いよいよカナダグランプリが始まります。
3日間とも雨予報ですが果たしてフリー走行をまともに走れるのでしょうか?
またここは、アストンマーティンのストロールにとっては母国グランプリになります。
雨や荒れたレースに強いストロールの本領発揮となるかが注目されます。
FP1予報通りの雨
FP1開始前からサーキットは雨。
セッション開始時刻になっても誰一人とピットから出ようとしません。
それもそのはず、路面には酷い水溜りができています。
セーフティーカーとメディカルカーが路面状況の確認の為にコースで走行を続けます。
マシンの確認の際に触れましたが、やはり路面がかなり汚れています。
オコンの代わりにFP1を走ることになったジャック・ドゥーハン。
F1マシンに乗る貴重な時間がどんどん奪われていきます。
現地の情報によると午後1時55分にピットレーンをオープンするとのこと。
残り38分にハミルトンが20台の中で最初にコースイン。
こういう時はハミルトンが一番最初に出てきてくれる気がします。
鈴鹿の時のFP2も雨だったのですが、その時もハミルトンが最初にコースインしてくれたのを思い出します。
コースインをしてスタンドに向かって手を振ってくれています。
ファンを大切にすることも大事です。
この頃には雨は完全に上がり晴れてきました。
金土日と雨予報なので貴重な晴れかも知れません。
残り28分、周がマシン左側をバリアにぶつけてしまいコース脇にマシンを止めることになってしまいました。
どうやら原因はアクアプレーニングによってマシンの制御が不能になった模様。
マシン撤去の為に赤旗が提示されます。
残り23分になったところで再びセッション再開。
コース上にマシンが続々と出ます。
晴れてきたお陰で路面は乾いてきました。
レコードラインが確認できるほどです。
残り6分、ルクレールを筆頭にソフトタイヤを履いてコースインするマシンが出てきました。
地元出身のストロールもコースインしファンに手を振ります
残り2分を切ったところで漸くドゥーハンがコースインです。
しかし、汚くて濡れた路面とスリックタイヤを履いている影響もあってかコースアウトするマシンが続出です。
マシンがグラベルに突っ込んだ際には大量の水しぶきが上がります。
あれだけ水しぶきが上がるということは結構な量の雨が降っていたんだと思います。
結局このセッションはマクラーレンのノリスがトップタイムをマーク。
そこにフェラーリのサインツとルクレールが続きました。
タイムを出しに行った走りではないのであてにはなりませんが。
FP2は実質30分
FP2も雨が予想されていましたが、意外にも雨は降っておらず、曇りでのセッションスタート。
ウェット宣言も出されていませんので、セッション開始と同時にドライタイヤを履いてコースに出ていきます。
しかし、FP1でオコンの代役として出走したドゥーハンにとってはあまりにも気の毒でした。
路面の感触を確認してアタックラップに入ります。
しかし開始して数分後にルクレールがタイヤトラブルの為すぐさまピットイン。
原因は分かりませんでしたが大事に至らなくて何よりです。
ほぼ全てのチームがロングランを敢行、最初は1分20秒台だったタイムも走行を重ねるにつれて1分10秒台後半に突入します。
ロングランとは言えこのサーキットはトラックエボリューションがいいので、走れば走るほどタイムが良くなっていきます。
このセッションではアストンマーティンのアロンソが1分15秒台に乗せトップタイムをマーク。
次にメルセデスのラッセルが入り、3位には地元カナダ出身のストロールが入りました。
この2チームは、フリー走行の時は調子が良いのですが、どうも予選決勝となるといまいちタイムが伸びてきません。
このフリー走行で何かきっかけをつかんでもらえればと思います。
メルセデスこのレースに持ち込んできたアップデートパーツは、現時点では機能できているとみることができます。
セッションが30分を経過した直後に雨が降ってきてしまいました。
やはり雨だとあまりコースに出たがりません。
タイヤセット数が決められているからです。
スリックは13セット(ソフト8、ミディアム3、ハード2)
ウェット7セット(インターミディエイト4、フルウェット3)
計20セットです。
今回のように全セッション雨予想だからといってウェットタイヤのセット数が追加されるわけではありません。
ウェットコンディションの走行にも慣れておく必要がありますがだからと言って、無闇にタイヤを使う訳にはいきません。
その中でもFP1でドゥーハンに出番を譲っていたオコンは積極的にコースに出て、マシンとコースの感触を確かめていました。
今シーズン限りでの離脱が決まっているオコンは残りのレースでアピールをして次に所属するチームを確保しなければなりません。
FP2でもコースアウトするマシンが続出です。
FP1ではヘアピン手前のシケインでの飛び出しが多かったですが、このセッションではヘアピンでの飛び出しが特に目立っていました。
飛び出してきたのはマシンだけではありません。
このサーキットといえば自然動物が生息していることも有名です。
今年もウッドチャックがコースインしています(笑)。
どうもヘアピン付近だけはドライコンディションなのでそれが関係していたようです。
後半30分もコースに出ていたマシンがあったとは言え、今回のセッションは実質前半の30分のみだったと思います。
またもフェルスタッペンのマシンに異変?
ここ数戦フリー走行ではいまいちパフォーマンスが振るわないレッドブル。
今回レッドブルはかなり細かいアップデートを敢行。
リアウイング翼端板付近に小さな突起を設けてきました。
こうした小さいアップデートを通じて少しでもダウンフォースを得ようとしています。
残り30分手前辺りでフェルスタッペンがマシンから異臭がするという無線が入りそのままピットへ。
ピットにマシンを入れそのままメカニックが取り囲み原因究明に当たります。
映像では右側のエンジンカウルを剥いでいました。
サンダーを使ってマシンの一部を切り取っていたので、中々深刻な問題なのかもしれません。
このグランプリでRBPTホンダPUを積むレッドブルとRB4台全てに3基目のPUを投入しています。
もしかするとエンジンに問題があったのかもしれません。
レッドブルは今年サイドポッドにインテークをほぼ設けないゼロインテークを採用していますが、やはり冷却が追いついていないということなのでしょうか?
駄目であれば4基目の投入となりペナルティの対象になってしまいます。
そしてレッドブルのドライバーはマシンについて、バンピーな路面や盛り上がった縁石があるコースでは苦戦することになると言及していました。
昨年型RB19もバンピーな路面やコースに加え低速区間を苦手としていました。
今年のRB20では低速区間のパフォーマンスは改善されました。
これは恐らくマシン自体で発生させるダウンフォースや渦というのは強くなっていることを意味します。
しかし、そうなるということは空気の動きに敏感ということ。
つまり風や外的要因に弱いということなのではないかと考えます。
私はイモラの時からレッドブルのマシンの挙動に違和感を感じていましたが、特に中低速区間で挙動が乱れているように思います。
今年の鈴鹿でも風は吹いていましたがその時には難なく勝ってしまいました。
その理由の一つとして、高速域になるとダウンフォースの量はかなり多くなっているはずなので、多少風が吹こうともマシンの挙動に影響を与えることが無いのではないかと感じています。
結論、レッドブルの欠点であった低速域のパフォーマンスは改善されたかのように思えますが、風や路面の凹凸によってパフォーマンスはかなり左右されてしまうマシンだと考えます。
今回のカナダGPは雨のスタートとなりましたので、チームごとのマシンの相性やパフォーマンスに関しては一概に決めつけることは難しいと思います。
チームごとにセッティングは分かれていますし、天候によってマシンが機能するように考えているのではないかと思います。
レッドブルはここ数戦金曜日の状態が悪く、土曜日で改善して巻き返すという展開が続いていますが、今回はどうなるのか。
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