昨日行われたマイアミGPのスプリントレース、決勝レース予選。
入賞争いは荒れました。
容認できないようなバトルも少々見受けられましたが、テールトゥーノーズ、サイドバイサイドのバトルはやはりF1に限らずモータースポーツの醍醐味です。
後方でのバトルを他所にフェルスタッペン、ルクレール、ペレスの3名は淡々とレースを進め、殆どカメラに映らずにフィニッシュしてしまいました。
予選でもこの3名のドライバーによるポールポジション争い。
しかし今回もフェルスタッペンがポールを獲得し開幕から無傷の6戦連続のポール獲得。
このまま決勝も優勝するのか。
オープニングラップから激しい順位変動
スタートタイヤはハミルトン、アロンソ、マグヌッセン、リカルドの4名がハード
ボッタスのみがソフト、その他のドライバーはミディアムを履いてスタートします。
上位10名の中で唯一のハードスタートのハミルトン。
15位スタートのアロンソも同様ハードタイヤでアドバンテージを稼いでセカンドスティントにつなげたい。
レーススタート、ペレスがいきなりのオーバラン。
あわやフェルスタッペンに接触の危機。何事もなくて良かったです。
しかし、ペレスはこのオーバランによって5位に順位を落とす。
後方ではラッセルが10位、角田は9位に。
ピアストリは4周目にルクレールをオーバーテイク。
アップデートの効果かマクラーレンのペースが良い。
8周目辺りから8位のハミルトンから12位のガスリーまで、それぞれの差が1秒以内に収まるトレインが完成。
ハミルトンとヒュルケンベルグによる7位争い
7周目にハミルトンがヒュルケンベルグを抜くも、直後にミスを犯し順位が戻る。
3周後に再びハミルトンがヒュルケンベルグをオーバーテイクし7位に。
11周目から下位勢のピットインが始まる。
11周目アルボン、12周目ストロール、サージェント、ボッタス。
13周目にヒュルケンベルグとガスリーが入る。
ここまでに入ってきたドライバーは全員ハードタイヤに履き替えてコースに戻る。
ストロールはアンダーカットを狙いたい。
18周目からは上位勢が続々ピットに入ってくる。
ペレスがハードに、ルクレールも恐らくここで入る予定でしたが、ピットクルーの準備が間に合わないためそのままステイアウトです。
結局これが大事に至ることはありませんでしたが、今後こういったミスが命取りになるときが必ず来るので止めていただきたいところです。
21周目、フェルスタッペンがボラードを引きちぎりターン16の先に落としてしまいます。
普段ミスらしいミスを殆どしない超人のようなフェルスタッペンがまさかのミス。
ボラード撤去により23周目にVSC導入。
解除は早かったですが、フロントウイングにボラードをぶつけたフェルスタッペンがフロントウイングのチェックを無線で訴える。
見た感じ大したことはなさそうですが、今後どういう影響を与えるのか?
このVSCによりアロンソとオコンが漁夫の利を得てピットに入る。
角田はVSC直前にピットロードを通過してしまい止む無くステイアウトを選択。
タレてきたタイヤを引っ張ることになりずるずるとタイムを落とす。
28周目までに多くのドライバーがピットストップを終えて29周目。
ターン2でマグヌッセンがサージェントの右リアを引っ掛けるようにして接触!
サージェントはこの接触でスピンアウト、マシンを壊してしまいそのままリタイア。
この光景、前回の上海でも見たような気が・・・
それにしてもマグヌッセンはここ最近ひどすぎます。
結局マグヌッセンは裁定の結果10秒ペナルティ。
今年度中にペナルティポイントが溜まってしまうのではないでしょうか?
サージェントのマシン撤去によりセーフティーカーが導入されます。
このセーフティーカーがレースを左右することになるとは・・・
セーフティカー導入の明暗
このセーフティーカーの導入により漁夫の利を得たのはノリス、ペレス、角田の3名。
ノリスに至ってはセーフティーカーの隊列に抑えられず、余裕を持ってピットストップを行えた。
この辺りからノリス初優勝の芽が出始めてきます。
いつもであれば引っ張り続けて結局失敗してしまうというパターンを幾度となく繰り返してきたRB。
今回はその作戦が上手くはまった珍しいパターンです。
33周目にレース再開。
34周目にサインツとピアストリが接触。
両ドライバーはこの先も4位争いを展開。
角田はハミルトンに抜かれ8位に後退。後方に迫るラッセルは何とか抑えました。
4位争いを続けるサインツVSピアストリの勝負は40周目に動きを見せます。
ロングストレートエンドのターン17で両者は接触。
この接触によりピアストリはフロントウイングを壊し41周目にピットインを余儀なくされます。
サインツもここ最近荒々しい動きを見せます。
今年限りでフェラーリ放出が決まっており、何とか他チームにアピールをしたいという思いが先行し焦りを感じるような走りです。
レーススタート時には46℃まであった路面温度は40℃まで低下。
デグラによるタイヤ摩耗が早いマクラーレン(ノリス)は、ハードタイヤを上手く機能させて2位フェルスタッペンをどんどん引き離していく。
同じくデグラによるタイヤ摩耗が早いメルセデス(ハミルトン)もタイヤが上手く機能しているとご機嫌な様子で無線に訴える。
ここ最近パッとしないハミルトンでしたが久々にイキイキとしています。
しかし、これとは反対にタイヤに優しいレッドブル(フェルスタッペン)のペースが上がらず、無線で不満を訴える。
こちらはご機嫌斜めな様子。
こうなるとノリスには手が付けられなくなってきました。
独走態勢に入り初優勝のカウントダウンが始まります。
15位スタートのアロンソは漁夫の利もありポイント圏内の10位まで順位を上げる。
しかし前を走るオコンを数周に渡り抜きあぐね48周目に漸くパス。
今週は良くないアストンのマシン。しかしそれをこの順位まで上げてきたアロンソのテクニック。
開幕から最下位マシンと呼ばれ苦しみ続けてきたアルピーヌが5強の一角アストンのマシンを抑える。
結果的に抜かれましたが見応えのある勝負でした。
フロントウイングを交換し19位まで順位を落としたピアストリはごぼう抜きを始めるもチームから”落ち着くように”と無線で釘を刺されます。
ノリスの初優勝が掛かっているから下手に動いてセーフティーカーを出すな、ということでしょう。
ノリスはフェルスタッペンから7秒以上ものリードを築き待望の初優勝!
F1参戦6年目、110戦目での優勝です!
まとめ
今回はセーフティーカーによる明暗が大きく分かれたレース。
ノリスは過去に初優勝のチャンスを何度も手にしながらもすり抜けていく、という苦い経験を何度もしてきた。
しかし今回はマシンアップデート、レース展開(セーフティーカー等)、路面温度によるタイヤのデグラという好条件を全て活かし切りました。
セーフティーカーのタイミングは運の要素もありましたが、解除後のペースは見事でした。
ナイスドライビングです!
逆にチームメイトのピアストリはセーフティーカーさえなければサインツと絡むことなく4位を確保できたのかもしれません。
しかしセーフティーカーが無ければノリスの優勝が無かったことも否定はできません。
サージェントもマグヌッセンに引っ掛けられる不運があったとはいえ、尚更厳しい立場になってしまいました。
可哀想かもしれませんが結果が全ての世界。
生き残りたければ上位争いに絡んでチームにポイントを持ち帰ることです。
今回は特に何事もなく3位表彰台を獲得したルクレール。
私個人としてはルクレールに勝ってもらいたい。
ですが、勝てない時こそ確実に大量のポイントを重ねてチームに貢献してほしい。
今回も安定感のあるドライビング、ナイスでした。
アルピーヌは6戦目にして初入賞。
ここからはアップデート次第ですが、十分にポテンシャルを感じさせるマシンです。
どんどん上位争いに絡んでいってほしいです。
速いマシンには速いなりの理由がなり、遅いマシンもまた遅いなりの理由がある。
気になったのはマクラーレンとアストンマーティンのパフォーマンス。
1週間空いて次戦はいよいよヨーロッパラウンド突入。
その間にマシンの分析をしっかりして、次のレースを待ちたいと思います。
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