いよいよオランダGP開幕です。
開幕前のニュースとして、来年からジャック・ドゥーハンがアルピーヌからデビューすることが正式に決まりました。
シーズン序盤から動きのあったドライバーズマーケットも残りの席が少なくなってきています。
大型アップデートを入れているチームがちらほらと確認できる。
アップデートの効果とはいかほどになるか?
アップデート情報
前回のアップデート分析でアルピーヌが大規模アップデートを敢行したと発表しました。
アルピーヌはサイドポッド形状の変更を中心とし、そのアップデートをを活かすために周辺のパーツに変更を加えたというものでした。
そんな中、ウィリアムズのサイドポッド形状の変更も中々興味深いものでした。
ざっくり言いますと、サイドポッドインテークの形状に変更が加えられました。
元々はインテーク下を伸ばしたアンダーバイト式でしたが、今回のオランダでポッドウイング式に変更してきました。
これはマクラーレンに倣った造り。
今シーズンでは既にハースやザウバーといった中団勢にも取り入れられている機構です。
分かりづらいところですがインテークの開口部が他のチームに比べて若干広いか?
やはりトップチームは真似される宿命なのでしょうか・・・
左右非対称のブレーキ機構禁止を受けて影響が出ると考えられているレッドブル。
それを補うかのような工夫が随所に見られます。
まず変更が見られる箇所はエンジンカウルの形状変更。
開口部を大きく開いているハンガリー仕様のものから、ベルギー仕様のものは開口部を狭めている。
オランダ仕様はベルギーと似ていますが、開口部の左右を少し狭め、逆に上下の幅は僅かに広げられている。
カウルの形はリアウイングの空力効率に直接影響するもの。
リアダウンフォースはフロントよりも弱いとは言え、決して適当に作っていいものではありません。
カウル外部の空力効率のみに拘ればいいというものでもなく、カウル内を通る内部気流をいかにして流すかも重要な要素になってきます。
二つ目の変更はハロ周辺の変更。
今年はハロ周辺の整流がアップデートのトレンドの一つになっています。
今回のレッドブルの場合はハロ側面、地面に対し平行に付いていたフィンを垂直にし取り付け位置も変更。
ハロ後端のフィンも奥行きを伸ばした形状に。
更にサイドミラーにも小さなフィンが付きました。
これによるレッドブルの狙いはハロ周辺に発生するアウトウォッシュの強化。
リアセクションに向けて流れようとする乱れた気流をこのフィンによってアウトウォッシュを強め、確実にマシンの外側に押しのけようとしています。
その働きを助けるためにハロの後端の奥行きを伸ばした、確実にマシンの外に邪魔な気流を追いやるためです。
ニューウェイ離脱によりアップデートの迷走が続くレッドブル。
この2つの変更がパフォーマンス向上に役立ってくれると良いですが・・・
FP1シュヴァルツマンのルーキーテストも雨
後半戦一発目のフリー走行は生憎の雨となりました。
今回はザウバーから、ボッタスの代わりにセッションに参加するシュヴァルツマンのルーキーテストでしたが・・・
今シーズンは雨のセッションが少ないですが、何故かルーキーテストのときに限って雨の確立が多いような気がします。
しかもウェットタイヤなので結構な雨が降ったのでしょう。
水捌け自体は悪くはなさそうですが所々に水溜りが存在している少し危ない路面コンディションです。
本来ウェットコンディションのセッションの際にはレインタイヤの数の都合上、中々走ってくれないのですが、今回は夏休み明けということもあり早い段階からコースインしてくれていました。
ヒュルケンベルグは序盤からコースアウトを連発。
多くのドライバーがコースアウトをしてしまいました。
残り35分あたりから日が差してきましたが依然路面コンディションはウェット。
そんな中残り31分、インターミディエイトを履いたフェルスタッペンがコースイン。
母国GP4連覇に向けて始動。
しかし最初のアタックラップ、セクター3のシケインで単独スピンを犯します。
フェルスタッペンにしては珍しい一幕です。
気を取り直してもう一周、今度はきっちりと一周し暫定トップタイム。
しかしこの直後にインターミディエイトを履いた他のマシンが続々とコースイン。
暫定トップタイムはノリスに塗り替えられました。
時点でラッセル、3番手は何とルーキーテストのシュヴァルツマン。
ノリスの約0.5秒落ち、同じザウバーのマシンに乗る周に2秒以上の差を付けています。
残り13分ドライタイヤを履いて続々とマシンがコースイン。
セッション序盤が雨だったため終盤はソフトタイヤでタイムの出し合い。
トップタイムはノリス、そして2番手はフェルスタッペンですがノリスの出したタイムに対して0.2秒遅れているという、この2チームの間に少し差を感じるセッションでした。
3位はメルセデスのハミルトンでした。
最後の最後でザウバーの周が10番手タイムをマークしてきた。
セッション序盤、シュヴァルツマンに対してかなりの差を付けられていたので、このタイムを見る限りでは序列の判断が付きにくいところです。
シュヴァルツマンも16番手タイムだったとは言え、ウェットコンディションで周に対して大差をつけるタイムをマークした見事なセッションでした。
下位カテゴリーで足踏みを食らっていますが、そろそろF1で走るところを見てみたいところです。
メルセデスVSマクラーレンを予想させるFP2
FP2は気温21℃、路面温度32℃でセッションが開始。
FP1とは打って変わり天気は最初から晴れ、ドライセッションでセッションは始まります。
このセッションから感じられたことはマクラーレンとメルセデスの一騎打ちを予感させるセッションだったということ。
FP1からコースアウトが目立っていたハースのヒュルケンベルグ。
遂に1コーナーでブレーキをロックさせコースアウト、そのままウォールに激突しセッションリタイア。
このクラッシュにより赤旗が掲示されます。
残り36分で赤旗は解除され再びセッション再開。
ソフトタイヤでのアタックラップに入ります。
トップタイムはメルセデスのラッセル、そこに0.061秒差でマクラーレンのピアストリが続いた。
3位ハミルトン4位はノリス、予選もこの2チーム4台によるポール争いになるかと思います。
5位にフェルスタッペン、上記の2チームに対し0.3秒近く離されているという、アップデートを入れてもこの差は埋まらないものなのか?
トップタイムから14位までのタイム差が1秒以内という今回も
ロングランはマクラーレンが良さそうです。
FP1・2とフロービズペイントを塗って走っていた所も気になるところ。
FP1ではフロアエッジから後部にかけて、FP2ではフロントサスペンションに塗りたくっていました。
調べたところ、マクラーレンはその2カ所にアップデートを入れている模様。
つきましては次回のFP3・予選の投稿のアップデート情報で触れたいと思います。
今回はフェラーリがFP1からイマイチな走り、アップデートが入っていないというのもありますが、土曜のセッションに向けて修正をしてもらいたいところ。
サインツが序盤でギアボックストラブルを抱え、セッションの大半を棒に振ってしまったことも不安要素ではあります。
角田はハードでのロングラン安定して16秒台を叩き出し、セッション後半に連れて所々タイムを上げていた。
クリーンエアで走れていたということも大きいですが、レースには前走車がつきものなのでその前走車がいる時に同様の走りができるかがRBマシンの課題でもあります。
RBは角田にハードタイヤを、リカルドにはミディアムタイヤを履かせセッションを消化。
このタイヤ選択が決勝レースの戦略にどう影響してくるかが焦点になりそうです。
しかし、今回の現地は強烈な風が吹いているとのこと。
マクラーレンとメルセデスは恐らく盤石そうですが、それ以外のチームはセッティング次第で良くなる可能性もあり、その逆のパターンだって十分にあり得る。
FP2で大体序列は分かるところですが、今回に限って言えばイマイチあてにならないセッションだったのかと感じました。
オランダGPのマシン分析はこちらから
F1第15戦オランダGP。持ち込まれたパーツ、セッティングの確認と予選決勝の展望 – アルボンノート (albonnote.com)
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