マクラーレン2024年マシンMCL38。今年は開幕から優勝争いに

マシン分析

2024年型マシンの新車発表も残すところ2チーム。

今回はマクラーレンMCL38の紹介になります。

昨年は、開幕こそ中団で争っていたものの、大規模なアップデートを数回に分けて取り入れ、その全てが機能し中盤から後半にかけては大躍進を遂げました。

そのマシンパフォーマンスは、時にはレッドブルを凌ぐほどの速さで、優勝争いをも可能にするのではないかといえるくらいでした。

昨年の大躍進の要因はどこにあるのか。

アップデートを探ったうえで、新車にはどんなパフォーマンスが期待できるのかを見ていきましょう。

最もパフォーマンスが伸びたマシン

2022年の開幕はテストでは調子が良かったものの、ブレーキに問題を抱え出遅れ。

昨年はマクラーレン60周年を記念したMCL60もマシンパフォーマンスの不足により、開幕で出遅れという事態に陥りました。

MCL60はデザインこそレッドブルに最も近いチームでしたが、フロアエッジのルール改正(最低高15mm増加)による解釈違いによって、そのデザインを機能させられませんでした。

状況改善のため前半戦につぎ込んだアップデートも不発。

その責任を取る形で、エグゼクティブ・テクニカルディレクターのジェームズ・キーがシーズン途中で離脱。

MCL60のサイドポッドのアップデ―ト

そんなチームもRB19のソリューションを続々と入れ、状況が好転。

オーストリアGPでサイドポッドのデザインをRB19に似せてきました。

サイドポッドインレットの下部をRB19のように張り出しを設け、更にはAMR23のようなスライダー形状も模倣してきました。

イギリスGP以降は中団からトップ集団へと抜け出し、カタールではスプリントでピアストリが初優勝。

中盤戦以降が好調だった要因としてはフレキシブルウイングを使用しなかったことにあるでしょう。

空力パーツの柔軟性の検査が厳格化されたことにより、一部のチームはウイング設計の見直しを余儀なくされましたが、マクラーレンはその影響を受けていません。

マクラーレンはリアサスペンションはプッシュロッドでこれもRB19と同様です。

PUはメルセデスからの供給ですが、ギアボックスは自社製造なので設計の自由度があり、他のメルセデスPU勢とは違ったサスペンションレイアウトを組むことができました。

しかし、レッドブルのソリューションを模倣したにも関わらず、弱点であったストレートスピードは最後まで改善されませんでした。

ドラッギーな空力特性と、パワーの無いメルセデスPUが原因で高速サーキットでは、レッドブルやフェラーリに置いて行かれる始末でした。

MCL38

マクラーレンの新車発表はいつ始まるのかも未定だったので、気付いた時には終わっていたという感じでした。

全体的に手短で、欲しい情報があまり手に入らなかったというのが正直なところです。

発表前から既にカラーリングが発表されていたというのもありましたが、見た感じ全体的に去年とはそれほど大差が無いように見えます。

しかし、気になったところは昨年あれだけ真似をしていたRB19のサイドポッドをMCL38では取り入れていないように見えます。

MCL38のサイドポッド周り

サイドポッド周りがカーボン地だから見えにくいというのもありますが、少なくともMCL60には確認できたサイドポッドインテーク下部の張り出しは無いように見えます。

正面から見た時に、どちらかというとアルピーヌA523のような、インテークが狭く内側に寄ったようなデザインになっています。

A523の正面画像

しかしアルピーヌは昨シーズン途中でこのサイドポッドのデザインを止めて、幅広のものに変更しています。

マクラーレンも同じような流れになるとアップデートに大きな遅れが生じてしまうことになってしまいます。大丈夫でしょうか?

サイドポッド上部にはスライダー形状が引き続き設けられた。

サイドポッド上部のスライダーは昨年型MCL60に続き設けられました。

ただ、昨年と比べると傾斜は緩やかになった模様。

ストレートのトップスピードに与える影響が大きかったのでしょう。

正直地味だった新車発表。

これは何かを隠し持っていると考えるべきなのでしょうか?

開幕からチャンピオン争いに期待

昨年の開幕は、2022年同様に躓きました。

しかし後半戦から徐々にマシンの戦闘力が上がり、気づけばトップランナーの一員としてレースを盛り上げてくれました。

今年は開幕からチャンピオン争いに加われることを期待します。

ですが、あのサイドポッド形状は正直なところ心配です。

フェラーリ同様マクラーレンもF1界では非常に伝統あるチームの一つです。

しかし、最後のドライバーズチャンピオンは2008年のルイス・ハミルトン

コンストラクターズに至ってはハッキネンがいた1998年まで遡らなくてはなりません。

チームにとっては、ある意味フェラーリよりもチャンピオンから遠ざかってしまっているとも言えます。

なので開幕から優勝争いに絡むことができるかはそれだけ重要なものとなってきます。

しかし、今のマクラーレンならそれは可能だと思います。

マシンの素性が良いだけでなく、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリという若くて非常に実力を持ったドライバーがいるからです。

全体的にフレッシュな感じになったこのチーム

大いに期待できると思います。

他の新車発表はこちら

スクーデリア・フェラーリ2024年マシンSF-24。コンセプト一新で狙う王座奪還 – アルボンノート (albonnote.com)

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