1週間の空き週を挟んでいよいよ2025年シーズン最後の三連戦が始まります。
三連戦の初戦はラスベガスGP、アメリカラウンドの最終戦でもあります。
チャンピオン争いはノリスが連勝によって初のタイトル獲得に大きく近づいた。
ピアストリは後半戦においてはずっと精彩を欠いた走りが続いています。
フェルスタッペンは条件次第で5連覇が潰えます。
持ち込まれたパーツの確認
トップ4のウイングを見ていきましょう。

トップ4のウイングセッティングは共通してローダウンフォースのウイングです。
マクラーレンはその中でもロワフラップをV字型の形状を前戦から維持してきました。
翼端板に目を向けると、フェラーリのみストレートな形状。
その他3チームは湾曲させた形状の翼端板を採用。
メルセデスの翼端板の湾曲は、マクラーレン・レッドブルに比べると若干緩やか。
再三の説明となりますが、マクラーレンはストレートが他のチームよりも遅いため、コーナリングに振ったセッティングを採っています。
コーナリングセッティングに振ることで、ブレーキングスタビリティの安定化、立ち上がり時のトラクションの掛かりが良くなるというメリットがあります。
レッドブルはブラジルではウイングセッティングに迷走していました。
しかし今回のラスベガスは典型的なストップ&ゴーサーキットレイアウト。
加えてストレート区間がかなり長いので、このレイアウトならローダウンフォース一択のセッティングに振ることができます。


中団勢のセッティングも確認しましょう。
どのチームも流石にローダウンフォース仕様のウイングです。
翼端板の処理は中団勢の中でも割れています。
アルピーヌとRB、ハースはフェラーリと同じストレート形状。
アストンマーティンがマクラーレンと同じようなV字型ロワフラップを採用。
アストンも低速域は速いが、ストレートで出遅れるというマクラーレンと類似点があります。
アルピーヌは翼端付近のフラップ間の隙間が目立ちます。
ハースとRBも例に漏れなくローダウンフォース仕様のウイングを持ち込んでいます。
ウィリアムズのウイングは中団の中で見ると立ち上がっている、アストンと同じくらいのダウンフォースレベルと見受けられる。
ザウバーに至ってはロワフラップがあるのか無いのか分からないくらいの極薄仕様です。
F1 2025第16戦イタリアGP、持ち込まれたパーツ確認と決勝の展望 – アルボンノート
全体的に見て、可能な限りダウンフォースを削ることで知られているモンツァ仕様よりも薄いのではないか?
兎に角低温、タイヤを早く機能させることがキモ
市街地コース+ストップ&ゴーサーキット+高速コーナーが無いという部分はアゼルバイジャンのバクーに似たものがあります。
しかし一つ大きく違っている点を挙げるとすれば、それは気温と路面温度がかなり低いことです。
昨年のラスベガスGPは他のグランプリに比べてかなり気温が低かったです。
今シーズン1低温でのセッションに今年もなるでしょう。
兎に角ラスベガスでは、タイヤを適切な作動温度領域まで早く温めて、早くタイヤを機能させる。
この一言に尽きます。
予選においてはウォームアップが重要視されることは間違いありません。
昨年はメルセデスのラッセルが勝利したわけですが、メルセデスW14は冷えた路面で強さを発揮していました。
しかし、W15は暑いシンガポールで勝利を収めているので、路面温度による強さはあてになりません。
路面温度が低いコースでは、タイヤの攻撃性が高いチームのマシンが有利になると考えます。
攻撃性が高いということは単純に考えればタイヤは早くタレますが、その分タイヤを早く機能させることができるということを意味しています。
もう一点有利になる点をあげるとすると低速コーナーでは必須になるメカニカルグリップです。
ダウンフォースに頼らない、マシン構造そのものが持つグリップ力を持ったチームがこの週末を有利に戦えます。
その点でいくと、また同じようなチーム名が並びますが
マクラーレン・RBは低速域が強い(メカニカルグリップ有・トラクション掛かり〇)という共通点があります。
前述のメルセデスはあてにならないとは言えシンガポールでの低速域のパフォーマンスを見る限りでは悪くないですが、セッティングが真逆なのでどう捉えていいものか・・・



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