シンガポールGP現地観戦からはや2週間が経過しました。
ラッセルがカナダ以来の勝利となったものの、マクラーレンが2年連続のコンストラクターチャンピオンを確定させました。
しかし、アップデートを止めてからのマクラーレンは何処か停滞気味です。
フェラーリは車高を落とすとスキッドブロックの過度な摩耗、高くするとダウンフォースが足りずアンダー気味。
昨年優勝も今シーズンの勝利は望み薄となっています。
ウイングセッティング確認
ではウイングセッティングの確認に入っていきます。

トップ4のセッティングを見てみましょう。
どのチームもミディアム・もしくはミディアムハイ気味のセッティングです。
マクラーレンとフェラーリが採用していたV字型ロワフラップ。
ここ数戦が特殊なサーキットが続いたので止めていただけかと思っていましたが、今回のようなパーマネントサーキットでもV字型ロワフラップの使用を止めてきました。
今回は高速コーナーに加えて、ロングストレートもあるので使ってくると思っていましたが。
U字型ロワフラップの方が得られるメリットは大きいのでしょうか?
特にマクラーレンはU字型の湾曲が強く見受けられます。
明らかコーナリング重視のリアウイングです。
今シーズンまだアップデートを継続しているレッドブルはミディアム気味のリアウイング。
高速コーナーでのパフォーマンスは元々良い。
アップデートを通じて低速コーナーのパフォーマンスも改善傾向にある。
前戦勝者のメルセデスはこれまでの3チームに比べてややローダウンフォース仕様です。


中団のウイングセッティングを見てみましょう。
全体的にミディアムダウンフォースの仕様が多く見受けられます。
アストンマーティン・アルピーヌ・ハース・ウィリアムズは同じ仕様。
しかしロワフラップの厚み、湾曲具合はチームによって分かれています。
RBはアッパーフラップは中団の中でも最も薄いのですが、ロワフラップはU字の湾曲こそ小さいものの厚みはあります。
特にアストンマーティン・アルピーヌ・ハースの湾曲と厚みは3チーム共通しているものがあります。
ただ、低速コースで強さがあったアストンは序盤のセクター1で出遅れる予想です。
ハースは今シーズン最後の大型アップデートが噂されていますが如何に。
アルピーヌは既に今期のアップデートを取りやめており、ここ数戦苦戦続きです。
ウィリアムズはアッパーフラップこそ似通っているものの、ロワフラップは中団の中では最も薄いものを使用しています。
ザウバーは翼端の構造が変わり、他のチーム同様切り欠きを設けた仕様となっています。
ロワフラップの造りを見てみると中団の中で最も湾曲が強くなっています。
セッティングを全体的に見ると、各チームでセッティングが似ているようで、細かい部分のセッティングが分かれていることが分かると思います。
全体的なバランスが求められる

COTAは各サーキットの名物コーナーを合わせたいかにもアメリカ人好みのサーキット。
セクター1はエイペックスが見えないターン1。
ドライバーの中には勘でステアリングを切る者もいるそう。
そこを抜けると、シルバーストンのマゴッツ・ベケッツ・チャペルの高速コーナー群。
セクター2は低速コーナーとロングストレート。
セクター3は低速中心で後半中高速域、と低中高速域のコーナーがバランスよく組み込まれています。
ここで求められるのはカタルーニャのようなマシンの総合力の高さ、そしてマシンポテンシャルに応じたセッティングの妥協点をどこに持っていくかです。
今回はスプリントフォーマットでのグランプリ開催となっているので、たった1回のフリー走行でマシンをアジャストする必要性があります。
こうなってくるとマシンのスイートスポット(セッティングの最適解)が狭いフェラーリのようなマシンは苦労することになるでしょう。
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