金曜セッションではマクラーレンが連続で1-2を決め、今週も優位性を見せました。
ルクレールはFP1・2共に3番手に入り、連続表彰台に向け好スタートを切りました。
逆にメルセデスとレッドブルは苦戦が予想されるようなスタートを切りました。
レッドブルは土曜セッションで復調するというケースがよく見られるので、どこまで修正できるかが注目されます。
マクラーレンに手が付けられない、レッドブルは重症
気温26.5℃、路面温度46.5℃でセッション開始です。
セッション前半は、マクラーレンに加え、中団チームの一部がコースイン。
しかし、いきなりソフトは使わず、ミディアム又はハードタイヤでのスクラブ(皮むき)が中心。
セッション開始20分近辺になると、ソフトタイヤを履いて次々とコースイン。
予選に向けたシミュレーションが始まります。
マクラーレンはこのセッションでも、パフォーマンスを発揮。

2台とも14秒台を叩き出し、全てのセッションで1-2を達成しました。

フェラーリはルクレールが3連続3位と健闘も、2位ノリスに対して0.399秒も離されてしまっています。
0.4秒差ともなるともうどうしようもない差です。
アップデートによりマシンの安定感が良くなってきているだけに歯がゆい結果です。
ハミルトンはよりハイダウンフォース仕様のリアウイングを使用。
ルクレールに続くもその差は大きいものです。
5位には旧サスペンションを使用しているアントネッリです。
旧型サスペンション使用で不調脱出なるか?
6・7位にはアロンソ・ストロールのアストン組、FP2に続いてのトップ10入り。
8位ラッセルは今一つ上向いてきません。
9・10位はボルトレート・ヒュルケンベルグのザウバー2台。
今回もQ3に進出して連続でポイントを狙いたい。
ここ最近上向き気味のザウバーならそれは十分に可能です。

さて、いつもであれば土曜セッションで大体持ち直してくるレッドブルですが、今回はどうやら重症の様です。
フェルスタッペン12位、角田19位と予選に向けて不安となるフリー走行でした。
両者共に無線で不満を訴えていました。
アンダーが酷いようです。
前回のベルギーのような高速サーキットでは、リアウイングを削っても、新型フロアによるグランドエフェクトで誤魔化しは利きましたが、今回のような低速サーキットは元々苦手としているマシンです。
セッティングを当てないと速さを発揮できないマシン、そしてレッドブルRB21はセッティングのウインドウが非常に狭いのではないかと考えます。
そしてもう一点付け加えるとすれば、根本的なメカニカルグリップ不足が挙げられるでしょう。
路面温度を読め!まさかの結末
前半戦最後の予選が始まります。
気温29.5℃、路面温度48.2℃でセッション開始です。
Q1
先ずはウィリアムズの2台がコースイン。
サインツ18.282、アルボン17.441。
フェルスタッペン16.346、角田15.534。
ノリス15.927、ピアストリ15.554、ハミルトン15.749、ストロール16.135。
アロンソが15.979、ルクレール16.216、ハジャー16.052、ローソン16.350。
アントネッリ15.792、ラッセル15.627、ボルトレート16.284。
サインツが2度目のアタックも16.469、アルボンは16.448
今週のウィリアムズは厳しいか。
ストロール15.673、アロンソ14.281。
対照的にアストンのパフォーマンスが素晴らしい。
アロンソは背中痛でFP1を欠場したとは思えない走りです。
ピアストリが15.211アロンソからすぐさまトップタイムを奪い返す。
ノリス15.523、フェルスタッペン15.736、角田15.891。
フェルスタッペン6位、角田8位今週不調のレッドブルはQ2へ進出できるか?
ハジャー15.516、ボルトレート15.586、サインツ15.652。
ハミルトン15.733、ルクレール15.582。

ローソンが15.849、これにより暫定15位の角田は弾き出されQ1敗退。
Q1ではアルボン・ヒュルケンベルグ・オコン・ガスリー・角田の5名が敗退です。
Q2
アロンソがいきなり15.395、ストロール15.680、ベアマン15.987。
アントネッリ16.386、ラッセル16.057、メルセデスの2名は中古ソフトでファーストアタック。
ローソン16.156、中古ソフトのボルトレートは16.331。
ハジャーは15.751、フェルスタッペンは中古ソフトで16.087。
ノリス14.890、ハミルトンは中古ソフトで16.201。
ピアストリ14.941、ルクレールもまた中古ソフトで16.185。
フェラーリのファーストアタックはQ3進出ボーダーライン、ラストアタックを決められるか?
ストロール15.129、ベアマン15.694、ルクレールは15.455、ハミルトン15.702。
ローソン15.630、ハジャー15.469。

アントネッリ15.693を記録もトラックリミット超過でタイム抹消、Q2敗退が決定。
ラッセル15.201、フェルスタッペン15.547、ボルトレートは15.687。
なんとハンガリーが得意なハミルトンはQ2敗退、前半戦が終了しようとしているにも関わらず中々波に乗れない。

マシンが不調でもきっちりQ3を決めて来るあたりフェルスタッペンは流石です。
Q2ではアントネッリ・コラピント・サインツ・ハミルトン・ベアマンの5名が敗退です。
アントネッリはタイムが記録されていても11番手タイム、フリー走行の様には上手くいかなかった。
Q3
セッション開始前は約50℃あった路面温度は、Q3開始前には39.5℃と10℃以上下がった。
局所的に雨雲もかかり始めている。
路面が冷えたことで、フェラーリは苦戦気味、逆にアストンは急上昇、この勢いはQ3でも継続できるか?
ストロールは16.666を記録もトラックリミットでタイム抹消。
アロンソは16.025、ローソン16.649、ルクレール16.630。

ノリス15.484、ピアストリ15.398、やはりマクラーレンがポールか?
ボルトレート17.133、ラッセル15.632、フェルスタッペン16.187。
ストロールが一足早くラストアタックに入る、タイムは15.498。
アロンソは15.481でストロールを僅かに上回ってきた。
ルクレールのラストアタック、決め切れるか?
ステアリングのミスが無い、コーナリングもスムーズだ、セクター2のデルタはマイナス表示。

そしてマクラーレンと大差を付けられるセクター3、このアタックも例外なくセクター3で後れをとる。
しかしタイムは15.372で暫定トップを記録。
ラッセルは15.425、フェルスタッペンは15.728。
マクラーレンの2台が後ろでラストアタックに入っている。
しかし、局所的に降る小雨に足を取られたか?両者ともにセクター1・2共にプラス表示。

なんとマクラーレンの2台はタイムを更新できず。
なんとルクレールがポール対決を制した!

無線でポールを告げられたルクレール自身も驚きを隠せない様子。
天気と路面温度が勝負を左右

ルクレールが今季初ポールポジションを獲得。
今回は予選中に路面温度が急激に下がり、タイヤの熱管理が勝負を左右した。
ルクレールはポールポジション獲得も、それぞれがベストラップをQ3で記録していた場合、ルクレールは実質5番手タイム。
今回は上記の通り天気と路面温度に救われた。
しかしハンガリーはトラックポジション重視のサーキットなので、ここでポールを獲れたことに大きな意味がある。
新型サスの機能も大きな要因の一つとも考えられるが、そもそもフェラーリのマシンはターンインが鋭く、メカニカルグリップの高いマシン。
安定感(ドライバビリティ)が増せばこのマシンの限界はもっと引き出しやすくなるだろう。
対照的にハミルトンはアップデートの理解に悩まされ続いている。
マクラーレンは圧倒していたにも関わらず、最後の最後で足元をすくわれた。
アストンは今週フリー走行からずっといい。
アロンソは最終的に5番手に落ち着いたが、一時暫定トップを走るなど素晴らしい走り。
アストンのマシンが何故速かったのかは、今後分析していかなければならない。
レッドブルはマシンパフォーマンスの修正が掛けられず、ずっと不調。
フェルスタッペンですら8位という酷さ、低速サーキットが苦手と言ってもいくら何でもこれは無いだろう。
レースペースも期待薄、決勝でも苦戦を強いられることになるでしょう。
逆にボルトレートはフェルスタッペンを破っての7番手、今シーズン開幕時点のマシンパフォーマンスを知っている人からすれば、信じられないくらいの躍進。
ピークダウンフォースよりも安定感に開発方針の舵を切ったザウバーの大勝利と言えるだろう。
前半最終戦、ルクレールが今季初勝利を掴むことができるのか?
それとも波乱が起きるのか?
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