはまたも失敗しここ2・3年開幕ダッシュで躓いています。

上手くいかなかったメルセデスは結局シーズン後半にフラップを従来のオーソドックスな形に変更することになりました。

ゼロポッドと言い開発を無駄にしたことが結局後に響きました。

昨年のアルピーヌは横幅が広い極太ノーズを持ち込んできました。

しかも厚みはかなり薄く、ノーズ下に流す気流の流量を確保しようという狙い。

ですが、クラッシュテストで不合格となり、強度を増すために車両重量が増えてしまう要因も作ってしまいました

その為昨シーズンの前半はテールエンダーが定位置となってしまったアルピーヌ。

写真の昨年開幕仕様をよく見ると、ノーズ先端とメインフラップは接続されてしまっている。

@albertfabrega

しかしマシンの軽量化が進むとともにマシンパフォーマンスが急激に改善。

予選ではトップ10常連、決勝も上位入賞フィニッシュと盛り返しました。

その要因の一つとしてノーズとメインフラップを分離し独立させたことも考えられます。

アルピーヌはフロントウイングのフラップの処理にも苦戦していました。

両者とも後半に巻き返しているだけに非常に勿体なかったシーズンでした。

2025年マシン、メルセデスのW16のフロントは・・・

トレンドに沿っていない・・・?

昨年まで独立していたノーズとメインフラップが接続されている。

フロントウイングのフラップも直線的、トレンドはフラップ内側の前後幅は広く、翼単にかけて削るといったデザインが主流だが、メルセデスは採用していない。

ただフラップ翼端の捲れは採用している。

メルセデスは何を意図しているのだろう?

フロントサスアッパーアーム前の位置は限界まで高く、接続部にはバルジが確認できる。

フロアトンネルは4枚のフィンで構成されており、トンネル内を通るフィンの間隔は狭く、こちらはトップチームの製法に則った造りです。

アルピーヌの新型A525のフロントは昨年採用の太いノーズを継続しつつも、トレンドを抑えているデザイン。

昨年迷走気味だったフロントウイングフラップのデザインはトレンドに沿って作られている。

ノーズ先端に若干角度が付いているように見えます。

気流の剥離が心配されますが、メインフラップとは分離されており、翼端に目をやるとアウトウォッシュを発生させる捲りが付いているので、この部分に関しては良いと思います。

ただフロアに目をやると、3枚フィン構成で、トンネル内を通る内側のフィンの間隔が広いのは気になります。

トンネル内を通る気流を確保したいのか?

マシンサイドには大きな変化。

次にマシンサイドを見ていきます。

メルセデスW16は今年も攻めたデザインです。

出ました、ゼロインテークです。

しかもレッドブルRB20よりも開口部が狭い、しかし縦長のインテークは他のチームよりも広くなっています。

昨年型よりも強力に抉られた部分に向かって、マシン前方から来た気流を流したいのでしょう。

昨年型と比較すると、インテーク部分はほぼ皆無です。

メルセデスは昨年冷却系が弱く、トラブルが多く発生していましたが、果たして大丈夫なのでしょうか?

更にW16はアンダーカット後端がもう一度跳ね上がる構造で、波打つ形になっている。

アンダーカットは緩やかに下降させて、上昇はさせないのが主流ですが、メルセデスはそのトレンドを打ち破っています。

上昇部分の圧力が変わりそうなのが気がかりですが・・・

メルセデスのフロアエッジの切り欠きは5枚、昨年の後半戦仕様と同じと考えられます。

アルピーヌのサイドポッドインテークの形状ですが。

他のチームはアッパーバイトもしくはポッドウイングを採用しているのに対して、アルピーヌは至ってシンプルな形状。

インテークの横幅を広げた、昨年の発展型と考えていいのでしょうか?

インテークの流行には乗らなかったのか?形状の関係で乗れなかったのか・・・?

未だにこの造りをしているというのは正直疑問です。

サイドポッド横に目を向けると、全体的に細く緩やかに下げていくレッドブル型とは違い、縦に厚みがある。

厚みがある分アンダーカット前半の傾斜は若干急勾配になる。

こちらもトレンドとは違った造りなのですが、アルピーヌの狙いは果たして・・・

昨年は信頼性に兎に角泣かされたアルピーヌ。

エンジンカウル部分には排熱ルーバーなるものが設けられていません。

代わりにダクトが設けられています。

その為昨年と見比べてエンジンカウルの形状にも若干変化が見られます。

膨らんでいたエンジンカウルがスリムになりました。

トレンドを作ったリアウイングに進展はあるか?

メルセデスはイギリスで入れたリアウイングのアップデートがトレンドに。

このリアウイングに進展はあったのでしょうか?

トレンドを作った昨年仕様とは大きな違いが見られません。

このウイングは今シーズンも有効であるということです。

アルピーヌも例外に漏れなく、切り欠きを大きくしたリアウイングを採用しています。

リアウイングはどのチームもトレンドに沿ったデザインを取り入れているので、違いを生み出すには、ステー(接続部)やフラップの前後幅による違いがパフォーマンスを分けていくことになるでしょう。

いよいよ明日がばーでのプレシーズンテストなのですが、結局レッドブルとザウバーは今年仕様のマシンのお披露目はカラーリングのみということになってしまいました。

余程何か隠したいことがあるのか?それとも間に合っていないのか?

その真相は明日からのテストで明らかになることでしょう。

他チームの分析はこちらから。

アストンマーティン新車AMR25。先代AMR24との違いを比較。 – アルボンノート

レーシングブルズ2025年型マシンVCARB02登場、RB20を真似し戦力向上を狙う。 – アルボンノート

コメント

タイトルとURLをコピーしました