先日のメキシコGPではサインツがフリー走行から終始良いパフォーマンスを見せて完全優勝。
オーストラリア以来のシーズン2勝目を飾りました。
1か月間の秋休みの間に予選でのタイヤの使い方を研究していたそう。
アメリカからフェラーリの両ドライバーのパフォーマンスの良さにも納得です。
フェルスタッペンは思ったよりペースの無いマシンで決勝は苦戦。
ノリスに対して押し出しを連発し計20秒ものペナルティを貰い、レースを台無しにしてしまった。
ペレスもパッとせず、角田は1コーナー前でクラッシュしリタイア。
ローソンはコース上のマナーが悪いと、レッドブルグループにとって最悪な週末となりました。
今週は5度目のスプリントレースが予定されているフォーマットです。
フェルスタッペンスプリント5連勝なるか?
ウイングセッティングの確認
久々にウイングセッティングの確認ができました。
早速見ていきましょう。
先ずはフェラーリ、レッドブル、メルセデス、アストンマーティンの4チーム。
インテルラゴスは、テクニカルなコースでありながら、ホームストレートではトップスピードの高さにも必要になります。
メキシコほどではありませんが、空気が薄いのでダウンフォースの効きが通常に比べれば悪いです。
画像の4チームを見る限りでは、ハイダウンフォースに寄せたセッティングとなっています。
フェラーリはトップスピードが高く、アップデートを通してフロアに対する理解度が増したおかげで、コーナリング性能も向上しています。
今現状のフェラーリであれば、大抵のコースは速く走れるマシンに仕上がっているはずです。
ブラジルはセクター2に入ると低速区間が中心になってくるので、今回のセッティングになったと考えます。
ダウンフォースをより発生させるためにロワフラップの前後幅は広めに取っています。
レッドブルも、フェラーリ同様ハイダウンフォースに寄せた格好となっています。
前回のメキシコでは、コーナリングに寄せたセットアップの結果、コーナーでは速かったものの、ストレートでは後続に簡単にパスされてしまったという反省点があります。
このセッティングはその反省を活かし、コーナリングでのダウンフォースを重視しつつも、ストレート区間で勝負できるよう、ミドルハイダウンフォースの仕様となっています。
翼端がフェラーリに比べ持ち上がっており、空気の当たる面積を狭めています。
メルセデスは、上記の2チームに比べるとダウンフォースを削った仕様になります。
メルセデスの強みはストレート区間のスピードと、低速区間の速さです。
しかしアップデート時に発生した欠点としてリアの不安定さを上げます。
前回のアメリカやメキシコのようなS字区間でその欠点は顕著に表れますが、今回S字区間と呼べるような場所はほぼ存在しません。
低速区間ではそれほどダウンフォースを要さないということでこのセッティングになったと考えます。
しかし、メルセデスはクラッシュによる修理費がかさみ。今期のアップデート終了を発表しています。
リアの不安定さという欠点が足を引っ張らなければいいのですが・・・
アストンマーティンのウイングはフラップをかなり立てたハイダウンフォース仕様です。
こちらもメルセデス同様ストレート区間では速いですが、コーナリングでもたついている印象を持ちます。
ストレートを犠牲にして、コーナリングに当てた方が速いという判断なのかもしれません。
続いてはマクラーレン、アルピーヌウィリアムズ、RBの4チーム。
マクラーレンはメルセデスに近いウイングセッティングになっています。
マクラーレンはコーナリング性能は群を抜いているものの、ストレートスピードは懸念材料であります。
アメリカから導入したフロアとフロントの空力関連のアップデートがあまり機能していなかったことも心配されます。
メルセデス同様、低速区間ではそれほどダウンフォースを要するわけではないので、今回のセッティングを採用したと考えます。
多少コーナリングを犠牲にしてもマクラーレンは十分に速く、今回はメキシコ以上のパフォーマンスが期待できると思います。
アルピーヌもストレートに振ったセッティングです。
前回久しぶりの入賞を果たしたアルピーヌ、今シーズンのマシンの最大の特徴は以前から離しているようにフロントの入りの良さです。
フロントノーズ下に取り込める空気量が多い為、フロントの入りが強い。
その為、リアダウンフォースを多少犠牲にしてでもフロントが入ってくれるという考えなのだと思います。
セクター2が低速区間ですが、トラクションの掛かりは前回ほど必要ないと考えていますので、それを加味してのウイングセッティングと考えます。
ウィリアムズは上記の2チームに比べると若干ダウンフォースを付け気味にしてきました。
後半戦に導入したマクラーレンのアップデートによって、コーナリング性能が向上。
しかし、前回のメキシコでのトップスピードはまさかの最下位を記録してしまいました。
ウィリアムズのマシンの最大の武器だったストレートのトップスピード。
それがコーナリング性能と引き換えに失われてしまいました。
かと言っていきなりダウンフォースを削ってしまうと曲がってくれないマシンなので、ダウンフォースを削り切れなかった。
そんなセッティングだと思います。
RBについては今回はミドルダウンフォースのセッティングです。
RBの最大の特徴は低速区間でのメカニカルグリップの良さ。
恐らくセクター2では速さのあるマシンであると考えます。
しかし、シーズン開幕当初から欠点であったドラッグによるストレートの伸びの悪さはシーズン最後まで改善されず。
フロントとのバランスもあるので今更変えることは不可能ですが、リアのフラップでダウンフォースを削っての対応になったと考えます。
オールドコース故の予選の難しさ
サーキットの名称はインテルラゴス・サーキット。
”インテルラゴス”の名前はラゴス(湖)とインテル(湖の間)という意味があり、20世紀後半に水と電気の供給の為に作られた2つの人工池のほとりにあることから名づけられています。
別名アウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ。
ブラジル出身で主にブラバムに所属していたF1ドライバー、1977年に飛行機事故で亡くなったホセ・カルロス・パーチェに由来しています。
全長は約4,309m。
このサーキットよりも全長が短いコースは、モナコ(モンテカルロ)と前戦開催のメキシコ(エルマノス・ロドリゲス)の2コースのみです。
メキシコほどではありませんが比較的高地にあるサーキット(800m)。
そして何より、ブレーキに掛かる負荷が高いことで知られています。
エンジン全開率は63%とそこまで高くはありませんが、ターン12ジュンカオンからターン1までストレートが続き、最高速は341km/hを記録します。
ターン1は路面の起伏が上りから下りに変わり、ブレーキングの際にロックしオーバーランするドライバーが多く見られます。
カレンダーの中では数少ない反時計回りのコース。
左コーナーが多く、ターン10途中からターン6までの間約3.5kmは左フロントタイヤの入力はほぼゼロ。
コース攻略のカギとしていかに左フロントタイヤを作動領域の温度までに持っていくことが重要になります。
オールドサーキット特有のコース幅が狭いレイアウトのため、予選ではトラフィックに注意が必要です。
特にセクター2~3の区間にかけてアウトラップ中のマシンに引っ掛かると、大きなタイムロスになります。
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