ラスベガスGPが開幕しました。
チャンピオンシップは大方フェルスタッペンに決まりの様ですが、まだコンストラクターズタイトルは混戦模様です。
ロングストレートによる最高速重視セッティング。
低速コーナーのみのコーナリング。
一桁しかない気温に加え数十度しかない路面温度。
ウイングのフラップは限界まで寝かせダウンフォースを極限まで削る。
舵角を大きくしてタイヤに攻撃性を加え、より早く作動温度に持っていきタイヤを機能させる必要があります。
アップデート情報
シーズンも残り3戦しかないので、アップデートというよりかは、過去に使用していたパーツの再利用であったり、入れてもマイナーアップデートが殆どの様です。
マクラーレンはフラップ最上段を部分的に削ったフロントウイングを投入です。
前回のブラジルではリアウイングの仕様を途中で変更し、マシンバランスを崩してしまいましたが、今回は雨の心配もないので、その心配はないと思います。
ストレートのトップスピードが弱点なので、余分な部分は削れるだけ削って少しでもトップスピードを稼ぎたいところです。
メルセデスもフラップの3段目と最上段の前後幅を削ったフロントウイングを持ち込んでいます。
やはり低速コーナーしかないので、フロントウイングフラップも削れるだけ削り取っています。
メルセデスはストレートのパフォーマンスがフェラーリに次いで良いので、ダークホース的存在と目しています。
レッドブルはフロアフェンスに変更を加えています。
エッジウイングとフロアフェンスの間にフィンを突き出してきました。
一体この構造ににはどんな意味があるのか?
エッジウイングでは処理しきれないアウトウォッシュを促進する助けがあるのではないかと思います。
フェラーリはフロアサイドを横に伸ばしてきました。
後方の切り欠きの面積も増えました。
フェラーリがアメリカラウンドで躍進できたのは、マクラーレンのフロントウイングを一部真似たことにあるのではないかと考えています。
シンガポールから導入されたフロントウイング翼端の折り返し。
他のチームも真似していますが、フロントウイングの翼端板内側の折り返しがポイントになっているのではないかと考えます。
マクラーレンは2~最上段フラップが切り欠き状の為、折り返しの数が3枚ですが、フェラーリは後端のフラップによる折り返しは2枚。
しかしこれでもアウトウォッシュが機能しており、理由としては翼端に向けてフラップが若干下がるように傾斜しており、アウトウォッシュ発生を助けています。
今回ラスベガスに持ち込んだウイングは最上段フラップの前後幅を削ったものです。
フリー走行、低温+ノーグリップ
FP1開始時の外気温14℃、路面温度は16℃、天気は晴れ。
FP2開始時は外気温13℃、路面温度15℃、天気は晴れ。
今年のラスベガスもかなり路面温度が低いです。
市街地コースということもあり開始時の路面は汚い、果たしてグリップは効くのだろうか?
FP1のセッション最初はミディアムタイヤでの走行、レッドブルの2台はソフトタイヤでのスタートです。
ロングストレートからのビッグブレーキングの繰り返し。
ブレーキングの際のスタビリティが重要です。
予想通りブレーキングによるコースアウトが続出しました。
レッドブルは他より重めのリアウイングを搭載しているはずなのですが、リアに安定感がありません。
加えてストレートは伸びない。
タイムを稼ぎたいはずのコーナーで稼げないので好タイムが出ません。
終始メルセデスが速い、タイヤへの攻撃性が高いマシンになっている分、機能させられるのもそれだけ早いということでしょう。
ハミルトンとラッセルがFP1で1-2を記録し幸先のいいスタートです。
FP2ではラッセルが3番手もハミルトンは連続トップタイムです。
一発の速さとロングランも共に調子良さそうです。
しかし、アメリカからのアップデートで浮き彫りになったリアの不安定感は相変わらずといった印象を受けます。
ストレートのパフォーマンスが良いフェラーリはやはり速い。
トラックエボリューションが強力なためタイムは更新されていますが、期待の持てる位置には付けています。
マクラーレンも前回のブラジルでの不振から復活してきたように見えます。
ストレートはメルセデスやフェラーリには及んでいませんが、思ったより離されていないという印象です。
RBはRB20のリア周りを一部導入したアップデートで初実践。
アップデートパーツのデータ取りの為か19位と20位という結果に終わりました。
来期に向けたアップデートであることは重々承知ですが、評価が難しい市街地コースでの投入は疑問が残ります。
コンストラクターズランキングも6位を争っている関係もあり、大丈夫か?という印象です。
FP2ではレッドブル2台が赤旗によりタイムを出せなかったため角田が10位でしたが、前にはガスリーとハースの2台と依然厳しい状況。
マシンバランスを取るのが難しいRBのマシン、決勝ではタイヤが持つのかが焦点です。
ウィリアムズは少し心配なパフォーマンス。
FP2では前半をマシンの調整の為ピットで待機していたアルボン。
いざピットアウトもコース上でマシンを止め残り22分のところで赤旗。
アタックをしているレッドブルはタイムを記録できないという割を食ってしまった。
修理費がかさんでいる上にまともに走れていないというのがとても心配です。
ハースはFP1ではいまいち振るわなかったですが、FP2ではしっかり立て直しました。
元々ロードラッグなマシンの為ストレートのパフォーマンスが高い。
ストレートにセッティングを振るとその分コーナリングが曲がりにくくなってしまう。
そこで重要になってくるのがメカニカルグリップになるわけですが、ハースの今回の結果はそこに掛かってくるはずです。
金曜セッションはメルセデスの好調さが浮き彫りになりましたが、路面もまだ完全に綺麗になっていないため、今回の結果はまだあてにはなりません。
今回のケースのように気温、路面温度によって左右されることもあります。
レッドブルはFP2では振るいませんでした。
一発のタイムはおろか、ロングランもイマイチというのは大丈夫なのか?
しかし土曜セッションで巻き返してくるケースが多いので、今日の結果を受けてどこまで修正が掛けられるかが注目されます。
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