ルクレールが優勝したイタリアGPから2週間が経過。
そして去就が注目されていたエイドリアン・ニューウェイが2025年3月1日からアストンマーティン入団が正式に発表されました。
ヨーロッパラウンドを終え、ここからはフライアウェイ戦へと移っていきます。
17戦目はロシアから900km南にあるアゼルバイジャンGPです。
ストレートはトップスピードが伸びるフェラーリPU勢、ウィリアムズが有利か?
マクラーレンやメルセデスはコーナリングで優位なパフォーマンスを発揮するはずです。
コンストラクターポイント逆転にリーチが掛かってしまっているレッドブル。
耐えきれるのか?
ウイングセッティングの確認
では早速ウイングセッティングの確認に移っていきます。
その前にアゼルバイジャンGPは2016年に初開催、その際には当時ウィリアムズ在籍のバルテリ・ボッタスがF1史上最速の378km/hを叩き出しました。
しかし、コースデータが揃いだした近年では、コーナリングに振った方が速いのではないかという見方もされており、ウイングセッティングがローダウンフォース仕様か、ミドルダウンフォース仕様かに割れるのではないかと見ています。
という私の予測を踏まえてみていきたいと思います。
先ずはレッドブル、メルセデス、フェラーリ、アストンマーティンの4チームです。
やはり予想通りチームによってセッティングが分かれています。
今回のレッドブルは前回のようなメインフラップを削った仕様ではありません。
F1第16戦イタリアGP。持ち込まれたパーツ、セッティングの確認と予選決勝の展望 – アルボンノート (albonnote.com)
↑レッドブルは前回のイタリアでも紹介した通り、専用のローダウンフォース仕様のリアウイングを持っていません。
その為現状で最もローダウンフォース仕様で、メインフラップを削ったものを持ち込みましたが、思ったよりもダウンフォースが削れていないためストレートのトップスピードはワーストレベルです。
今回持ち込んだウイングはややローダウンフォースよりの仕様。
トップスピードはある程度犠牲にしつつも低速コーナーに重きを置いたようなセッティングに見えます。
続いてメルセデス。
メルセデスもモンツァのような薄いウイングという訳ではありませんが、それでもかなりフラップを寝かせたローダウンフォース仕様を持ち込んできました。
恐らくコーナーでタイムを稼ぎたいという考え方はレッドブルと同じ考えだと思います。
続いて前回イタリアで優勝したフェラーリ。
モンツァの時の特別仕様とは異なり、フラップはレッドブルメルセデスよりも立っています。
フェラーリPUはストレートの伸びがどのPUよりも良い。
メルセデスやレッドブル以上にコーナーリング重視のセッティングの様に思います。
ロワフラップの湾曲もイタリアの時に比べてついているように見えます。
フラップの立ち方に関してはアストンのウイングセッティングにもフェラーリと同様のアプローチを取っていると見ます。
アストンは前回のイタリアではウィリアムズにパフォーマンスで負けていましたので、何とか巻き返しを図りたいところ。
続いてアルピーヌ、ウィリアムズ、RB、マクラーレンの4チーム。
アルピーヌ・・・イタリアGPと同じ仕様に見えます。
こちらはリアウイングのドラッグを削ってとにかくトップスピードを伸ばしたいという前述のコーナーに振っているチームとは異なったアプローチ。
しかしアルピーヌの場合はノーズ下に取り込める空気量が多く、フロントが強い傾向にある為このようなセッティングになったと考えられます。
低速コーナーはフロントさえ入れば・・・という考え方だと思います。
続いてウィリアムズ。
ウィリアムズもアルピーヌ同様にイタリア仕様をそのまま持ち込んだように見えます。
ウィリアムズはマクラーレンの機構を真似したことによってマシンサイドで生成されるダウンフォースの量が急増。
マクラーレンの仕様を真似したことによる、ストレートスピードの低下が懸念されましたが、イタリアGPではトップスピードを記録しその不安は無事に払拭。
中団から一つ抜け出した存在となりました。
RBも上記の2チーム同様イタリア仕様を持ち込んだと考えられます。
アップデートを入れているはずなのに、逆にダウングレードになっているという状況が続いているRB。
元々素性が良かったレッドブルのマシンをベースにしているだけあって、アップデートが少ない前半戦は戦えていました。
しかし、他チームにアップデートが入ってくるにつれて苦戦は続き、前半終盤にかけては中団のトップから後退し埋もれてしまったように見えます。
私がシーズン前に懸念していた、元が良いマシンをどのように改良させていくか?レッドブルの機構をこれ以上良くすることができるのか?かと少し疑問に思っていましたが、どうやらそれは的中したようです。
ストレートに全振りしたイタリアであの結果でしたので、ここアゼルバイジャンでも苦戦は必須でしょう。
マクラーレンは前回のモンツァ仕様から大きく変わって、フラップを立たせるというトップチームの多くに倣ったセッティングのものを持ち込んできました。
ロワフラップの湾曲も前回のイタリア仕様よりも強くなった形です。
高速コーナーの速さは抜群に速いことに加え今年は低速域のパフォーマンスを改善したことで、コーナー全般的に速いマクラーレン。
今回もコーナーでのミニセクターはマクラーレンがトップを記録することになりそうです。
モンツァに比べればストレート伸びによる影響は少ないので、前回イタリアではできなかったコーナーで取り返すということは十分に可能だと考えています。
半モナコ・半モンツァ
アゼルバイジャンのコースを一言で表すと、”半モナコ・半モンツァ”という言葉をよく耳にすると思います。
ストレートの長さはモンツァの様で、ランオフエリアが無い低速コーナーの連続はまるでモナコの様です。
特に低速コーナーの多くはほぼ直角に曲がるような形になっており、ロングストレートエンドに設置されているのでブレーキにかかる負荷は非常に高いです。
直角になっている1・2コーナーを抜けると再びロングストレート。
ここでDRSが使えるのでオーバーテイクポイントの一つです。
特にセクター1はビッグブレーキングの連続の為オーバーランの危険があります。
セクター2はロングストレートはありませんが低速コーナーが連続しています。
低速の7コーナーを抜けると8~12コーナー。
ここがコースの最難関で、道幅が一気に狭くなります。
ここでブレーキングのタイミングを間違えるとウォールに突っ込んでしまうので要注意です。
ここで何人ものドライバーが餌食になりました。
ロングストレート→フルブレーキング(低速区間)→ロングストレートの繰り返しとなるので、立ち上がりの際のトラクションの掛かり方が非常に重要になります。
前述の通り半モナコ・半モンツァと言われているコース。
今年フェラーリはモナコとモンツァの2コースで勝っています。
単純に考えるとこのコースとも相性がいいのでは?と考えてしまいます。
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