エミリア・ロマーニャグランプリではフェルスタッペンが終始レースをリードし2勝目を記録。
ピアストリ・ノリス・フェルスタッペンの3者間のチャンピオン争いは激しさを増します。
そして今年も世界三大レースの一つ、モナコグランプリが今年も始まります。
昨年はルクレールが母国初優勝を記録、今年のモナコにはどんなドラマが待ち受けているのでしょうか?
ウイングセッティングの確認
ではウイングセッティングの確認をしていきます。


と言ってもモナコで最高速は不要なので、必然的にダウンフォースを最大にしたウイングセッティングになることは明らかです。
そしてモナコのような最高速を必要としない、ひたすらダウンフォースを稼ぐことだけを考えれば良いコースでは、ロワウイングのフラップ形状に焦点を置くと良いでしょう。
以前の投稿でもロワフラップの形状がV字型、U字型と分かれていると書きました。
V字型はダウンフォースが必要な部分(中央部)を立てて翼端に行くにつれて削れた形となっています。
勿論面積の小さい部分はそれだけドラッグを低減させることができます。
それだけでなくこれにより、翼端側に気流を引っ張り上げることによってアウトウォッシュの発生を促進することが期待できます。
U字型のロワフラップは、V字型に比べてフラップ面積が大きい分、ダウンフォースは強力になります。
しかしそれは同時にドラッグも大きいということも意味しています。
前述通りモナコに限って言えば空力効率を考える必要性が無い。
ということを踏まえて、セッティングの写真を見てみましょう。
V字型を採用していた、フェラーリ・マクラーレン・メルセデス・ハースの4チームのロワフラップがV字型に変更されています。
アルピーヌに至っては中央部のみを若干めくりあげた、所謂W字型のフラップを採用しています。
V字型とは全く逆のアプローチを取っているという点は面白いです。
アルピーヌのブレーキシステム

アルピーヌのブレーキシステムにアップデートです。
前側の開口部の面積が若干広くなっているでしょうか?
こうすることでブレーキダクトに取り込める気流の量が増えてブレーキの冷却機能の促進を狙います。
ブレーキの冷却はタイヤの熱管理においても非常に重要な要素です。

マクラーレンのブレーキシステムが開幕当初から話題になっています。
マクラーレンが強い理由はブレーキシステムを一新したことで、冷却効率が向上しタイヤの熱管理が上手くいっていることです。
マイアミGPの後にFIAからの調査が入りましたがお咎めなし。
内部機構なので、簡単に真似をすることができませんが、マクラーレンの構造を理解することが、上位進出の大事な要素になることは間違いないでしょう。
各車に予想されるパフォーマンス
イモラでは見事に優勝したレッドブルですが、RB21は低速域での車高変化が少ない(フロントが沈んでくれない)ため、低速域でのパフォーマンスに不安を抱えています。
先週の様にはいかないでしょう、今週は厳しい戦いが予想されます。

逆に低速域のパフォーマンスが良いのは、マクラーレンです。
特筆すべきはコーナーの立ち上がりの速さです。
マクラーレンのマシンは何処を走らせても速いです。

昨年のフェラーリは低速域のパフォーマンス、フロントの入りが良かったが故に掴むことができた優勝です。
マイアミでは低速域のパフォーマンスが良くなかった点が不安要素です。
中団勢に目を向けていくと低速コーナーと立ち上がりの安定感があるRBが上がってくるのではないかと見ています。
モナコではストップ&ゴーサーキットであり、立ち上がりのトラクションが兎に角大事になってくるため、低速コーナーの旋回性、立ち上がりの速さと安定感の3つの要素が備わっているチームは強いはずです。
義務ストップ2回による戦略の重要性
今年からモナコは2回の義務ストップルールが追加されました。
しかもセーフティカー導入中にピットに入ることは許されない。
パレードランとなりレースがマンネリ化しないようにと設けられた新ルールです。
これによってストラテージがの重要性はグッと増します。
今回も使用タイヤはC4ハード、C5ミディアム、C6ソフトとなっています。
市街地のストップ&ゴーサーキットとはいえ、前回のイモラでは路面温度が高くなるとC6ソフトは直ぐにタレてしまい使い物にならなくなってしまいました。
このモナコでのC6タイヤがどれだけ持つかが未知数な部分があるので、フリー走行で見極めていく必要があるでしょう。
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