レッドブルグループの新車RB22・VCARB03発表。原点回帰、バージボードにアウトウォッシュあり?

マシン分析

アウディが真っ先にシェイクダウンを行ってはや一週間。

1月15日にレッドブルグループから、RB22とVCARB03の新車発表がありました。

例年通りのカラーリング発表で終わるかと思いきや、2026年規定のシャシーで発表を行ってきました。

そのマシンの全貌とは如何に?

RB22の原点回帰、塗装面積のルール

RB22は原点回帰というべきカラーリングになりました。

かつてフェラーリと組んでいた頃の最初期のカラーリングに近くなったというところか?

そして今年からマシン塗装に関する新ルールが設けられました。

F1マシンの表面積の55%以上を塗装またはステッカーで覆うことが義務付けられます。

2023年マシンの様にカーボン剥き出しの未塗装による軽量化を防ぐため、そしてそれによってマシンの視認性・識別性の低下を防ぐことに繋がります。

新規定のマシンは旧マシンよりも30㎏軽い768㎏。

軽量化がなされたとは言え、かつてのマシンに比べればまだまだ重い。

グラム単位の軽量化に拘りたい気持ちも分かりますが、マシンの識別ができないとなると話は別ですからね。

フロント部の考察

さて本題のマシンの空力について見ていきたいと思います。

あくまでリバリー画像なので、実際の走行でどうなるかは分かりませんが、画像を見る限りでは、やはりレッドブルとRBで共通の部品もしくは構造を使っている部分は多いです。

フロントウングは規制により100mm狭くなり、フラップの枚数も4枚から3枚に減少。

ホイールアーチも除去され、乱流制御も強化されます(この部分は開発の自由度有り)。

先ずはRB22のサスペンション、こちらはアウディのシェイクダウン分析の際に述べたとおり、フロントプッシュロッドを採用してきました。

フロントウイングを公式のレンダリングと比べると、フラップ最上段の翼弦長は長い。

というよりマシン内側を少し狭め、翼端にいくにつれ翼弦長は長くなっている。

翼端板は高さがあり、より内側に沿った形に、これによってインウォッシュを強めるる狙いか。

カナードは上部を短く上向きにしタイヤに乱流を当てない造り、下部を長くし端を波打つように設計。

アウトウォッシュを発生する仕組みに見える、この領域は兎に角渦を生成してタイヤに直撃させない。

カナードがこれまで以上に仕事を要するパーツとなりそうです。

このフラップと翼端板・カナードの領域も設計自由度は高いはずなので、ここも各チームの設計理念によって、大きく分かれて来るでしょう。

サイドポッドインテークは、旧レギュレーション同様にアッパーバイト方式でインテークを極端に狭めたゼロインテーク。

ブレーキダクトはコース特性によって違いが出るため、この仕様で行くとは限らないでしょう。

RBもサスペンションはプッシュロッド。

しかしフラップ最上段の翼弦長の長さは、内側と外側であまり変わっていない直線的な形。

こちらのフロントウイングのフラップはRB22と違い左右の二枚のみが稼働する仕様。

翼端は内側への折り込みがレッドブルより小さく、カナードに至っては上側が存在していない。

こちらのサイドポッドインテークはレッドブルと違い、開口部に面積を持たせている。

インウォッシュコンセプトも、アウトウォッシュがまだ居座る?

マシンサイドに分析を移してみる。

続いてマシンサイドの分析に移ります。

グランドエフェクトではなくなったため、昨年までに見られたフロアエッジは無くなり、フラットでシンプルなフロアとなった。

特にレンダリングとの違いが感じられたのは、写真のインウォッシュボード(バージボード)とアンダーカット。

まずはアンダーカット、RB22はレンダリングに比べると、アンダーカットのフロア面積が極端に狭い。

レンダリングのフロアの意図を考えると、グランドエフェクトが使えないので、フロア面積を確保することで、フロアと車体の圧力差を生もうとしている。

しかしレッドブルはそのフロア面積がかなり狭い。

アウディのシェイクダウン画像でもレーキ角が付いていることが確認されており、この概念の復活が予想されている。

この構造で行くとRB22はハイレーキを採用してくるのではないかと予想しています。

レンダリングのインウォッシュボードは内側に向き、タイヤウェイクを内側に留めようとしているが、RB22のウェイクボードはどこか直線的で高さもない。

一番の焦点はインウォッシュボードにスリットが付いており、アウトウォッシュを発生させる機構となっている。

このバージボードのスリットが、気流の境界層を制御する形となっている。

具体的に

  • スリットにより気流の通過面積を狭め、気流の加速と分割による渦(ボルテックス)生成、これにより負圧を強め、気流を外へ押し出すアウトウォッシュが発生する。
  • インウォッシュコンセプト下においても、スリットを通して高圧気流を外側へ「漏れ出させる」ことで、フロントホイールの乱流を外側へ押し出す、これにより圧力が高まりフロアダウンフォースが増す。

以上のことから、マシンサイド(サイドポッド・フロア)の高圧化を図っていると推測できます。

アウトウォッシュにより、コーナリングパフォーマンスが向上し、コーナリング安定性が期待できる。

万が一フォードPUが失敗しても、コーナリングで戦える可能性が残ったとも考えられる。

この領域に関してはRBも同様のアプローチを取ってきた。

しかしFIA側はこの構造を監視対象と考えており、もし規定違反となれば改正が必要となり、コーナリングでの強みは生かせなくなる。

マシンを上部から見ると、両方のマシン共にコークボトルが採用されている。

グランドエフェクトによるダウンフォース生成ではなくなった分、シャシーで工夫をする必要が出てきた。

最後にマシンを後方から見てみる。

サイドポッド後部は旧レギュレーション同様、スライダー形状が設けられている。

インウォッシュボードが復活したとはいえ、それに頼らず、サイドポッドでフロントウイングから跳ね上げられた気流を整流する技術は引き継がれている。

この部分は前述のコークボトルとの兼ね合いが必要になるとみている。

このようにダウンフォース生成の原理は変わったとはいえ、旧レギュレーションから引き続き継続して使用される技術は多いのかもしれない。

レンダリング画像を信用するな、あくまで憶測

以上がレッドブルグループの新車発表から見る空力の分析になります。

補足としては、メルセデスと同様の圧縮比トリックをレッドブル・フォードも起用してくると以前の投稿でもさせて頂きましたが、信頼性の懸念により断念したようです。

2026年PU、話題のメルセデスとレッドブルの圧縮比トリックを紐解く。 – アルボンノート

かつてF1で実績を積んできたフォードですが、復帰初年度ということ、エンジニアも大量離脱によって布陣も大きく変わっている(圧縮比トリックを知るエンジニアをメルセデスから引き抜いている)。

ということもあってリスクを冒さない選択ということなのでしょうか?

しかし、この仕様でプレーシーズンテストを走るとは断定できません。

あくまでレンダリングの使用であることを理解したうえで、この分析を参考にして頂ければと思います。

いよいよ来週からは新車の発表ラッシュと週末にはスペインでのプレシーズンテストが始まります。

いよいよ新規定開幕に向けて本格的な準備が始まります。

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