昨日の予選ではノリスがラストアタックでフェルスタッペンに僅差で勝ち、2021年ロシアGP以来通算2度目のポールポジションを獲得。
フェルスタッペンは2位に甘んじたものの、大きめのリアウイングを備えているレッドブルは、レースペースで他のチームをリードする。
しかし、マクラーレンもレースペースは良く、接戦を予感させる。
予選でカナダ同様良いパフォーマンスを見せたメルセデス、硬いサスペンションセッティングがタイヤの摩耗を早めるが勝算はあるのか?
予選では若干出遅れたフェラーリ、レースペースの良さを生かし、一周でも早くライバルの前に出たい。
ノリス痛恨のスタートミス
スタート時のタイヤコンパウンドはアルボンを除く19名全員ソフトタイヤでのスタート。
アルボンはミディアムを履きピットスタートを選択。
ロングスティントで前に出たいところ。
レーススタート、ノリスは若干遅れる。
前に出ようとするフェルスタッペンに幅寄せを仕掛け強引に抑えつける。
幅寄せされたフェルスタッペンは右タイヤを芝生に落とすも引かないまま1コーナーに突入。
1コーナー侵入前にフェルスタッペンがノリスの前に出る。
しかし外側からラッセルがホールショットを決める。
先頭はラッセル、フェルスタッペンは2位のまま、ノリスはスタート失敗で3位転落。
この序列がレースにどう影響するか?
ラッセルのレースリーダーは束の間、3周目にはDRSを使ったフェルスタッペンに難なくかわされる。
ラッセルは2位転落。
後方ではルクレールが5位から6位、サインツは6位から5位浮上、フェラーリ同士がやり合う。
ルクレールのペースがイマイチ上がらない・・・
7周目には周と角田がバトル。
二人のバトルはもつれ10周目に両者早くもピットイン。
二人ともタイヤはミディアムに履き替え再びコースイン。
11周目にはマグヌッセンがミディアム。
12周目にはボッタスが入りミディアムに交換(3.0)。
13周目にヒュルケンベルグがミディアムに交換。
この時角田は最下位まで後退。
14周目にオコンとペレスが入る。
オコンはミディアムでコースに戻る、交換タイムは2.1秒、中々の速さ。
ペレスはソフトに履き替えるも3.2秒とレッドブルにしては珍しくもたついてしまった。
この周回で周は後ろにいるチームメイトボッタスに順位をスワップ。ボッタスは17位浮上。
15周目にガスリーが入るも右リアが外れずタイヤ交換に6.7秒も費やしてしまった。タイヤはミディアム。
サージェントもこの周回に入りソフトに交換。
マグヌッセンはここで5秒ペナルティを貰ってしまう。
16周目、ラッセルとサインツがピットイン、タイヤは両者ともにミディアム。
しかしラッセルも右リアタイヤが外れず5.3秒とロス。
対してサインツは2.2秒と完璧な作業でピットアウト。
両者横並び・・・ここは何とかラッセルが前に出てサインツの先行を許さなかった。
17周目、ハミルトンがピットへ(ミディアム、2.3秒)。
リカルドもここでピットに入る(2.8秒)。
18周目レースリーダーフェルスタッペンがここでピットイン、ミディアムに交換。
タイムは何と1.9秒!最速レベルのピットワークで相手に隙を与えない。
ストロールも同じ周にピットイン(ミディアム、2.7秒)。
19周目、ピットインにより7位に後退していたハミルトン、ホームストレートでDRSを使いサインツをオーバーテイク、これで6位に浮上。
やや強引なオーバーテイクにサインツも不満を漏らす。
20周目にアロンソがミディアムに交換するためピットへ(2.9秒)。
21周目、ピットインにより4位に後退していたフェルスタッペン、3位ピアストリの背中を捉えオーバーテイク、フェルスタッペンは3位に。
22周目、ピアストリがミディアムに交換(3.0秒)。
レースは3分の1が終了、ピットに入っていないのはルクレールとノリスのみ。
両者の作戦は如何に!?
ルクレールとノリスどこで入る?
前述の通り未だにピットインしていないのはルクレールとノリスの2名のみ。
もしかするとファーストスティントを伸ばせるだけ伸ばして、ワンストップ狙い?
しかしここはタイヤ負荷の高いカタルーニャ。
ソフトを伸ばすにしてもかなり限界が来ているのでは?
SC待ちにしては少し消極策だと感じていました。
動きがあったのは24周目、最初にピットに入ったのはノリス。
てっきりハードを選択するかと思っていましたが、ミディアムに交換しました(2.4秒)。
その次の周にはルクレールがピットイン、こちらも同じくミディアムに交換でした(3.0秒)。
いくら何でもミディアムで40周はきついのでは?と思い、この時点でもう一度入るだろうという予感はしました。
そうするとファーストスティントはもう少し早くピットに入るべきだったのでは?
少し疑問に思うストラテジーでした。
27周目、フレッシュなミディアムタイヤを履くノリスはサインツを抜き4位に。
28周目には角田が2度目のピットイン、今度はハードに交換(2.8秒)。
サージェントはミディアムに交換。
9位走行中のペレスはピアストリに先を行かれ10位に。
次周ピアストリはオコンも抜き8位まで順位を上げる。
ボッタスはここでハードに交換。
30周目、マグヌッセンもハードに交換もタイヤ交換に9秒も費やす。
32周目ハイペースで前を追うノリス、この周回でハミルトンを抜き3位まで戻ってきた。
34周目にはチームメイトピアストリもガスリーを抜き7位に上げてきた。
35周目ノリスはラッセルまで射程に捉える。
DRSを使って1コーナーまでに抜きたいノリス。
1コーナーはラッセルが制すもクリア後に膨らんでしまう。
隙を逃さずノリスは2コーナーで並び、クリア後に前に出る。
しかしラッセルも退かず3コーナーでホイールトゥホイールのバトルを展開。
両者一歩も譲らず4コーナーに向かう。
果たして前に出るのは・・・
イン側のラッセルが有利か?と思われたが、10周近く若いタイヤを履くノリスがアウト側からクロスラインに入りイン側からオーバーテイク、両者の勝負はノリスに軍配。
久々に見応えのある勝負でした。
勝負に敗れたラッセルは37周目に再びサインツと共にピットイン。
両者の選択したタイヤはハードです。(ラッセル3.0秒、サインツ2.5秒)
ラッセルのタイヤ交換は若干遅かったものの確実な作業でコースに戻すことができた。
7位に落ちたラッセルは次周でガスリーを抜き6位に。
オコンとストロールが共にハードタイヤに交換。(オコン2.2秒、ストロール3.9秒)
こちらもタイヤ交換で順位を落としているサインツ、39周目にガスリーを抜き7位浮上。
その後ガスリーはハードに交換するためにピットへ、こちらもオコン同様2.2秒と早い作業でコースに送り返す。
アルピーヌ、2戦連続Wポイントへラストスパート。
そのガスリーは40周目に周を抜き9位に浮上。
抜かれた周は43周目にハードに交換(4.3秒)。
42周目辺りからペースを上げているノリス。
まさか1ストップでチェッカーを受ける気か!?
果たしてタイヤは持つのか?それとももう一度ピットに入るか?終盤戦に続く。
随所でバトルが起きた終盤戦
66周のレースは終盤戦に突入。
44周目にリカルドとハミルトンがピットへ。
リカルドはハードに(2.5秒)、ハミルトンは3周走った中古ソフトでコースに戻る(2.2秒)。
ハミルトンはプランF狙い?タイヤに厳しいメルセデスは持たせられるのか?
そんな疑問の中やはりハミルトンはファステストを記録。
やはりプランFかと思われましたが、45周目にフェルスタッペンがソフトに換えるためにピットイン、(2.8秒)。
この時ノリスが首位奪還!
ノリス・・・まさか本当に走り切るつもりか?
46周目、このままハードでチェッカーを受けると思っていた角田が3回目のピットイン、ソフトに交換。
リカルドとは明らかに戦略が違っている。今回はデータ取りに徹しているのか?
47周目にはピアストリもソフトに交換(3.0秒)。
48周目、そのまま走り切ると思っていたノリスが2度目のピットイン(3.6秒)。
ソフトに交換したノリスはラッセルの前に出ることができ2位でコースに戻った。
フェルスタッペンを追うべく最後のスパートをかける、差は約6秒・・・間に合うか!?
ルクレールもこの周回でピットインしソフトに交換する(2.1秒)。
6位に後退したルクレール、先ず目指すはチームメイトの背中です。
50周目にペレスはソフトに交換し10位後退(2.3秒)。
ルクレール・ノリス・ペレス。この3人がより高い順位を目指す為猛追を始めます。
ペレスは51周目にオコンをオーバーテイクし9位に浮上
ペレスの目指す背中は前にいるガスリーです。
ここで角田とヒュルケンベルグがピットレーン速度違反でペナルティ。
今回RBにとっては散々な週末になってしまった。
52周目、ラッセルとハミルトンの順位が入れ替わる。
ラッセルは4位に、ハミルトンは3位浮上。
猛追を続けるノリス、フェルスタッペンとの差は5秒、少し厳しいか!?
55周目ルクレールはサインツから順位をスワップしてもらいスタート時の順位5位まで戻ってきた。
ルクレールの標準は5秒前にいるラッセル、こちらも猛追スタート。
60周目の時点でフェルスタッペンとノリスの差は4秒前半。61周目4秒。
63周目3.9秒、中々縮まらない。
ルクレールもラッセルより約0.5秒以上速いペースで追いかける。
64周目、フェルスタッペンとノリスの差は2.9秒、ラッセルとルクレールの差は1.1秒。
ルクレールとしては次周でDRS圏内に入りたい。
65周目、まだDRS圏内に入れない、ルクレール少し厳しいか?
66周目ノリスは2.4秒差まで詰め寄るもトップチェッカーはフェルスタッペン。
これでフェルスタッペンは2連勝。
ルクレールもファイナルラップでDRS圏内に入るも約0.4秒及ばず。
やはりもう一周早くに入れていれば違う結果だったかも知れない。
一方ペレスはファイナルラップでガスリーのオーバーテイクに成功。
取り敢えずトップ4の体を保った8位フィニッシュでした。
フェルスタッペン、次戦に大きな弾み
今回も面白いレースでした、しかし蓋を開ければ結果は一緒。
やはり大きなウイングを持ち込んだレッドブルがレースペースで有利に付けた結果になりました。
ノリスの最後のスパートも惜しかったですが今回はスタートの失敗が全てでした。
ノリスもそうですがルクレールもファーストスティントが長すぎでした。
もう少し早く入っていれば違う結果を生んでいたかも知れません。
ハミルトンは18年連続表彰台登壇、メルセデスはレッドブル・マクラーレンには遠く及ばないものの、今回もカナダ同様の好結果となりました。
フェラーリはまだアプデ―とパーツの近いが追いつかずセットアップに反映できていない。
このままだとマクラーレンはおろか、メルセデスにも勝てなくなってしまう。
特に上記の3チームに比べて高速コーナーのパフォーマンスで劣ってしまっていた。
早急なマシンに対する理解が必要です。
アルピーヌは二戦連続W入賞達成アストンに変わりトップ5入りか?
今回は予選のトップ10がそのまま決勝も入賞という結果でした。
ヨーロッパラウンドに入ってワークス勢の強さが目立ってきている。
ここからもう2週続けてレースがあるので序列の変化はあまり期待できないか?
フェルスタッペンは次週、本拠地のオーストリアに向けて大きな弾みになったレースではないかと思います。
来週はどんな結果になるでしょうか?
F1第10戦スペイン。FP3・予選。異次元のポール争い。ノリス覚醒か – アルボンノート (albonnote.com)
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