F1 2024最終戦アブダビGP持ち込まれたパーツ、セッティングの確認と予選決勝の展望

マシンアップデート分析

F12024年シーズンもいよいよ最終戦となりました。

今年はハミルトンのフェラーリ移籍というビッグニュースから始まり、ドライバーズマーケットに大きな動きがあった一年だったと思います。

ドライバーズチャンピオンはフェルスタッペンがラスベガスで決めてしまいましたが、コンストラクターズタイトルはここ、アブダビで全てが決まります。

ウイングセッティングの確認

今シーズン最後のウイングセッティングの確認に入ります。

https://twitter.com/AlbertFabreg

トップ4のウイングセッティングです。

マシンのポテンシャルによってセッティングが違っています。

特にストレートスピードに自信があるフェラーリはハイダウンフォース仕様。

ストレートが速い分、高速コーナーを苦手としているのでコーナリングに寄せたセットアップにしています。

横から見た時に、ロワフラップの前後幅は広く取り、アッパーフラップもかなり起き上がっていることが良く分かるかと思います。

夜になると路面温度が低下してくるので、熱入れが苦手なフェラーリがどういった対応を取ってくるかも焦点になります。

メルセデスはストレートに寄せたミドルダウンフォース仕様。

ストレートが速く、低速区間も速いメルセデスはストレートに振るというフェラーリとは逆のアプローチを取っています。

リアが不安定なのが気がかりな点ですが、路面は比較的新しくグリップが良く効くのでその点がどうなるか?

路面温度が低下してくる夜の時間帯が本領発揮となるでしょう。

マクラーレンとレッドブルですがドライバーに応じてウイングセッティングを分けています。

https://twitter.com/AlbertFabreg

マクラーレンの場合

ローダウンフォース仕様のフラップ角(新型?)のノリスのウイング。

ハイダウンフォース仕様のフラップ角(旧型?)のピアストリのウイング。

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レッドブルの場合

ローダウンフォース仕様のフラップ角、ペレスのウイング。

ハイダウンフォース仕様のフラップ角、フェルスタッペンのウイング。

とこのような感じで分けてきました。

どちらも共通して言える点はストレートスピードがイマイチだということ。

コーナリングはややマクラーレンの方が優れているか?

もしかすると、フリー走行を通じて、タイムが良かった方のセッティングを予選・決勝で採用してくる可能性も考えられます。

ただしそのためにはセッティングとタイヤコンパウンドを合わせて計測する必要があります。

それとも単なるドライバーの好みに合わせたウイングセッティングなのか?

真相は如何に?

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続いては中団勢の紹介。

こちらはトップ4と違い、ストレートに重きを置いたようなフラップ角度になっているチームが多いです。

特にアストンマーティンとアルピーヌのフラップが薄いでしょうか?

今シーズン度重なるアップデートも不発に終わってしまったアストンマーティン。

コンストラクターランキング5位は確定していますが、このままでは来季が心配なレースが続きます。

フロアエッジの開発に今年も苦戦し、マシンバランスやセッティングの出し方に苦労していた印象です。

アルピーヌはガスリーに集中してリソースを投入した甲斐あり、コンストラクターランキング6位に最も近いチームと目しています。

カタールのフロントウイングのアップデートが大きく、リアダウンフォースを削ってもバランスが取れているので、今回はこのセッティングで臨んでいると考えます。

ウィリアムズはドライバーのクラッシュが度重なり、旧パーツを使用せざるを得ない状況と現状最も厳しいチームとなっています。

ウイングはミドルダウンフォースですが、旧パーツを使わなければいけない状況もあり、マシンバランスを取るのに相当苦労することになりそうです。

RBもミドルダウンフォース気味のセッティングです。

前回のカタールではストレートも遅く、コーナリングでもじりじりと他のチームにも詰め寄られたりとどうしようもない状況でした。

低中速コーナーはメカニカルグリップがある為何とかなると思いますが、ドラッギーなマシンなのでストレート区間で引き離される可能性はあると思います。

コーナーでどれだけ稼げるかが焦点になってきます。

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最後にハースとザウバーの2チームです。

パワーのあるフェラーリPUを使用しているからなのか、両者ともハイダウンフォース仕様のウイングセットです。

前回のカタールでシーズン最終局面で漸く初ポイントを記録したザウバー。

カタールと似たような条件下なので今回も場合によってはポイント圏内に行けるのではないでしょうか?

ハースはストレートもコーナリングも中々の戦闘力を持っているマシンなので、こちらもポイントフィニッシュは期待できそうです。

そして両者に共通するもう一つの点は、2人のドライバー共に現所属のチームではラストレースになります。

余計良い走りを期待したいところです。

シーズンを締めくくるナイトレース。

総工費は何と3兆円ととんでもなく大金がつぎ込まれたサーキットです。

決勝レースは日没に始まり、レース中にナイトレースに突入します。

タイヤ負荷はそれほど高いわけではありませんが、レース中の路面温度が低下するため、タイヤマネジメントは重要な要素になってきます。

前戦カタール同様に砂漠地帯に作られているサーキットの為、雨が降る心配はなさそうです。

セクター1は高速コーナーが中心のサーキット。

セクター2はストレート区間、セクター3は中低速区間とセクター毎に要求されるものが違ってきます。

2021年のコース改修により低速区間は少なくなったものの、トラクションの重要度は高いです。

先述通り砂漠地帯にあるコースの為風によって砂がコース上に散らばる為、セッション前半は滑りやすいコースです。

その為金曜セッションの結果はあまり参考にならないでしょう。

予選のトラックポジションが重要視されているコース、2本のロングストレートがセクター2にはありますが、DRS無しでは非常に困難なものとなっています。

ピットレーンが複雑でピットアウトの際はコース下の地下トンネルを通過するという構造となっており、ピットでの混乱が予想されるため、例年1ストップ戦略が主流となっています。

長かった2024年シーズンもいよいよ最終戦です。

2023年は全く動きの無かったドライバーのシート、今年は移籍や退団するドライバーが多く見られます。

現所属チームでのラストランとなるドライバーの姿、しっかりと目に焼き付けておきましょう。

結果は勿論ですが、全ドライバーが完走して無事にシーズンを終えられますように。

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