土曜日の予選ではトップ3が渾身の走りで2019年にベッテルが記録した1分27秒064のコースレコードを6年ぶりに更新しました。
ピアストリが更新しノリスがタイムを上回る、フェルスタッペンが更に塗り替え4年連続のポールポジションを獲得。
フリー走行ではアンダーが酷く曲がらないマシンを3回のフリー走行を通して見事に修正。
フェルスタッペンの凄まじい腕もポールの一員とも考えられます。
角田は曲がらないマシンだったためか、リアウイングのセッティングをフェルスタッペンとは違う、フラップを立てたものを使用。
決勝レースでのペースはマクラーレン・フェラーリ・メルセデスの3チームが良いですが、フェルスタッペンはマクラーレンを抑えることができるのか?
水曜から始まった日本GPもあっという間に最終日に来てしまいました。
その時の現地の様子などを振り返っていきたいと思います。
雨で始まる最終日
最終日も最後まで変わらず4時起きです。

4泊5日、寝る為だけに取ったこのホテルでの生活もおしまいです。

窓の外を除くと濡れている感じでした、雨が降っているようです。
窓から眺める景色が結構よかったので名残惜しいです。
いつものように5時半の始発の近鉄名古屋へ行き、6時17分に白子駅に着く、という流れは日曜日のこの日でおしまい。
帰りは大混雑が予想される、帰りにバスなんて使ったらこの日のうちに帰れなくなってしまう。
なので行きはバスを使いできるだけ体力温存、帰りは足早に歩いて白子駅まで向かうという計画を立てて臨みました。

地面が濡れています、このままいくとコースの路面はラバーが流れ落ちてしまい、タイヤに対して厳しくなってしまいます。

メインゲート前で待機するのもこの日が最後です。
小雨が降ったり止んだりという微妙な天気です。

ゲートオープンと同時に再び降り出してきました。
いつもであればドライバーの入り待ちをするのですが、それは土曜日に目的を果たしてしまいました。
しかも雨が降っているので屋根のある所からなるべく動きたくはありません。

こんな時はサーキットのグルメでも堪能しましょう。
先ずはGPスクエアの屋台にある、炙り牛とろ丼(1700円)を頂きます。
特にサーキットでの3日間はデータ取りやイベント参加で忙しく、サーキットにいるうちはまともに食事を取れていませんでした。
名古屋のホテル近くのお店で用意して食べていました、最終日はデータを取ったりはしないので少しくらいはいいのかな、と。
続いていただいたのは、ドミニク・トゥーゼの店のショコラパンとカヌレ(バニラ・生チョコ)(それぞれ350円)。

ショコラパンは中に入ってるショコラが濃厚な味わいで美味しいです。

カヌレは外はサクッと、中はもっちりとした食感がクセになります。
9時半を過ぎると雨が止みました。
このタイミングでGPスクエアの中心に出ました。

ティフォシの集まりの様です、折角なので混ざってきました。

その後ろではマクラーレンファン達が集まっていました。
どちらも活気があっていい、日本のファンはこういった熱心さが一つの魅力だと考えています。


最終日もFトモの皆さんで写真を撮りました。
日に日に増えていくメンバーの数、こうして5日間楽しく過ごせたのはFトモの方たちがいたからだと思います。
決勝前の雰囲気
少しの時間Fトモのメンバーの方と話をし、ドライバーズパレードの時間に合わせて自分の席に移動します。
ドライバーズパレードが始まりました。
先ずはレッドブルグループのドライバーがホンダS660に乗って登場です。

フェルスタッペンを先頭に続々と出てきます。

レッドブルグループのドライバーの後ろから他のドライバーを乗せたトラックが続きます。
レッドブルグループのドライバーは2コーナー辺りで車から降ります。

ここでレース前のインタビューが始まります。
角田のインタビュー中はレッドブル応援席のC席の歓声が凄いです。
トラックが一周し今年も三笠宮彬子女王殿下による挨拶の後、マシンがコースイン。

レコノサンスラップが始まります。

午前中の雨によって濡れていた路面は乾きドライタイヤでのスタートが可能なコンディションです。
ラバーが流れたことがどのように影響してくるか?

レコノサンスラップが終わると、市川團十郎・慎之介親子による歌舞伎演技。

その間マーシャルさんたちは芝生に水を撒いていました。
雨によって芝生に水分が含まれ燃えるということは無いでしょうが、決勝でも燃えることがあってはならないので、入念に行っていました。
国歌斉唱が終わると、場内アナウンサーピエール北川さんによるアナウンスが入ります。
やはりC席は遠目でも分かるくらいの盛り上がりを見せています。

フォーメーションラップが始まりました。
鈴鹿のオープニングラップの1~2コーナーで必ずと言っていいほど接触があります。
観ている側としては心臓がドキドキして仕方がありません。
決勝開始時点の気温は15℃、路面温度は23℃。
昨年に比べて気温は約10℃、路面温度は20℃近く低くなっています。
予想外だったクリーンレース。
殆どのドライバーはミディアムタイヤを選択。
ハミルトン、オコン、ボルトレートはハードタイヤを選択。(オコンは中古)
ドゥーハンとストロールはソフトタイヤでのスタートです。
コンサバな戦略で行けばミディアム→ハードの1ストップで行けるか?
ラバーが流れてタイヤ負荷はどのくらい増えているのか?
上のURLから若干ネタバレしていますが振り返っていきます。
レーススタート、ホールショットはフェルスタッペン。
スタートでの順位は変わらずコーナーを抜けていきます。
珍しくオープニングラップで誰もクラッシュしませんでした。
この時点でクリーンレースになりそうな予感はしていました。
角田は1周目のスプーンでローソンをオーバーテイク。
TSU14→13、LAW13→14。

リードを守ったまま帰ってきたフェルスタッペン。
不安視されているレースペースは一体どうなのか。

レース序盤から早くもトレインが形成、こうなってくると抜けない、我慢のレースです。

予選では大健闘のハジャーもレースでは流石にトップには付いていけないか。
6周目にはハミルトンに抜かれてしまいます。
HAD7→8、HAM8→7。
入賞圏外の11位アロンソ・12位ガスリー・13位角田がトレインを形成している。
更に離れて14位ローソン以下まで連なっている。
10周目にストロールがピットイン、ソフトからハードへ。
一足先に抜けたアロンソ、その後方ではガスリー対角田。

角田はフェルスタッペンと違い、リアウイングを重めにしている。
コーナーで接近するもストレートではそのリアウイングが仇となりガスリーをオーバーテイクできない。
16周目、ドゥーハンがハードタイヤに交換です。
20周目、上位陣で最初にラッセルがピットに入ってきた、ミディアムからハードへ。(5→13)
次周にはピアストリも入り同様のタイヤ交換。(3→9)
22周目、フェルスタッペン・ノリス・ルクレールがピットイン、三者ハードタイヤに交換。
ピットアウトしようとするフェルスタッペンの横にノリスが並びかける。

なんとノリスは芝生にタイヤを落とす。
流石にグリップが無いこの状態でのスロットルオンはクラッシュに繋がりかねない。
ノリスは成す術なく、フェルスタッペンに先行を許した。
24周目、ベアマンと角田がピットに入ってくる、ハードタイヤを装着。
次周、アルボンとガスリーが入ってきた、ハードタイヤを履いてコースへ。
角田はピット作業で遅れたガスリーを抜く。
GAS12→13、TSU13→12。
角田は前にいるアロンソを追う。
29周目、アルボンはオコンをオーバーテイク。
ALB12→11、OCO11→12。
30周目、ハジャーはサインツを抜き9位浮上。
HAD10→9、SAI9→10。
ハミルトンはこの周回でピットイン、ミディアムタイヤに交換。(2→7)

ミディアムタイヤスタートのアントネッリは30周を超えてもまだ入らないロングスティント。
アロンソにレースペースをコントロールされている角田は抜けないでいる。
32周目、アントネッリが漸くピットへ、ハードタイヤを装着。(1→6)
33周目アルボンがローソンを抜き9位浮上。
ALB10→9、LAW9→10。
35周目、ローソンとサインツがピットイン、タイヤはソフト。

レースは終盤、未だにトップ3が連なって走っている。
3位ピアストリと4位ルクレールとの差は益々開いていっている。
後方では角田は未だにアロンソにDRS圏内に入れさせてもらえずにいる。
43周、トップ3がストロールを周回遅れに。
トップ3の邪魔にならないようストロールは大人しく減速します。
フェルスタッペンとの差を詰めたいノリス、ペースが変わらないフェルスタッペンの背後に付けずスリップが使えない。

そのノリスの背後をピアストリが淡々と狙っています。
しかし風向きの影響もあってかオーバーテイクをするまでには至らなかった。

結局3位ピアストリに14秒差を付けられたルクレール、クリーンエアーの中、淡々とラップを消化するのみの走りです。
53周、クリーンレースを獲ったのはフェルスタッペン。
4年連続のポールトゥウィン、今シーズン初勝利に加え、ホンダとのラストイヤーを見事に飾りました。

今週末はフリー走行のマシンポテンシャルの不調からの、圧巻のコースレコード更新のポール。
そして弱点のレースペースはクリーンエアーと風によって助けられた。
まさにフェルスタッペンのフェルスタッペンによる週末でした。
ルクレールはトップ3に全く付いていけませんでしたが、前回中国の失格を考えれば最低限の仕事はしてくれました。
トップ3が異常なので、先ずはポイントを確実に重ねることです。
そのルクレールは鈴鹿でF1150戦目、加えてフェラーリ史上最もポイントを獲得したドライバーともなりました。
アントネッリは、終始レースペースが良く、タイヤ交換後は7位ハミルトンをどんどんと離していった。
アントネッリはレース途中で史上最年少リードラップ、更に1分30秒965のファステストラップにより、2019年にハミルトンが記録した1分30秒983のラップレコードを塗り替えました。
恐るべし18歳です、記録ずくめの週末となりました。
ハジャーとベアマンの新人も見事ポイント獲得。
本当に彼らは新人なのだろうか?
グランプリウィークの終わり・・・
クリーンレースだった今年の鈴鹿はあっという間に終わってしまいました。
レース終了と同時にマーシャルさんたちが軽トラックやクレーン車に乗って引き上げていきます。
忙しかったフリー走行や予選と打って変わって、決勝では出動の機会はありませんでした。

引きあげていくマーシャルさんたちがこちらに向かって手を振ってくれています。
スタンドからはありがとうという声も聞こえてきます。

こうして無事に何事もなくレースを終えられたのは、いうまでもなくマーシャルさんたちのお陰です。
そしてそのマーシャルさんたちを拍手で称えるファン達、素晴らしい光景でした。
グランプリウィーク中本当にお疲れ様でした。ありがとう!
その後表彰式に移りシャンパンファイト。
レース終了直後に席を立つお客さんは少しいましたが、表彰式を境に座っているお客さんの方が少なくなってしまいました。

シャンパンファイトが終わり、静まり返るサーキット。
私は直ぐには動かずボーっと余韻に浸りました。
楽しい時間が終わってしまい寂しい気分です。
少ししてから私も席を立ちました。
レースが早く終わったので、初めて東コースウォークに参加してみました。

コース内は思っている以上に起伏に富んでいます。

恥ずかしながら縁石の形状も東コースウォークに参加したことで初めて知りました。
以外にも凹凸があるということを知ることができたのは収穫でした。


東コースを一通り歩き終え、最終コーナー側から戻ってくると、ピット入口にレースを終えた直後のマシンが並んでいました。

日本グランプリ後一週間空いた昨年とは違い、次の週にはバーレーングランプリが始まります。
そのため、ホームストレートには片付けるためのコンテナがフォークリフトによって次々と運ばれていきます。
ついさっきまでお祭りの様だったサーキット、こういった光景もより寂しさを引き立たせます・・・

まだ余韻に浸っていたいですが、泣く泣くサーキットを後にすることに。
ですが私がこの日本グランプリでやりたいことは全てできたと思っています。
関わって下さった皆さん本当にありがとうございました。
思い残すこともありません。
来年はどういう立場でこの場所に来るか分かりませんが、パワーアップして必ず戻って来ます。

今年もありがとう鈴鹿、また来年!
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