F1第11戦オーストリアGP、FP1、スプリント・シュートアウト。俺たち再び

F1 2024シーズン

レッドブルの本拠地レッドブル・リンクでのオーストリアGPが開幕しました。

今回はシーズン3度目のスプリントが開催されるフォーマットです。

ですのでフリー走行は最初の一度しかありません。

ここで、予選と決勝を含めたマシンに対する理解を少しでも完璧に近づける必要があります。

各チームのアップデート

前回のスペインで大量アップデートを設けてきたチームが多かったせいか、ここオーストリアで大規模なアップデートを仕掛けてくるチームはいませんでした。

しかし、高地にあるサーキットなので冷却関係のアップデートを入れてきたチームがいました。

レッドブルとフェラーリです。

レッドブルのルーバーはコースに応じて窓状のルーバーの数に変化を加えている。

今回は前方に小さいルーバー、その後ろに大きなルーバーを備えています。

排熱効率は意識しているものの出来る限り空力を犠牲にしない形が取られています。

フェラーリは随分と大型のものを用意しました。

ハロの横にボルテックスジェネレーターが付いているので、ここでアウトウォッシュを発生させているので、ルーバーに乱れた空気がいかないようになっています。

前戦スペインでは大規模アップデート敢行も、セッティングの理解が追いつかずダウンフォース不足。

レッドブル・マクラーレン・メルセデスの3チームにコーナリングスピードで負けてしまいました。

引用元 https://twitter.com/AlbertFabrega

マクラーレンはフロントウイング翼端板後部を反った形状に変更しています。

フロントウイングを内側から見てみると、翼端板の接続部の形に変化があります。

湾曲を強めた形にし、アウトウォッシュを促進させた形になりました。

台形だった翼端板も前方が丸みを帯びた形になり、ドラッグの削減にも貢献しています。

全体的に見て翼端板はレッドブルの形に近づいたでしょうか?

そして上記の2チーム、フェラーリとマクラーレンのフロアフェンス形状は理想形に近いところまで来ているのではないでしょうか?

サスペンションセッティングがハマればかなりの競争力を手に入れられると考えています。

フェルスタッペンコース上に停止も復活しトップ

最初で最後のフリー走行。

各チームどのようにしてプラクティスプログラムを消化していくのかに焦点が集まります。

序盤は多くのマシンがハードでコースインをします。

メルセデス勢はハードのペースがかなり良いです。

F1第11戦オーストリアGP。持ち込まれたパーツ、セッティングの確認と予選決勝の展望 – アルボンノート (albonnote.com)

こちらでも触れたように、フラップを寝かせるミディアムロー気味のダウンフォースセッティングにすることで、硬いタイヤの時に攻撃性を敢えて高めることで機能させようとしているのではないでしょうか?

私の予想ではメルセデスとレッドブルは早いような気がします。

残り28分、コース上で何故かフェルスタッペンのマシンが停止してしまいました。

エンストでしょうか?

ホームストレートエンドの坂を駆け上がる途中だったので、アクセルが開かず坂を下ってしまっている。

すぐさま駆け付けたメカニック達により引き上げられましたがセッションは赤旗となり一時中断。

残り23分で再開されましたが、なんと止まったはずのフェルスタッペンが直ぐにコースに復帰。

コース上に停まってしまったマシンは、セッション終了というレギュレーションがあったような気もしますが・・・これで良いのでしょうか?

残り時間が少なくなると、ソフトタイヤで予選ペースの練習です。

フェルスタッペンも最後はソフトでコースに侵入し何事もなかったかのようにトップタイムをマークします。

ノリスもタイムの更新を狙いましたが、ターン5でオーバーランをし、サンドトラップに入ってしまいました。

これによりアタックは取りやめ、13番手でフィニッシュ。

しかしミスが無ければフェルスタッペンを上回っていた可能性があったので、マクラーレンは今回も速いです。

ほかのドライバーもタイム更新を狙いましたが、やはり一回しかないプラクティス。

コース上の至る所にトラフィックができてしまい、止むを得ずアタックを中止するという光景が随所に見られました。

全体的にタイムを見て、大規模アップデートが入ったスペインから一週間しか経っていないので、勢力図に変化なしといった感じです。

ソフトタイヤ温存のメルセデスの作戦は吉と出るのでしょうか?

SQ1・SQ2は順当

今シーズン3度目のスプリント・シュートアウトが始まります。

しかしセッションが開始しても中々出てこようとしません。

セッション開始から3分経過寸前でコースインが始まる。

ハミルトンが最初にタイムを記録するもトラックリミットによりタイム抹消。

スプリント予選は本来の予選とは違いSQ1の場合セッションの時間は12分しかありません。

一つのミスが致命的になってきます。

続いてボッタス、角田、リカルド、ラッセル、周がタイムを記録。

前回のスペインで中団後方に沈んだRB、今回も厳しそう、SQ1通過が今回の目標か?

ピアストリ、サインツがタイムを記録するもラッセルのタイムには及ばず。

ヒュルケンベルグもRBとザウバーに埋もれてしまった。

ノリスはチームメイトピアストリの後ろに付ける。

ルクレールはノリスとピアストリの間に割って入った。

ガスリーとオコンも暫定トップ10に入る。

フェルスタッペンはラッセルのタイムを見事に更新。

今回はあまり苦戦している様子がありません。

高地に強いホンダPUの本領発揮でしょうか?

一方のチームメイトペレスは6番手。取り敢えず今回も体は保った形。

アロンソは14番手と振るわず、先日契約更新のストロールは5番手につけた。

周はファーストアタックでトラックリミットによりタイム取り消し。

先ほどタイム取り消しのハミルトンはもう一度アタック。

何とかSQ2進出も11番手とフリー走行の時の勢いはなかった。

周もアタックを仕掛けるも結局最下位。

ペレスは2度目のアタックもタイム更新はならず。

アルボンはデッドラインギリギリの15位。

ヒュルケンベルグ二度目のアタックは13位、これでアルボンの敗退が確定。

アロンソも二度目のアタックを仕掛け11位で何とか敗退を回避。

リカルドは角田の後ろ暫定14位、この順位を守れるか?

SQ1敗退ラインにいるガスリーも11位でSQ2進出を決める。

しかしガスリータイム更新により暫定15位だったリカルドの敗退が決定。

角田はセクター3のターン9で新設されたサンドトラップに乗り上げスピンも何とか回避。

今回はザウバー2台、アルボン、ヒュルケンベルグ、リカルドがSQ1敗退。

ザウバーのマシン開発も良い線は行っていると思いますが、まだまだ改善の余地はありますし、セットアップの理解も完璧とは言い難いです。

SQ2はSQ1の時と打って変わって開始直後に多くのマシンがコースイン。

全車の中で最初にアタックを敢行したのがフェルスタッペン。

タイムも1分5秒前半に乗せてきました。

ペレスも続きますが、1分5秒中盤。

ノリスはフェルスタッペンとペレスの間に入るもペレスと大差はなし。

サインツは1分5秒4で暫定2位につける。

ルクレールはフェルスタッペンの約0.3秒落ちで暫定3位。

しかし直後にピアストリが1分5秒3を記録し暫定2位に付けた。

ハミルトンは暫定5位とやはりフリー走行の時の勢いは感じられない。

それに対してチームメイトラッセルはピアストリのタイムを上回り暫定2位となる。

トップ4のタイム計測が終わると次は中団勢がタイムを計測しにコースイン。

ストロールが第二集団で最初にタイムを計測も及ばず暫定9位。

その直後にオコンがストロールの順位を奪い9位に。

角田はアタックを仕掛けるも11位と敗退が確定。

ガスリーは何とか10位とデッドラインギリギリ。

アロンソもアタックするもチームメイトストロールに及ばず、暫定12位。

マグヌッセンはセクター1でパープルを記録もその後が伸びず11位。

トップ4の一部のドライバーも再びコースインするも、中団勢の敗退が確定しアタックを取りやめた。

ストロールはミスがあったためタイムが伸びなかった。

ワンアタックしかチャンスが無いのでミスが本当に命取りです。

SQ2に進めなかったのは、サージェント、角田、アストン2台、マグヌッセン。

SQ1でギリギリの進出を決めた角田でしたが、今回はこの位置が精一杯。

他のマシンの開発が進んでいるのか、それともRBのダウングレードになってしまったか・・・

今週も厳しい戦いになりそうです。

アストンはアップデートが弱いせいで、トップ5から完全に陥落したように思えます。

SQ3、俺たちまたしても発動

SQ3に残ったチームは、レッドブル、マクラーレン、フェラーリ、メルセデス、アルピーヌの各2台ずつ。

前回のスペイン予選と残ったメンバーは全く一緒。

アルピーヌはアストンから完全にトップ5の座を奪ったように思えます。

セッション開始から誰も出ない。

残り3分を切ったところでメルセデスを先頭に一斉にマシンがピットから飛び出す。

時間的にSQ1同様ワンアタックで勝負が決まります。

後方に付けたマシンはトラフィックに引っ掛かりピットレーンから出られない。

そんな中ルクレールの様子が少しおかしい。

トラフィックに引っ掛かりアンチストールを引き起こしてしまった。

後方にいるマシンに順番を譲りその後何とかエンジン再起動。

しかしピットアウトした時のセッションの残り時間は1分10秒。

それまでにアタックラップに入れるか。

ルクレール、僅かに間に合わずタイムを計測できず。

フェラーリ、まさかのここで俺たちが発動してしまいました。

そのほかのマシンはワンアタックに全てを賭ける。

そんな中、最初にコースインしたハミルトンが帰ってくる。

タイムは1分5秒2。

直後にラッセルも戻ってきてタイムは1分5秒フラットを記録しハミルトンの前に付ける。

次はマクラーレンの2台が戻ってくる。

ピアストリは1分4秒8で暫定トップに。

しかしすぐさまチームメイトノリスが1分4秒7でタイム更新。

サインツは0.5秒落ちで暫定4位。

すぐ後ろからフェルスタッペンが帰ってくる。

タイムは・・・1分4秒6!

タイム更新。

今週はフェルスタッペンが今のところ全セッションでトップタイムをマーク。

ペレスはトップフェルスタッペンから1.3秒落ちの7位。

アルピーヌは8位と9位でフィニッシュ。

なにやらオコンの不審な動きをチームメイトのガスリーとペレスが無線で文句をいっていたようですが。

ルクレールはタイム計測が無い為10位。

これにてスプリント・シュートアウト終了。

フェルスタッペンが本拠地で貫禄のスプリントポールを獲得。

フェルスタッペン好調

今回もダウンフォースを削ったメルセデス。

タイヤに攻撃性を加えて確かにハードのペースは速かったものの、ソフトのタイムが思ったより伸びませんでした。

同じアプローチを取っているはずのレッドブルはソフトでも速い。

レッドブルはここ最近、縁石に乗り上げると駄目、風に弱いのではと指摘しましたが、空気が薄い分マシン自体が作るダウンフォースの量が重要になってくる。

フロア構造によるダウンフォース量の違いが今回の勝負を分けたように思えます。

アルピーヌは危なかったものの、ここでも2台共にSQ3に進出してきました。

やはり腐ってもワークスチームだということを思い知らされます。

いつもは予選で勝っているアルボン、ヒュルケンベルグが揃ってチームメイトに負けているという珍しいセッションでした。

フェラーリがまさかの俺たち発動。

トラフィックに引っ掛かったルクレールがアンチストール。

結果時間内にフィニッシュラインを通過できずノータイム。

エンストも考え物ですが、トラフィックマネジメントはチームの仕事。

こういうミスが出る限りは優勝は夢のまた夢に終わります。

ファンとしては、アップデートにより理想的なマシンに近づいているだけあって、余計に腹立たしいミスだと感じています。

これが決勝のグリッドを決める予選でなくてまだよかったです。

反省を活かして土曜の予選に臨んでもらえればと思います。

しかし、トレインに引っ掛からなければ追い抜きは可能なコースですので、後ろからスタートのドライバーも是非チャンスを伺って一つでも良い順位で終えることは十分にできます。

スプリントはどうなっていくのでしょうか?

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