ルクレールの感動のモナコ初優勝から早2週間が経とうとしています。
この2週間の間にドライバーズマーケットにも大きな動きがありました。
まず、モナコでチームメイトのガスリーと同士討ちをしてしまった、オコンが今シーズン限りでのアルピーヌ離脱が決定いたしました。
F1での初優勝をこのアルピーヌで決めたオコン。
ガスリーとの確執はあったものの、これで離脱は勿体ないような気もします。
続いて、ペレスがレッドブルと新たに2年契約を延長しました。
これで少なくとも2026年まではレッドブルに乗り続けることが決まり、その他の昇格候補のドライバーは昇格する可能性が消滅しました。
角田も候補に挙げられていましたが、他の道を探さなくてはなりません。
一応昇格候補の一人であったリカルドは一体どうするのでしょうか?
今年は早い段階からドライバーズマーケットに大きな動きがあります。
7戦イモラから始まったヨーロッパラウンドはここで一旦アメリカ大陸に移動。
F1第9戦カナダGPが始まろうとしています。
ルクレールファンの私としてはまだ勝利の余韻に浸っていたいところですが、シーズンはまだまだ序盤戦なのでそういう訳にはいきません。
そして、モナコとは違い、カナダのジル・ヴィルヌーブサーキットは、ストレートの伸びが重要なサーキットです。
対照的なコースなので、モナコで苦しんだチームはここでは好結果が望めるかもしれない。
その逆もまた然りですが。
今回もウィークエンド前のマシンの確認に入っていきましょう。
ウイングセッティング
ウイングセッティング確認に入る前に。
カナダはセクター3でロングストレートを有しており、高速コーナーと言えるような区間は皆無なので、ここでは当然ローダウンフォースセッティングを持ち込むチームが多くなるはず。
とお思いの方も多いと思いますが実は意外にもそうではありません。
カナダはストレートが長い分、リアタイヤに掛かるダメージが思っている以上に大きいです。
結局タイヤを持たせ切ることができず、ずるずると順位を落としてしまうというパターンに陥るケースも見られます。
ということを加味したうえで確認をしていきましょう。
早速トップチームの間ではリアウイングセッティングが分かれています。
レッドブルとマクラーレンはハイダウンフォース仕様。
レッドブルは元々タイヤに優しいマシンの為、もう少し削るレベルでも十分に速いと思いますが、DRSデルタが非常に良いので恐らく他のサーキット同様ダウンフォースを付け気味にしたのかもしれません。
マクラーレンに関しましては、レッドブルとは逆でタイヤの攻撃性が高いマシンなので、ハイダウンフォース仕様にし、少しでもタイヤを労わることを選択したのかもしれません。
しかし、この2チームがハイダウンフォースを選択したのには恐らくもう一つの理由が考えられます。
今週末のカナダは雨予報です。
それを見越してのウイングセッティングだということも考えられます。
フェラーリについてですが、今回はミドルダウンフォース仕様です。
こちらもレッドブル同様にタイヤに優しいマシンですが、少なくともレッドブルよりはダウンフォースを削った形になっています。
極端に付けた訳でもなく極端に削ったわけでもない。
もしかするとフェラーリは、ドライでもウェットでも両方対応できるような対処にしたのかもしれませんね。
この3チームとは逆にメルセデスの場合はローダウンフォース仕様のものを持ち込んできました。
こちらもマクラーレン同様にタイヤに対して厳しいマシンですが、それにも関わらずダウンフォースを削った格好です。
あくまでもストレートでのパフォーマンスを優先させた上での判断でしょう。
しかし、この場合雨が降ってきてしまうと苦戦は必須なのである意味ギャンブル的なセッティングのようにも思えます。
情報によるとメルセデスはここに新しいアップデートを投入とのことなので、ある意味今シーズンをどう戦っていくかを決めることになる重要な一戦となりそうです。
では次に中団勢のセッティングを確認していきましょう。
アルピーヌはハイダウンフォース仕様、それ以外のチームはダウンフォースを削ったローダウンフォース仕様となります。
ここ数戦入賞圏内を走っているアルピーヌ。
前回のモナコは課題であるストレートスピードという部分が一切出なかったコースなのでポイントを無事に獲得することができました。
ロングストレートがあるカナダでどのようなパフォーマンスになるか注目です。
逆にアストンマーティンはここ数戦苦戦気味。
中団勢に引けを取ることもあり、トップ5陥落のピンチです。
しかしパフォーマンスに目を向けてみると、ストレートのトップスピードがウィリアムズに次ぐレベルの速さを記録したり。
また決勝では、デグラによるタイム悪化が何故か非常に少ないという、パフォーマンス的にはもう少し上の順位を争っていてもおかしくないはずなのですが・・・
アストンマーティンも他のメルセデス勢同様リアの挙動が不安定という欠点を持っていますが、今回はストレートスピードを優先してかダウンフォースは少なめの仕様です。
RBもアストン同様ダウンフォースが少なめの仕様です。
予想ではRBはこのサーキットを苦手としているマシンだと聞いています。
確かにRBは同じPUを積んでいるはずのレッドブルに比べてストレートスピードが遅いです。
特に何度も同じことの繰り返しになりますが、フロントノーズが高いことによる前面投影面積が広いこと。
翼端板の大きさも他のチームに比べて大きいことも懸念材料の一つです。
最後に紹介するのはウィリアムズ。
モナコではアルボンが今シーズン初入賞を記録。
予選タイムも中団マシンにも関わらず1分10秒台を記録。
私の予想ではマシンコンセプトを見る限り厳しそうだという評価をしましたが、意外にも善戦。
判断を見誤ってしまいました(笑)。
モナコでの好調の要因は軽量化にあったみたいです。
あれだけストレートでのパフォーマンスが良かったのに重かったんだ!?と思わず驚きました。
よくよく考えてみると逆にコーナリングでもたついていたのはマシンが重たかったからなんだ、という風にも思いました。
軽量化がマシンに与える影響はやはり大きいですね。
ウイングセッティングの方を確認すると、やはりストレート重視か。
かなり薄めのものを持ち込んできました。
ウィリアムズの欠点もリアが不安定で乱れるとどこに飛んでいくか分からないという挙動。
しかし今回はリアの挙動を制御できるよう、フェラーリ同様にサイドエッジの後部に切り欠きを設けました。
これでリアセクションに向けて流れる気流は整流できるはずです。
フロアエッジの切れ込みは少なく、発生する渦は他のチームに比べて弱いとはいうものの、欠点であるリアの挙動改善に対して大きな意味を成すものだと私は考えます。
追い抜きが容易なコース
次にコースレイアウトの確認です。
見た通り典型的なストップ&ゴーサーキットです。
路面はかなり汚れているので、最初の内はタイムは全く出ません。
しかし、それと同時にトラックエボリューションがかなり良いということを意味しています。
予選は今回も後出しが有利になってきます。
一番のオーバーテイクポイントはヘアピンをクリアした後のロングストレートでしょう。
最高速度は350km/h近くになります。
ヘアピンをクリアするまでに、前走車との距離を詰めてDRSを使ってオーバーテイクを決めるのが理想的な形になります。
万が一そこで抜けなくとも、ウォール・オブ・チャンピオンズを抜けた後にもう一つDRSポイントがありますので、そこで抜くことが可能です。
そこでも抜けなければ、1コーナーのブレーキング勝負に持ち込むこともできます。
とオーバーテイクポイントは沢山存在しています。
鬼門は最終コーナー
このサーキット、典型的なストップ&ゴーサーキットでモナコほど難しいコースとは決して思えません。
しかし、F1ファンならご存じの通り最終コーナーに、鬼門が存在します。
ウォール・オブ・チャンピオンズ(Wall of Champions)です。
日本語に訳すとチャンピオンの壁、という意味になります。
この最終コーナーのシケインでは、ミハエル・シューマッハやジェンソン・バトンを始めとした歴代チャンピオンの多くが餌食となっています。
縁石に乗りすぎてしまうとマシンコントロールが不可能になり、コーナークリア後のコンクリートウォールに突っ込んでしまうという形になってしまいます。
モナコよりも簡単だからと言って油断は禁物でしょう。
しかも今週末カナダは雨が予想されていますので、今シーズン初のウェットレースになるかもしれません。
折角走り込んだとしても雨が降ってしまえば、ラバーが洗い流されてしまうので、トラックエボリューションによる路面改善の期待は薄そうです。
アメリカ大陸で開催されるレースは何処もそうなのですが、やはり一番の悩みはセッションの開催時間。
夜中の2時3時という日本ではもろに真夜中の時間帯なので、リアルタイムでの視聴がきついという点です。
私も何とか頑張ってリアルタイムでの視聴をしたいと思います。
リアルタイムでの視聴をされる方もお体には十分気を付けて下さい。
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