金曜日セッションは、ノリスがFP1・2共にトップタイムをマーク。
オーストリアでのリタイアを取り返すような走りを見せてくれました。
しかし、今週は3日間共に雨予報、FP1の外気温は16℃、路面温度は27℃
FP2は外気温17℃、路面温度28℃と温度は低め。
なので一概に序列が明らかになったとはいえませんが、タイヤに易しいチームはこのままいくと熱入れに苦労することになりそうです。
続、アップデート分析
昨日の投稿で触れていない部分について触れていこうと思います。
マクラーレンやアストンマーティンのリアコーナーの変更が目立ちました。
アストンマーティンはフロントウイングの先端付近の湾曲が強まった感じになりました。
FP1では旧型を使いFP2から新型を使っていました。
持ち上げたことでフロア下に通す空気量を増やしたい狙いだとは思いますが、サイドポッドに大きな変更を加えたハースに負けています。
今年もアップデートがイマイチなアストンマーティンです。
マクラーレンはエンジンカウルにダクトが設けられています。
その代わりにエンジンカウルについていたルーバーが確認できません
排気もこなしつつ気流をビームウイングにぶつけてダウンフォースを稼ぐ手法です。
若干形が違えどレッドブルの構造に似通ったものがあります。
更にマクラーレンはリアセクションにも変更点が。
リアコーナーのフィンにはガー二ーフラップのようなものが設けられ、その後ろが少し削られています。
マクラーレンは今シーズンリアセクションにも積極的にアップデートを加えています。
ダウンフォース量だけでなく安定感も出てくると益々速いマシンに仕上がりそうです。
スペイン。オーストリアとアップデートを入れず大人しかったメルセデスはここで大量投入。
フロント・リアウイングのアップデート。
前戦のウイングよりもいくらか薄くなっているようにみえます。
フレキシブルという意見もありますが、ルールの範囲内でやっているはずです。
ただ、画面を見ていてもはっきりと分かるくらいにウイングが動いています。
リアウイングはより効率良くダウンフォースが得られる形に変更されました。
そのため今週は他のチームよりも重めのウイングを用意することができたのではないでしょうか?
メルセデスは他にもフロント・リアコーナーにもアップデートが入っています。
これはサーキットに合わせたローカルアップデートだと思いますが、フロントのブレーキダクトのサイズを縮小し空力を優先した形を取ってきました。
シルバーストンはブレーキをあまり使わないコースなので削れるところは削るべきです。
昨日紹介したハースですが、フロアエッジにも変更が加えられています。
エッジ全体が狭まり、切れ込みの間隔が短くなりました。
エッジから排出する量を少し減らしつつ、ここで発生させる渦をより強力にしようという狙いに見えます。
元々ロードラッグなマシンですので、これによってフロアトンネル内に通る気流を増やし、グランドエフェクトも強力になると見ています。
FP3はウェットセッション、メルセデス1-2
金曜セッションでは下位カテゴリーのセッションでは雨が降っていたものの、FP1開始時点では路面はドライコンディションに変わっていました。
しかしFP3ではウェットコンディションのスタートとなります。
外気温は11℃とかなり寒い、路面温度は16℃とこちらもかなり低い。
セッション開始数分後、ガスリーがサンドトラップに突っ込み前日の角田同様に赤旗を出してしまいました。
グリッド降格により最下位スタートが決まっているガスリー。
今の所連続してポイントを獲得しているアルピーヌですが、今週はオコン頼み、厳しい週末になりそうです。
トップタイムはメルセデスのラッセル。
重めのウイングセッティングが効き、他のチームに大差を付けてのタイムです。
その僅か0.035秒差でハミルトンが続きます。
メルセデスに大きく離されたものの、きっちり3番手に付けてきたのは、マクラーレンのノリスです。
最早マクラーレンのマシンはどのサーキットに持ち込んでも速いです。
予選も路面がウェットだとメルセデスにかなり有利に働くこととなりそうです。
ドライ・ウェット混在大荒れの予選
予選に入っても路面は乾ききらずにインターミディエイトタイヤでのQ1スタートとなりました。
しかし、空は晴れていて太陽が出てきている、もしかすると乾くかもしれない。
今回は番狂わせが起きる波乱の予選となりそうな予感がしました。
先ずファーストアタックをインターミディエイトで済ませる。
ハースのヒュルケンベルグは一向にアタックしない。
路面が乾くのを待っているのか?
路面にはレコードラインが表れ始め、ちらほらとソフトタイヤを履いてコースインするドライバーが出てきたその時でした。
ペレス、アウトラップ中にコプスで痛恨のコースアウト、サンドトラップにはまり自力で出れない。
ペレスは予選をリタイアしなければなりませんでした、これはいけません。
折角契約更新が決まったのにこんなことをしていては契約が白紙になりかねないです。
ペレスの後ろを走っていたリカルドもアウトラップ中にコプスで飛び出すもサンドトラップ手前で回避。
紙一重が結果を分ける形になりました。
マシンが撤去され残り7分30秒のところでセッション再開。
しかし、この赤旗の間にまた雲行きが怪しくなってきてしまう。
残ったドライバーはソフトで急いでアタックを仕掛ける。
タイムは更新されていきますが、コプスの付近だけ濡れている模様。
フェルスタッペンがまさかのコプスでコースアウト、サンドトラップに突っ込んでしまいます。
もしや・・・と思いましたが惰性で何とか脱出、レッドブル2台とも脱落は免れ、フェルスタッペンはもう一度アタックをかけます。
タイムは1分31秒、何とか11番手でQ1通過、しかしあの勢いでサンドトラップに突っ込んでいるとなると、フロアへのダメージが心配されます。
残り数秒、角田はギリギリゴールラインを通過も15番手、その勢いのままもう一度アタックをかけます。
結果は6番手、あと数秒遅かったらQ1敗退の可能性もありました。
Q1敗退はアルピーヌ2台、ペレス、マグヌッセン、ボッタス。
アルピーヌは厳しい戦いが予想されます。
Q2で波乱
Q2に入っても暗雲が立ち込める天気、いつ雨が降ってもおかしくない状況。
そんな中で、早い段階からアタックを仕掛けるドライバーが続出します。
ファーストアタックはノリスの1分27秒4を筆頭に、サインツ、ピアストリ、アロンソ、ヒュルケンベルグ、フェルスタッペン、アルボンが27秒台を計測。
タイヤ交換をはさみラストアタック。
フェルスタッペンは新品ソフトでもタイムが上がってこない、やはりQ1でフロアを傷めてしまったか?
同じくしてルクレールもタイムが上がらない、こちらは熱入れに苦労している様子。
やはりフェラーリは路面温度が低いと苦戦する傾向がある。
ルクレールはラストアタックで7番手を記録も後続のドライバーもどんどんタイムを更新、タイム更新は残すはストロールのみ、ルクレールは暫定10位、どうなる?
ラストアタックでストロールはルクレールを0159秒上回りギリギリの10位でQ2通過。
ルクレール、まさかの今シーズン2度目のQ2敗退。
スペインで入ったアップデート以降中々悪い流れから抜け出せない。
RBはここで2台ともQ2敗退。
現状のマシンではここまでが精一杯という走りでした。
しかし、ライバルであるハースのヒュルケンベルグとウィリアムズのアルボンという両エースがQ3に進出しているのでどちらか1台はQ3に行かせたかったはず。
RBはレースペースでも他のチームに後れを取っている傾向、決勝の天気も雨が降る可能性のある予報なので、雨が降れば多少は戦えるはずです。
フェルスタッペンは6番手ですが、メルセデスとマクラーレンの2台には及んでいない。
アロンソはここで3番手タイムに付けてきた。
アストンのアップデートは怪しいように見えましたが、当たりなのか?それとも一時的なのか?
ラッセル連勝へ、イギリス人ドライバー大活躍
ルクレールのQ2敗退の波乱があった予選もいよいよQ3。
ファーストアタック、ノリスが1分26秒030で暫定トップ、ベテランハミルトンも1分26秒196で3番手とついていく。
直後にラッセルがトップタイムの1分26秒024。
ラストアタックはコースインが遅くなったため、スタートラインを通過してアタックラップに入れるか微妙な状況になってきた。
フェルスタッペンはラストアタックを先頭で始める。
フェルスタッペンはフロアの影響もあり厳しいか・・・タイムは1分26秒203で4番手でフィニッシュ。
サインツもタイムを伸ばせず7番手に甘んじる。
そのサインツを上回ったのが、ハースのヒュルケンベルグ。
アップデートの効果を活かし見事6番手スタートを獲得。
今回はメルセデスとマクラーレンが速かった。
ポールポジションはノリス、ラッセル、ハミルトンの3人のドライバーに絞られました。
まず最初にフィニッシュラインを通過してきたのはハミルトン。
タイムは1分25秒990で暫定1位、25秒台に突入してきました。
続いてノリスが帰ってくるもラストアタックはセクター1・2共に自己ベストを更新できず、アタックを止めピットに戻ります。
残すはラッセルのタイムのみ、セクター2が速い、全体ベスト・・・セクター3もスムーズにコーナーをクリアしていく・・・タイムは・・・
1分25秒819!ラッセル今シーズン2度目のポールポジション!
予選はイギリス人ドライバーが大活躍、メルセデスは21年のメキシコ以来のフロントロー独占です。
ノリスはフリー走行が良かっただけに悔しい結果、レースペースはあるので決勝での巻き返しに掛けたい。
フェルスタッペンはフロアのダメージが予選の最後まで響いてしまった。
決勝もマクラーレンとメルセデスを追うのは厳しいか?
後ろにいるもう1台のマクラーレン、ピアストリは抑えたいところ。
そして今回大健闘だったヒュルケンベルグ、ハースの効果的なアップデートが決勝も楽しみなものにしてくれるはずです。
予選で明暗が分かれたフェラーリとペレス。
ルクレールとペレスは何処まで巻き返してこれるか?
今回は地元GPであるウィリアムズも頑張りました。
アルボンは9位スタート、ポイント獲得のため後続はしっかりと抑えたい。
Q2で3位通過だったアロンソは、Q3でストロールにまたも惨敗。
年齢なのか、マシンに原因があるのか・・・
こちらもどこまで巻き返してこれるか。
決勝もイギリス人ドライバーが躍動するのか、どうなるかみてみましょう。
F1第12戦イギリスGP。FP1・2。ノリス圧倒的な速さ、追う他チーム – アルボンノート (albonnote.com)
コメント