昨日のセッションではサインツがFP1・2共に最速タイムを記録。
レースペースが抜群に良いフェラーリ、今週も期待できそうです。
角田も2セッション連続の3番手と好調ではあります。
しかし、今回はトラックエボリューションが強烈であることと、FP2はタイヤテストだったためこの結果はあてにはならないと思います。
メルセデスはアップデート投入後からリアの安定感が無くなってしまいました。
マクラーレンもミニDRSの仕様変更と、フロントの空力関連の変更後からイマイチなパフォーマンスです。
レッドブルのリアセクション
レッドブルのリアセクションに変更が加えられています。
特にディフューザー形状の変更が顕著です。
センターラインの面積がバクーの時に比べて僅かに広く取られており、ディフューザー末端の捲れが小さくなりました。
ディフューザーから引き抜いた気流をビームウイングのロワフラップの下面に速い気流を通し、圧力差を生じさせてダウンフォースを稼ぐ手法でしょう。
ビームウイングにも仕様変更があり、アッパーフラップ、ロワフラップ共に最大限に立たせています。
メキシコはただでさえ空気が薄いので、こうした形でダウンフォースを少しでも多く稼ぎます。
それに伴い、エンジンカウルのダクト形状にも変更点があります。
バクーではエキゾーストの左右にダクトが2カ所設けられていた形ですが、ここメキシコ仕様では左右が平坦かつ繋げられた形になり、ビームウイングのアッパーフラップに気流が当たるようになっています。
ダクトから出た排気は運動エネルギーが小さく、高圧の気流流れ。
先ほどのディフューザーから引き抜かれた速い気流との圧力差を生じさせてより強力なダウンフォースを発生させます。
FP3、トップチーム軒並み立て直し
最後の走行練習です。
予選シミュレーションが中心になります。
昨日良くなかったトップチームのドライバーはやはり隠し持っていた感があり、軒並み立て直してきました。
トップタイムはマクラーレンのピアストリで1分16秒前半に突入。
ノリスもこのセッションで2位に入り、マクラーレンが1-2。
ストレートでは遅れを取るマクラーレンですが、やはりコーナリングが速いです。
低速域ではダウンフォースを発生させることよりもメカニカルグリップの勝負になります。
初日2連続トップタイムのサインツも3位とトップから0.3秒落ちではあるものの、確実に調子は良さそうです。
予選で多少遅れを取ってもレースペースが良いので取り返すことは十分に可能です。
4位のフェルスタッペンもディフューザーのアップデートを通して持ち直してきているとは思います。
5位ハミルトン、6位ルクレールとフリー走行を見ていて共通点があるように思えます。
セクター2のパフォーマンスです。
メルセデスは特に高速コーナーでリアの挙動が不安定になる。
ルクレールはセクター2で踏めていないので、セクター2のタイムで多少遅れが出ています。
角田は7位と予選に向けて準備が整っているように見えます。
セクター1のストレート区間では遅いRBですが、セクター2・3で持ち直しています。
メカニカルグリップが高いマシンなので、低速区間ではパフォーマンスを発揮できています。
チームメイトのローソンも10位につけており、中団勢のマシンとしては一発の速さはあると思います。
地元のペレスは13番手と予選に向けて心配な部分です。
波乱とトラックエボリューション炸裂の予選
Q1
予選の天気は晴れ、気温22℃、路面温度43℃でスタート。
最早いつも通りとなってきたザウバーが先陣を切ってのコースイン。
フェラーリとメルセデスはミディアムタイヤでタイムを計測します。
フェラーリの2台と、ノリス、フェルスタッペンの4台は16秒台にきっちり乗せてきた。
フェラーリはミディアムタイヤで17秒前半を記録と予選のパフォーマンスもあるようです。
余裕があることが伺えます。
今回の予選でもトラックエボリューションが強烈です。
先にタイムを出したドライバーのタイムがどんどん塗り替えられていきます。
ピアストリは最初のアタックをトラックリミットで抹消、セカンドアタックもタイムが伸びない。
ペレスもラストアタックが暫定15位。
その後ソフトタイヤに履き替えたルクレールが3位のタイムを叩き出しました。
これによってなんとこの2名がQ1落ち。
ピアストリはアメリカのスプリントに続きQ1落ちと不調気味です。
Q1は周・オコン・ペレス・ピアストリ・コラピントの敗退が決定。
トラックエボリューションに加え、セッション終盤にはトラフィックになる可能性もあるので、どのタイミングで出すかは非常に重要です。
ペレスは本当に大丈夫なのだろうか・・・
Q2
ルクレールが早い段階でコースインをしアタックするも、ターン2でトラックリミットを取られてしまいタイム抹消です。
Q2進出を確実にしたければ16秒台にタイムを載せることが指標になってきます。
ピアストリとペレスといったトップ4の2名がいない中でしたが、残った6名はきっちりと16秒台に乗せてきました。
ルクレールも少ない残り時間で16秒6と4番手でQ3進出を確実にしました。
トップ4によって上位6位は埋まった。
中団勢による争いはどうなったのか?
アルボンとヒュルケンベルグがギリギリ16秒台にタイムをのせ、この2名の進出がほぼ決まり。
ガスリーとマグヌッセンも17秒フラットとボーダーラインに付けました。
RBの2台がラストアタック、角田のセクター1は伸びない。
対するローソンはセクター1自己ベスト。
セクター2で少し持ち直した角田、セクター3最初のコーナーのブレーキング、左フロントタイヤが縁石に乗ってしまう。
ロックアップ、マシンはバランスを崩しスピン、勢いそのままにウォールに激突、痛恨のクラッシュ。
これにより赤旗が提示されそのままセッション終了。
この結果によりボッタス・アストン2台・RB2台の敗退が決定。
好調だった角田、またしてもやってしまった。
セクター1での遅れで焦ってしまったか?
結果的にチームメイトのアタックを邪魔してしまった上に、直近のライバルハース2台のQ3進出を許してしまった。
Q3
波乱含みの予選も最終局面。
これまでのパフォーマンスを見ているとトップ4の上位6位は固そう。
ポール争いは、サインツが抜きんでて、ルクレール・ノリス・フェルスタッペンの3名が追う展開か。
フェルスタッペンがファーストアタックで16秒3を記録するもののターン2でトラックリミットを取られてしまいタイム抹消。
ルクレールはセクター2で相変わらずタイムが伸びず16秒4。
サインツのファーストアタックはいきなり16秒フラット。
ノリスもメルセデスの2台もファーストアタックはフェラーリの2台を上回れず。
ラストアタック。
Q2で16秒台に乗せた、アルボンとヒュルケンベルグは17秒台で終わった。
対してQ2が17秒台だったマグヌッセンとガスリーは16秒台に乗せた。
ルクレールがラストアタックに入る、タイムは16秒265と自己ベストもサインツのタイムを更新できず。
後ろからサインツが通過、15秒946!タイムは15秒台に乗った。
ノリスとフェルスタッペンがフィニッシュラインを通過。
フェルスタッペン16秒171!ノリスは16秒260とルクレールを1000分の5秒上回り3位。
メルセデスの2台もタイム更新も5・6位が精いっぱいだった。
これにて予選は決着、サインツが今季初ポールを獲得!
フェラーリ連勝なるか?
今回のポールはサインツが獲得です。
唯一の15秒台に加え抜群のレースペース、秋休み以降のフェラーリは手の付けようが無いレベルにあります。
ルクレールは前回のアメリカに引き続き4位ですが、レースペースが良くストレートも伸びるので、オープニングラップの蹴りだし次第では順位を上げることは十分に可能です。
対して相方がQ1落ちしたマクラーレンノリスとレッドブルフェルスタッペン。
フェラーリ2台に挟まれる形でやりづらさはあるかと思います。
サードローにはメルセデス2台、アップデートが入ったもののこのパフォーマンスが限界か?
7位~10位はマグヌッセン、ガスリー、アルボン、ヒュルケンベルグの中団勢の4名。
マグヌッセンとガスリーはここ最近良いパフォーマンスを見せてくれます。
11位に終わってしまった角田、肝心なところでのミスは痛いですしチームからの評価も下がりかねない。
実質チームメイトのローソンのアタックを邪魔してしまった形となってしまったのは、印象的に良くはありません。
決勝もペースは悪くないものの、タイヤのタレが早いように見えたので、もしかすると予選寄りにセッティングを振っていたのかも知れません。
フェラーリはコンストラクター2位が見えてきました。
逆にレッドブルは3位転落のピンチです。
金曜セッションはこちらから。
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