先週のアゼルバイジャンGPは20周目にピアストリがルクレールのインを突きオーバーテイクしそのまま逃げ切り優勝し2勝目。
マクラーレンはコーナーでフェラーリをリードしていたのは勿論、ストレートスピードでは劣るもののDRSを使っても捕まえきれなかった。
マクラーレンのリアウイングに秘密がありますが後述で触れていきたいと思います。
ウイングセッティング確認
それでは恒例のウイングセッティングに入っていきましょう。
先ずはトップ4のウイングセッティングです。
見ての通り前回とは打って変わってフラップはかなり立っています。
レッドブルはフラップが立ち気味ですが、ロワフラップの湾曲が目立ちます。
ここ数戦ストレートのトップスピードが遅いレッドブルですが、今回はストレートのトップスピードはあまり関係ないので、コーナリングに振ったセッティングが予想されます。
前回のアゼルバイジャンでは、ストレートが遅い分コーナリングは速かったのです。
昨年低速コーナーが苦手だったRB19に比べ低速でのパフォーマンスが改善されているので、今回はもう少し上の順位が狙えるかと思います。
メルセデスは、レッドブルと違いロワフラップの湾曲が小さいです。
前回のアゼルバイジャンではストレートスピードの伸びは良かったものの、コーナリングで他のトップチームに劣っていました。
フロントウイングはフラップの3・4段目のフラップの前後幅が削られていましたが、今回は前後幅が通常のものに戻されました。
基本2段目の前後幅が広く、1段目とのスロットルギャップでフロアに向けて気流を流す。
3・4段目はフレキシブル構造でこちらもフロアに向けて流すための構造です。
フェラーリはウイングフラップを最大限に立たせています。
ロワウイングも他のチームに比べて立っており、リアウイングで発生するダウンフォースは大きいです。
ここではストレートを気にしなくてもいい分、コーナーに振った感じです。
アゼルバイジャンではマクラーレンには及んでいないものの、元々低速コーナーは得意なマシンなので、上位進出は十分期待できるはずです。
前回優勝のマクラーレンのフラップも同じように立ち気味です。
リアウイングは後述で触れます。
前戦アゼルバイジャン同様市街地コースです。
コーナーは基本低速という部分は一緒ですが、大きく違うのはストレートの長さです。
ストレートが短いシンガポールにトップスピードは必要ありません。
そうなると必然的にフラップは立つことになるはずです。
マクラーレンの速さの秘訣
冒頭でマクラーレンのストレートでのパフォーマンスが悪くなく、そこにはリアウイングに秘密があると触れさせていただきました。
なんとマクラーレンにはミニDRSなるものが付いています。
フラップ中央と翼端の境にフレキシブルフロントウイング同様の切り欠きが見られます。
低速時は特に変化がありませんが、高速時になるとフラップが寝るような形になり、それがまるでDRSのような態勢になるのです。
この仕組みによってマクラーレンはストレートでもフェラーリに抜かれないパフォーマンスを実現していたのかと思います。
しかし前回のマクラーレンを見ていると立ち上がりのトラクションの掛かりが抜群に良かったため、コーナリングでフェラーリを大きくリードしていました。
そして特筆すべきは20周目にルクレールのインを突いて抜いた時のピアストリのマシンの挙動。
インを開けていたルクレールが悪かったとは言え、ピアストリのブレーキングはかなりコーナーの奥でかけていました。
にもかかわらずタイヤがロックし白煙を上げることもなく、スッとルクレールのオーバーテイクに成功しました。
ブレーキング時のスタビリティも良いのだと感じます。
マクラーレンはエアログリップだけでなく、メカニカルグリップの高い一台となっています。
兎に角コーナーも速く、ストレートも速いとなるとマクラーレンに手が付けられなくなってきます。
モナコに次ぐ低速コース、昨年から一部区間変更有り
シンガポールは基本ストップ&ゴーサーキットなのでコーナーは基本低速コーナーです。
低速コースなので立ち上がりのトラクションが重要です。
市街地コースなのでトラックエボリューションが良いです。
今回の予選も後出しが重要です。
低速コーナーの連続なので、タイヤ負荷は低いですが、ブレーキに掛かる負荷がかなり高いです。
一昨年セクター3にはシケインが設けられていましたが、昨年に廃止しストレート区間に。
そして今年は、そのストレート区間がDRS区間が設けられました。
シンガポールはトラックポジションが非常に重要なので、この部分に関しては変わらないと考えます。
決勝レースではセーフティカーの出動率が100%です。
どのタイミングでピットインに入るかも順位に影響が出ます。
前戦アゼルバイジャンもストレートを除けば、低速コーナーしかなかった。
前戦のコーナリングのパフォーマンスを考えるとマクラーレンが明らかにリードしています。
今回はストレートが短いのでマクラーレン強さがより引き立つ一戦となりそうです。
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