マイアミGPが開幕しました。
典型的なストップ&ゴーサーキットのレイアウト。
立ち上がりのトラクションがかなり重要です。
低速コーナー中心のこのコースでは、メカニカルグリップも無いと苦戦は必須です。
高い気温もあり、タイヤ等の熱管理にも気を付けなければなりません。
レッドブルのアップデート第2段階
今回のグランプリには約6チームがアップデートを敢行してきたそう。
私がその中でも特に注目したアップデートを紹介していきたいと思います。

レッドブルが噂通り、アップデート第2弾を投入してきました。
内容は主にフロア周り、先ずはフロアエッジから。
こうしてみた時にエッジ切り欠きのフィン1枚1枚が大きくなているように見えます。

こちらが前回サウジアラビアまでのフロアエッジ構造です。
エッジのフィンの形が明らかに変わっていますね。
この5枚のフィンを使ってアウトウォッシュを発生させる。
そしてこの5枚のフィンが合わされことで強力なアウトウォッシュを発生させていました。

今回のアップデートは局部的により強力なアウトウォッシュを発生させるためのアップデートではないでしょうか?

今回はフロアフェンスの最適化を図ってきたようです。
前戦に比べて内側のフェンスがより前に付き出しているように見えます。
しかしフェンスの曲線は急下降するような仕様のままのように見えます。
レッドブルは車高変化に弱いので先ず変えるとしたらそこからではないでしょうか?

アストンマーティンはフロントウイングを中心に変更。
先ずノーズとメインフラップを分離しました。
これによりウイング下に流れる空気量が多くなる、そうすると必然的にフロントダウンフォースが強くなります。
アンダー気味だったアストンのマシンにとって良いアップデートになるはずです。
もう一点は最上段フラップの形状変更。
畝っていたフラップ形状はシンプルな形になりました。
従来のフラップ形状はタイヤの手前が盛り上がっていましたが、翼単に向けて下がり塩梅にすることで、タイヤ前の気流は前回よりもきれいになるはずです。
そうすればフロントの回頭性も変わってくるはずです。
FP1残り数分で赤旗終了
今回はスプリントフォーマットなので、唯一の走行練習となります。
フェルスタッペンには新型フロア、角田は旧型フロアでセッションに臨みます。
比較という意味合いだと考えます。
RBを除く全車はミディアムタイヤを履いて予選練習に入ります。
終盤はソフトに替えて再びアタックに移っていました。
フェルスタッペンのアップデートはどうも良さそうに見えます。
それは立ち上がりの蹴りだしで安定感が出ているからなのでしょうか?
ソフトタイヤでのラストアタックは3番手を記録。
フェラーリはルクレールが2番手もハミルトンは13番手と未だに振るいません。

残り4分のところでベアマンがセクター1でクラッシュし赤旗のまま終了です。
ノリスはピットアウトの際にコックピット内に残っていた工具を投げ出すアクシデントです。
ラストアタックもベアマンの赤旗で中断、12位でセッション終了です。
しかしピアストリが昨年のポールタイムを破るタイムを記録しトップでセッションを終えているので、今回もポテンシャルを持ったマシンであることには違いありません。
2位を記録したルクレールに対して0.356秒もの大差をつけています。
今回もポール争いの大本命となりそうです。
角田は8番手を記録、新旧フロアの違いはあるとしてもフェルスタッペンに約0.6秒差を付けられています。
ウィリアムズ2台が好調そうです。
サインツ4位、アルボン5位とQ3に2台とも余裕で進めそうです。
SQ ピットレーン、トラフィックパラダイス。
スプリント予選は気温29℃、路面温度49℃とかなり高い温度下で始まりました。
SQ1
フェルスタッペンが27秒953で暫定トップに。
ハミルトンは28秒231、ルクレールは28秒364と伸びません。
ここでノリスが27秒890でタイムを更新していきました。
ピアストリは28秒156でフェルスタッペンには届かず3番手タイムです。
アントネッリが27秒858でノリスのタイムを更新、これは予想していませんでした。
ラッセルは28秒191、アントネッリを超えられず。
角田はファストアタックでブレーキングをミスし良いタイムが記録できない。
このままではSQ1敗退、ラストアタックに賭ける。

しかしラストアタックでピットは大渋滞、ピットアウトに時間を要してしまう。
アウトラップは果たして間に合うのか?

アウトラップを急ぐもラストアタックに間に合わず・・・角田は無念のSQ1敗退。
ピアストリは27秒951でタイム更新、ラッセルも27秒580でアントネッリを上回り首位でSQ1通過。
SQ1はベアマン・ボルトレート・角田・ドゥーハン・ストロールの5名が敗退。

ドゥーハンは思い通りにいかない、無線に不満をぶつける。
彼のこれまでの成績を見ていると時間は残っていない、そう感じます。
SQ2
フェルスタッペンがまたも最初にアタックを仕掛け27秒729。
そこからアントネッリが0.002秒上回る。
ラッセルのアタックは27秒789と両者を僅かに上回れなかった。
レッドブルはセクター2後半から3の直線区間で差を付けられてしまう。
やはり課題はストレートスピードなのです。
アルボン28秒164、ハミルトン28秒310
ノリスが27秒537でトップタイムを塗り替えるも直後にピアストリが上回る27秒354。
ルクレールも27秒811、27秒台に乗せるもマクラーレンとメルセデスからは大きく後れを取る。
フェラーリはフラップ角を付けているため、こちらもストレートで伸び悩んでいます。
フェルスタッペンはセカンドアタックで27秒248、しかしノリスにまたも更新される27秒109。

アロンソはラストアタックで27秒766、フロントウイングアップデ―トを活かしてSQ3進出です。
ハジャーも27秒773で10番手タイムを記録しSQ3へ。

サインツはセクター2でブレーキングをミス、結局タイムを記録できずSQ2敗退。
SQ2はサインツ・ローソン・ガスリー・オコン・ヒュルケンベルグの5名が敗退。
ここまではノリスがリードする展開、しかし上位勢の差は詰まっている。
逆転はあるのか?
SQ3
フェルスタッペンとラッセルが最初にコースインです。
フェルスタッペン27秒070、ラッセルは26秒791。
26秒にいきなり乗せて暫定1位を確保です。
他のドライバーは一向に出てこない・・・ワンアタックに全てを賭けます。
まず最初に出てきたアルボン27秒193、アロンソは27秒790。
ハミルトンは27秒030。

フェルスタッペンが2度目のアタック、タイムは26秒737、ラッセルを上回った。

後ろからアントネッリが来る・・・タイムは・・・26秒482!!
フェルスタッペンを大きく上回ってきた、これでアントネッリが暫定首位。
しかしまだトップチームのアタックはこれから。

ノリスのラストアタックは0.1秒足りない。

続いてもう一人のマクラーレンドライバーピアストリがラストアタック。
タイムは・・・26秒527と0.045秒及ばず。
ルクレールは26秒808で6番手フィニッシュ。
誰もアントネッリを上回ることができなかった。
アントネッリ、キャリア初ポール。
驚異の新人アントネッリ

ということで今回のポールはアントネッリとなりました。
スプリント予選とは言え、18歳252日でのポールポジション獲得で市場最年少ポールを更新。
セバスチャンベッテルが2008年のイタリアGPで記録した21歳72日をたったデビュー6戦で塗り替えてしまった。
メルセデスはマクラーレンに寄せている部分が多いマシンです。
なのでセットアップを決めることができればマクラーレンを食えるということが今回証明されたと思います。
フェルスタッペンはクリーンエアーを望んだため、他のマシンより早めに出て、アタック回数も増やしたわけですが、その分多く積んだ燃料が足かせになってしまったようです。
マクラーレンはバンピーな路面だと優位性が小さくなる?
車高変化に対して柔軟なマシンのはずなので、セットアップに若干のミスがあったとも考えられます。
フェラーリは今回上記の3チームに後れを取ってしまっています。
低速でのターンインが昨年ほど鋭く無い、ストレートはフラップを立てているので伸び悩んでいる。
今回は厳しいレースを強いられるかも知れません。
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