新車発表前半戦も残り僅か。
ウィリアムズは規定重量をクリアできず開発遅れの噂。
更にアストンとマクラーレンはバルセロナテストを削ってギリギリまで開発を続ける意向。
そんな中強力なPUで今季最強と目されるメルセデスの登場です。
ローンチとシェイクダウン両方を考察します。
既視感を感じる
ではローンチのマシンを見ていきましょう。

メルセデスのマシンW17を正面から見た画像です。
自分が見た第一印象は何処か既視感を感じるデザインです。
カナードは上部が翼端付近の面積が削られた形状。
翼端板が内側に向いており、インウォッシュ効果を強める意図が見て取れる。

先ずはサイドポッドのデザイン、メルセデスの2024年マシン、W15のデザインに酷似している。
アンダーカットの面積を広く取る狙いがある。
これによってダウンウォッシュを作ることができる。
アウトウオッシュ主体の昨年型に比べて、インウォッシュコンセプトのマシンは内側に取り込める気流が多くなるため、それをフロントプッシュロッドサスペンションで跳ね上げを抑えてかつ整流。
そしてその気流はサイドポッドに向かって運ばれるという計算のように見える。

斜めから見るとアンダーカットで作られたダウンウォッシュはそのままリアコーナーに・・・の筈ですが、この画像を見る限り一旦せりあがっている。
後端に向かっていくにつれ、サイドポッドは絞られ上にせりあがるような作りをしている。
そしてインウォッシュボードは切れ込みがもれなく入る、高さは他のマシンに比べると低いか?

そして上から見た時の形状。

デザインは違えどどこかフェラーリF1-75に似ている。
このマシンのコンセプトはサイドポッド上面と、アンダーカットで正圧を作る。
そうすることで、フロアとの圧力差を生むことができ、グランドエフェクトをより強力にするものだった。
そして最も強力なパワーユニットと目されていたのも共通している。
メルセデスのマシン画像も、サイドポッド前側がかなり平坦な形状で、F1-75に比べると浅いが、スライダー形状を持っている。

真上から見ると、コークボトル形状をしており、前方の空気を後方にかけて引っ張る働きが期待できる。
コークボトル採用もF1-75と一緒、しかしメルセデスは本当にこのデザインで来るのだろうか?
しかしシェイクダウンはもっと攻めた構造でした。
シェイクダウン、攻めたシャシーデザイン!
では次にシェイクダウン時のマシンを見ていきます。

フロントウイングのローンチデザインは、スプーン形状(中央低く、端は高い)とアクチュエータの位置が強調されたデザイン。
しかしシェイクダウンでは、渦を生成するストレーキが簡略化。
カナードの上部は無くなっており、更に株のカナードには垂直フィンが付いている。
インダクションポッドはイモラでシェイクダウンをしたRBのマシンよりも一回り小さい。
コレはPUの冷却性能の差なのか?それともセンタークーリングの効率による問題なのか?
しかし空力で考えれば、冷却を削れば当然空力性能は良くなります。
PUの信頼性が保証されるのであれば当然小さいほうのが良いんです。

そしてローンチのマシンとの一番大きな違いは、フロアエンドの大きな切り欠き。
これは後々解説します。
そして、インウォッシュボードは後端に向かってせりあがる形状かつ面積を削っている。
これによってアップウォッシュを生み出す。
生み出されたアップウォッシュはアンダーカットを通って、リアエンドに向かって流れて行く。
サイドポッド後端はローンチ時のリアウイングに向かってせりあがる形状とは違い、あの切り欠きに向かって流れている。
では先ほどの切り欠きの解説に入ります。
この切り欠きは、結論から言うと容積が減少したディフューザーに向けて流すもの。
ディフューザの吸い出しとも言っていいでしょう。

旧レギュレーション中もこのような手法をと入れていたチームがあったでしょう。
つまりメルセデスのあの大きな切り欠きはこれと同義何です。
大きさの違いは前述通り、ディフューザーの容積の違いからです。
高速域において、リアディフューザー両端の密閉率が高くなることで、より高いリアダウンフォースを生み出します。
しかし車高が低すぎると、ハイダウンフォース時に前レギュレーションで問題になったポーパシングを引き起こす可能性がある。
その点も踏まえると、メルセデスのレーキコンセプトはハイレーキを使用してくるのではないかと考えられます。

そして先ほどの特徴的なサイドポッドは、抉れの大きいアンダーカットで空気量を確保し、その大量の空気をディフューザーに向けて流し、ディフューザー効果を促進するための意図がある。
そしてインウォッシュボードから生まれるアップウォッシュは、アンダーカットに向けて気流を送れるよう計算して作られています。
こうして、メルセデスの特徴的なマシンコンセプトのピースが全て埋まることになるのです。
強力PUと併せて2020年以来の王座奪還へ!

メルセデスの圧縮比トリックは今日、合法という判断が下されました。
このPUが機能すれば高出力且つ低燃費を実現できるため、他のPUサプライヤーとの差を大きく開くことができる。
しかしいい点ばかりではない
2026年PU、話題のメルセデスとレッドブルの圧縮比トリックを紐解く。 – アルボンノート
上記のリンク記事を改めて読んで頂けると分かるのですが、信頼性の懸念があること。
アルミニウム合金は熱に対する耐性が低く、変形・軟化による形状変更、最悪圧縮漏れを引き起こす可能性だってあります。
最強PUは運用次第で昇華することもでき、台無しにすることだってできる。
つまり全てはメルセデス次第なのです。



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