アストンマーティン新車AMR25。先代AMR24との違いを比較。

マシン分析

プレシーズンテストがいよいよ今週の水曜日からと迫ってきました。

私の分析上これまで登場してきたマシンを分析、評価してみて、フェラーリとマクラーレンの一騎打ちを予想しています。

この2台はトレンドデザインを徹底的に抑えてきているので、細かい部分とパワーユニットの勝負になります。

ウィリアムズもマクラーレンを参考にしたマシン作りです、リアサスペンションもプッシュロッドに変わり、ギアボックスもメルセデスから供給を受ける為、ディフューザーの設計に自由度が生まれます。

逆にまずい造りはブルズとハース。

フロントウイングの造りが良くない、メインフラップとノーズが接続してしまっておりトレンドに反している。

アストンマーティンはどうだろうか?

フロントウイングの仕様

アストンマーティンは昨年のフロントウイングのフラップに特徴がありました。

@albertfabrega

タイヤ前のフラップをV字カットにし、タイヤ周辺の乱流抑制を狙ったものの上手くいかず。

しかしノーズとメインフラップは独立したデザインを採用しており一応この部分のトレンドは抑えていた。

今年のデザインはどうなのだろうか?

こちらが2025年型マシンAMR25。

フロントウイングは見たところ昨年の初期型に戻されたようです。

ノーズ部分は昨年に引き続きメインフラップから独立しておりトレンドに沿った形をしています。

しかしフラップ翼端側部分にはアウトウォッシュを強力にする捲れは確認できない。

翼端板はハースのVF25の様に後端を削ったような形になりました。

フラップ部分を横から見た時、メインフラップと2枚目のフラップの前後幅は広く、これはトレンドに沿っている形です。

3段目と最上段のフラップの前後幅は狭めて気流が跳ね上がりすぎないようにしている。

フロアトンネルはフィンが2枚で仕切られトンネルの入口は3ヶ所にある。

しかし入口は全て等間隔で仕切られている。

トップチームは最も内側の入口面積を狭めていますが・・・

アストンはフロア内部を通る気流を他チームより多く確保してグランドエフェクトによるダウンフォースを増やそうとしているのか?

これはサスペンションセッティングによって左右されそうです。

迷走を続けたマシンサイドは?

アストンマーティンはここ二年マシンサイドが、特にフロアエッジの仕様変更を多くの頻度で行っており、この部分の開発に苦戦しているように見えます。

こちらが昨年の最終戦アブダビ仕様です。

フロアエッジの切り欠きは5枚。

しかし今年のAMR25では切り欠きは3枚に減っている。

多くのチームはトレンドに沿って少なくとも4~5枚。

こうしてフロアエッジを見るとこの部分はフェラーリのSF-25に寄せてきた感じか?

アストンは昨年アンダーバイトを伸ばしたデザインで開幕を迎えましたが、今年はトレンドに乗っかりポッドウイングを採用してきました。

しかしポッドウイングの横幅はマクラーレンほど伸びてはいない。

それに伴いサイドミラーにも変更が加えられています。

特に太かったミラーステーはトレンドに沿ってかなり細くシュッとしたデザイン。

サイドミラー本体も細くなり、トレンドに沿ったデザインを採用しています。

サイドポッド後端にもトレンドに沿った変更がされており、昨年型に見られた、こぶを設けてそこからダウンウォッシュを引き込むという造りは止めたようです。

昨年型のアンダーカットは流れが急降下するような作りだったため、側面の空気が乱れがちになり、シーリングが強力に出来ない。

リアデザイン

リアデザインについて触れていきます。

昨年最終戦アブダビ仕様のリアウイングです。

翼端の切り欠きは大きく、強力な渦流を発生させるトレンドに沿った造りです。

しかし今年の新車は・・・

リアウイングが何故か退化している・・・

プレーシーズンテストでは今シーズン仕様をちゃんと持ってくるのか?

・・・と思っていた所、次にの日のバーレーンでのシェイクダウンで撮影されたマシンにはトレンドに沿ったリアウイングが使用されていました。

取り敢えず一安心です。

事実は分かりませんが、これは明らかにトレンドに反した造り。

昨年のアストンはディフューザーも怪しい造りになっていた。

昨年型AMR24のフロアです。(シンガポールGP)

トレンドはディフューザ後端を外側に捲り、ディフューザー内の気流の抜けを良くし気流速度上昇を狙う。

しかしアストンのディフューザーは直線的でトレンドに沿った形ではなかった。

先ほど、フロアトンネルについて触れましたが、こちらは1枚目と2枚目のフィンの隙間が最も広がっており、トンネルを取る気流と排出される気流の流量をきっちりと分けている。

アストンは所々退化している?

しかしこれはテストで実車を確認してみないことには分からないので何とも言えないところです。

改めて新型のリアデザインです。

ディフューザー形状は分かりませんが、リアウイングは明らかにトレンドに沿った造りではない。

開幕大丈夫でしょうか?

アストンのマシンを見てきましたが、トレンドに沿って作られた部分とそうでない部分が分かれている。

今年の3月3日からニューウェイがアストンでの仕事を開始する。

このマシンは前半戦は苦戦しそうな予感がしますが、ニューウェイが手掛けたアップデートパーツによってどこまでマシンパフォーマンスを上げてこられるか。

良くも悪くもニューウェイの手腕にかかっている部分が多い、そんなマシンだと感じます。

他チームの分析はこちらから

フェラーリ2025年型マシンSF-25がシェイクダウン、チャンピオン奪回の秘策はあるのか? – アルボンノート

マクラーレンの奇襲シェイクダウン。全チーム最初の登場、MCL39の全貌とは? – アルボンノート

コメント

タイトルとURLをコピーしました