F1第21戦サンパウロGP、FP1・SQ。マクラーレン、異次元の走りで圧倒

F1 2024シーズン

F1のシーズンもいよいよ大詰め。

チャンピオン争いの行方は未だ分からないまま最終局面に突入していきます。

メルセデスはクラッシュによる修理費がかさみ、今シーズンのアップデートの終了を発表。

残りのレースを来季に向けたテストとして走行すると発表しました。

チャンピオンシップの行方はこれで3チームに絞られたことになりました。

アメリカ、メキシコはフェラーリの連勝で終わりました。

アップデートがイマイチ機能しなかったマクラーレンの逆襲はあるのだろうか?

アップデート情報

シーズンも残すところ4戦、多くのチームはアップデートを打ち切り来季の開発に入っている所ですが、一部のチームにはアップデートが確認できます。

ウィリアムズはフロアエッジの形に変更があります。

Zカット前方の下側に横向きのフィンが確認できます。

レッドブルの構造によく似ています。

これまではマクラーレンに寄せたアップデートを通してコーナリング性能向上を図ってきました。

今回はフロアエッジ形状に手を加えここから引き抜く気流を増やし更にダウンフォースの向上を狙った形です。

ウィリアムズのフロア形状が公開されました。

最も内側のフェンスと2枚目のフェンスの間隔が広いといったトレンドに則った形です。

ウィリアムズのフロア構造はシンプルでシーズン開幕当初はフロアに対する理解度が無いのでは?という意見もありました。

開幕当初はリアの挙動が不安定で、コーナリングに欠点を抱えていたマシンでした。

ウィリアムズが行ってきたアップデートは、このフロアを変えずに、最大限に活かすためのアップデ―トだったのかも知れません。

トップ3から見るフロント構造

ただいまコンストラクターとドライバーポイントでチャンピオン争いしているフェラーリ、マクラーレン、レッドブルの3チーム。

メルセデスは今シーズンテストに専念するため、チャンピオン争いから脱落。

@TECHNICAL.F1

レッドブルのTトレーでの車高調整疑惑のお陰で貴重な画像が沢山手に入るようになりました。

これはトップ3のフロント形状の画像になります。

@TECHNICAL.F1

この3チームに速さがあることは間違いないのですが、その構造はチーム毎で違っています。

まずはノーズ裏の形状ですが、3チームの中でフェラーリのノーズ裏の面積が最も広い。

ノーズ幅もこの形状に関係してきますが、この時のノーズ裏の形状は逆三角形(▽)になっていることが理想的です。

何故なら、フロントノーズを通る気流がそこ(ノーズ裏)に流れ、その気流を今度はフロアに向けて流します。

フロアダウンフォース発生の大前提として、空気量がある程度あることです。

空気量が少なすぎるとフロアダウンフォースは発生しにくくなります。

逆三角形型のノーズ裏の利点はそれだけでなく、左右のフロアに均等に空気を流してくれるという利点があります。

最終的にはビブ(Tトレー)が気流を左右にかき分けますが、あまりビブに頼っているとその部分で気流の乱れが生じます。

低速コーナーでのパフォーマンスが高いのにはこのノーズ裏の形が起因しています。

マクラーレンもフェラーリ程空気の流量が多いわけではありませんが、逆三角形型というのは共通している点です。

レッドブルの場合はビブ手前に境目を作ってその手前で左右に気流を切り分ける形です。

続いてビブの形状についてですが、フェラーリは最も狭く、マクラーレンとレッドブルの形状は真ん中にフィンが付いている似ている形となっています。

フェンスの間隔にも違いがあり、フェラーリは最も内側と2枚目のフェンスの間隔が最も狭く、マクラーレンとレッドブルはその2枚の間隔が広い。

最もレッドブルのフェンスの間隔が広いです。

フェラーリの場合最も内側のフェンスの切り欠きが大きく、ノーズから流れた空気をフロアのセンターラインに流しつつ、フロアエッジに向けて流す気流も確保している形。

フロアダウンフォースは強すぎるとポーパシングを起こすので、強すぎず弱すぎず、気流の排出量で上手くバランスを取っています。

マクラーレンとレッドブルは似たようなアプローチに見えますが、マクラーレンの場合最も内側のフェンスが短く、この部分でセンターラインに流す気流と外側に排出する気流の差別化をしています。

レッドブルはフェンスが長く入口の時点でどちらに流すかを分けてしまっています。

レッドブルはセンターラインが広く取られている構造で、フロアダウンフォースが強力すぎて、コースによってはマシンコントロールが上手くいかないというのが今シーズンのパフォーマンス。

フェラーリとマクラーレンはセンターラインを少し狭め、ある程度のフロアダウンフォースを確保しつつもエッジに向けて排出する気流を上手く使ってバランスが取れている。

似て非なる構造ですが取っているアプローチは意外にも共通しているのです。

唯一のフリー走行

今週はスプリントが開催されるフォーマットなので、このフリー走行が唯一の走行練習になります。

インテルラゴスはサーキットの路面が前面再舗装されグリップは高そうです。

これまでのパフォーマンスから考えると。

セクター1.3のストレート区間はフェラーリとメルセデスが有利。

セクター2はマクラーレン(レッドブル)が速いのではないかと予想。

ハースのマグヌッセンが体調不良のため、代走に再びベアマンが起用されます。

セッションはミディアムタイヤを使用したプログラムを中心に進んでいきます。

スプリント予選はミディアムを履いてのアタックになるので、各車ミディアムでアタックに入ります。

意外にもテスト走行に当てているメルセデス、ラッセルが速い。

予想通りストレート区間が速い模様。

RBは走り出しで唯一ミディアムタイヤを履いての走行、何故だ?

ミディアムでのタイム計測が終わると、すぐさまロングランに移行。

予選シミュレーションでは若干速さの劣るフェラーリですが、ルクレールが13秒前半とロングランは引き続き良さそうです。

セッション終盤はソフトタイヤでのアタックです。

トップタイムはノリス、0.181秒差でラッセルが2位に付けました。

トラックエボリューションによるタイム向上はあるものの、マグヌッセンの代走を務めているベアマンが3番手タイムを記録しました。

5番手にはアルボンが入り、フロアエッジのアップデートに効果がありそうです。

スプリント予選、今回もトラックエボリューション強烈

天気は曇り、外気温22℃、路面温度42℃でスタートです。

SQ1

マクラーレンを始めとするトップ4は1分10秒4~5を記録。

ノリスは10秒6、RBローソンは新型フロアを活かして10秒5、ヒュルケンベルグは10秒4です。

角田のラストアタックは11秒2と13番手、前戦で新フロアを壊し旧フロアでの参戦ですが、これは遅すぎる。

トラックエボリューションによるタイム更新が始まる。

ノリスはSQ1唯一の9秒台に突入、アルボンとペレスは10秒3、コラピントとベアマンが10秒4。

ラストアタックを終えてしまっていた角田は成す術なくSQ1敗退です。

SQ1はアストン2台、周・角田・オコンの5名が敗退。

アストンはここにきてマシンパフォーマンスの低さが懸念されます。

S2が速いと予想していたRBでしたが、逆にS2で勝負にならなかった。

SQ2

引き続きミディアムタイヤでのアタックです。

ノリスは9秒063とこのセッションでもトップタイムを記録。

サインツ9秒5、ラッセルとピアストリは9秒6、ルクレールとガスリーが9.7。

フェルスタッペンは9秒4と2番時計、ペレスは10秒フラットと暫定9位。

ハミルトンも10秒2とタイムが伸びません。

ベアマン9秒6、ローソンとアルボンは9秒8。

2度目のアタック敢行のピアストリとルクレールは9秒2でSQ3

進出確定。

ガスリーは9秒6。

ハミルトンは2度目のアタックは9.9秒、残念ながら11番手、暫定10位のアルボンに僅かに届かなかった。

ペレスも結局10秒フラット、13位で敗退決定。

SQ2はボッタス・コラピント・ペレス・ヒュルケンベルグ・ハミルトンの5名がここで敗退です。

チームメイト同士で明暗が分かれたSQ2でした。

SQ3

セッション開始時は42℃だった路面温度も36℃まで低下してしまっています。

ピアストリが9秒225、チームメイトノリスは8秒928。

8秒台に突入してきました。

ルクレールは9.1ノリスに届かず、暫定2位。

サインツもルクレールに及ばず9秒2。

ラッセルは9秒4。

ピアストリのラストアタックは8秒899でノリスのタイムを見事更新。

ピアストリ逆転でスプリントポール獲得です。

フェルスタッペンのラストアタックは9秒219。

ルクレールとサインツの間に割って入って4位を獲得。

ベアマンはアタックするもののトラックリミットを取られてしまい、タイムを記録できず。

マクラーレン逆襲なるか?

今回のスプリント予選はピアストリがポールを獲得。

ドラッグを削ったウイングセットにより、弱点であるストレートのトップスピード

の克服に成功。

これによりセクター1でもタイムを伸ばすことができた。

それに加え低速区間のセクター2も速く手が付けられない状態です。

好調フェラーリもルクレール3位、サインツ5位と好位置。

レースペースが良いのでマクラーレンに対抗できるか。

フェルスタッペンはスプリント5連勝に黄色信号か?

レースペースがフェラーリに劣っているので厳しいスプリントになりそう。

ベアマンはタイム抹消になってしまったものの、ヒュルケンベルグより上の順位は見事です。

ガスリーもアメリカから一発の速さがあります。

アルピーヌの予選ペースは中団の中でも一歩リードした感じがあります。

しかしレースペースで苦戦を強いられているので耐えたいところ。

ウィリアムズもフロアエッジのアップデートによりコーナリング性能が更に向上。

今回コラピントは残念な結果でしたが、チームメイトのアルボンがしっかりSQ3に進出しました。

ここ最近よくなかったアルボン、今回は挽挽回したいところです。

セッティングの確認はこちらから。

F1第21戦サンパウロGP。持ち込まれたパーツ、セッティングの確認と予選決勝の展望 – アルボンノート

コメント

タイトルとURLをコピーしました