マクラーレンの奇襲シェイクダウン。全チーム最初の登場、MCL39の全貌とは?

マシン分析

いよいよ2月14日からウィリアムズFW47が先陣を切っての登場・・・

かと思いきやマクラーレンが新型MCL39を予告なしでシェイクダウンさせてきました。

まさかの先陣を切ってきたマクラーレン。

そのマシンには昨年型とは違った特徴があります。

どの部分に変更点があったのか見ていきましょう。

フロント部分

先ずフロント部分に目を向けてみましょう。

よく見てみるとフロントサスペンションのアッパーアームの後部が昨年型よりも下がっています。

これにより、アンチダイブをより強めた形となっています。

更に、隙間が大きくなったことで、フロントウイングから跳ね上げられた気流を、できるだけサスペンションを介さず、サイドポッドに向けてスムーズに流そうとしている狙いがあるようにも思えます。

その為にはフロントウイングのデザインに何かしらの変更があるはずなのですが、今のところ、フロントウイングに変更点は見受けられません。

マシンサイド、中心部

次にマシンサイドの変更点です。

中でも目立ったのは、サイドポッド形状に変更点があります。

昨年までの形とは打って変わり、インテークが下に伸びています。

これはメルセデスW15に倣った造りとなっています。

マクラーレンの方が、開口部の面積は広いです。

前述のフロントサスペンションによって引き下げられた気流をアンダーカットに狙って流すという考えなのでしょうか?

昨年信頼性に問題を抱えていたメルセデスPU、冷却強化の狙いも考えられます。

更に後ろに目を向けるとサイドポッドの形状は昨年よりも膨らみを持たせた形状です。

空力的に見た時、アンダーカットの面積は狭くなっています。

狭すぎると、アンダーカットに流れる気流は少なくなり、マシンサイドのダウンフォースレベルは全体的に低くなってしまいます。

空力効率を良くするにはフロアエッジによるアウトウォッシュが重要ですが、こちらも今のところは変更点が見られません。

プレシーズンテストでお披露目ということでしょうか?

次に目立った点として、インダクションポッドの大型化。

昨年よりも一回り大きくなり、横に広くなった楕円形の形となっています。

やはり、信頼性を考えて冷却の強化と考えられますが、空気を取り込む量を増やしたからと言って、エンジンパワーが増えるわけではありません。

細かい部分で見ていくと、ミラーステーが昨年よりも外側に突き出した形になりました。

ハロ横の部分には直立したフィンが設置されており、いずれもアウトウォッシュの促進を目的とした構成となっています。

ハロ横のフィンはフェラーリを始めとした多くのチームが開発に取り組んでおり、ハロから流れてくる気流は乱れがちになってくる。

後方はリアイングへと繋がっていく部分ですので、アウトウォッシュを作って気流の乱れを抑えようとした形に見えます。

その部分も踏まえてなのか?マクラーレンはエンジンカウル部分にも変更を加えており、昨年よりも緩やかな形状になっています。

昨年の様にリアに向かって急激に下げるという形ではなくなりました。

フェラーリのSF-24を踏襲したような作りです。

最後にリアサスペンションのアッパーアーム前部のロッドが捻じれています。

マクラーレンのサスペンションの捻じれは、昨年型だとフロントサスペンションに見受けられました。

今年のマシンはフロントサスペンションに捻じれが確認できなかったので止めたのかと思いましたが、まさかのリアサスペンションに採用されていました。

これが今のところマクラーレンMCL39で確認できた部分です。

全体的にみて、各チームからインスピレーションを取り、それを独自解釈で開発したという感じに思えます。

マクラーレンは前年コンストラクターズタイトルを獲得しているので、昨年型の正常進化と予想していましたが、割と大胆に変更を加えてきたように感じます。

その点を踏まえて、フロントウイングによる気流のコントロール(跳ね上げ)と、フロアエッジによるアウトウォッシュが機能さえすればこのマシンは今年も速さを発揮するでしょう。

マクラーレンは昨年7種類ものリアウイングを用意し、それぞれのサーキット特性に合わせて対応することができた。

そのため、セッティングを大外しするという可能性は少ないと見ています。

テスト当日に全く同じ仕様で来るとは限りませんので、どうなるか見てみましょう。

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