バーレーンテスト2024終了。それぞれのチームを振り返ってみる(第二弾)

マシン分析

いよいよ今週から2024年シーズンが開幕します。

先週終わったバーレーンプレシーズンテスト。

プレシーズンテストは走っている時間帯、走っている時の路面状況、何を目的に走っているのかはチームやドライバーによってばらばらで、同じ条件下で走るということが無いので、分析が非常に難しいです。

今回は、ザウバー、RB(ビザキャッシュアップ)、アルピーヌの3チームについて振り返ってていきたいと思います。

ザウバーは昨年より一歩前進も・・・

昨年型C43ではリアのスタビリティが課題だったザウバー

サイドポッドアンダーカットはユニークなデザインをしており、内側の抉れだけではなく、上にも抉れがついている。

アンダーカットの流速を上げようとしているのだろう。

実走行を見ていると昨年よりは良いマシンになっているなという印象です。

しかしとある情報によるとタイヤの摩耗が他のチームよりも激しいとのこと。

課題であるリアのスタビリティ不足による横滑りでタイヤを摩耗させてしまい、ラップタイムがどんどん悪くなっていってしまうのでしょうか。

それでも昨年に比べればリアのスタビリティはマシになったのか・・・

周冠宇が好タイムを記録する一幕もありましたが燃料を積んでいなかったとも。

ザウバーもレッドブルのコンセプトを取り入れたことで明らかに前進はしているものの、他のチームもそれに近いことを行い全体的に前進しているように思えます。

そうなるとザウバーの序列はあまり変わってこない・・・

ザウバーは良い時で6番手争い、逆に苦手なマシン特性のコースでは、7.8番手あたりで争うことになるのではないでしょうか?

昨年より明らかに前進したRB

今回は全体的に順調にテストを重ね好調そうなRB

昨年の開幕時点のマシンよりかは明らかに進歩していると感じました。

フロントウイングと路面の間隔を見ると比較的高い位置にある。

ノーズ下に大量に気流を送り込みたいのだろう。

フロービズを見てみるとノーズ下に気流がしっかり流れているように見える。

一つ気になる点があるとすると相変わらずノーズの位置が高い。

これによって前面投影面積が増え、トップスピードを損なってしまいます。

実際にテスト期間のデータで、ストレートが最速だったレッドブルは320km/h

対しRBは312km/h

同じPUを積んでいるはずなのに実に8km/hもの差が付いています。

AT04の時もノーズ位置が高かったのに頑なにその部分を変えないのは何故だろうか?

テスト走行は順調にプログラムが消化でき、初日のリカルドがC3タイヤで好タイムを記録。

新車発表時とは違う形で登場。2023年の最終戦型をベースにし

サイドポッド形状がレンダリングより全体的に引きあがり、アンダーカット面積が広がりました。

レースシュミレーションでも悪くないタイムをたたき出している、予選シミュレーションのタイムだって昨年に比べれば全然良い。

良い時はマクラーレンやアストンマーティンとも勝負できるポテンシャルは持っていると思いますが、昨年の上位5チームとの壁は厚いように感じます。

結局のところ開幕戦の序列的にはザウバーやアルピーヌ次第ですが

昨年より若干上の位置辺りにいるのではないでしょうか?

アルピーヌに不安が・・・

最後に分析するのは、アルピーヌです。

新車発表の際にはSダクトを取り入れたことで話題になりましたがその走りのパフォーマンスはどうだったのでしょう?

テストに持ち込まれたフロントウイングを見ると特にノーズ先端がかなり薄いことが分かると思います。

ノーズ底面の面積を広くすることで、ノーズ下に取り込む空気量が増え、フロアに向けて大量に空気を流し込みフロアダウンフォース増加を狙う。

今年は、幅広薄型のノーズがある種のトレンドになっています。

アルピーヌは全10チーム中最もノーズが太いのではないのでしょうか?

アルピーヌはテストでは、C4・C5のコンパウンドは一切持ち込まず、C1~C3のタイヤのみでのテストを行いました。

ルノー製PUを積んでいるのはこのアルピーヌだけ。

他のサプライヤーと比べてしまうとどうしても実走データが少ない。

少しでも多く周回を重ねて多くのデータを持ち帰りたい、という意図があったのでしょう。

アルピーヌ2024年型マシンA524。信頼性向上で上位進出を狙う – アルボンノート (albonnote.com)

テスト期間中は基本ロングランが多かったですが、バーレーンGPの選択できるタイヤはC1~C3

その先を考えるよりも開幕戦で戦えるマシンに仕上げることを優先させたのでしょう。

テストに持ち込まれたマシンを確認するとエンジンカウルの開口部がずいぶんと大きいです。

ルノーPUは信頼性が低いので、テスト中に壊れないよう空力を犠牲にして排熱を優先させたと思います。

さすがに大きすぎるので開幕戦で使用されることは考えにくいですが、この先熱効率が厳しいサーキットでは再び登場する可能性もあります。

昨年よりもアンダーカット形状を広くとれたのには、冷却器系を上に持ち上げたからでしょう。

以前、インテ―クの内側にSダクトが付いているとお話ししましたが、その役割だけでなく、コンピュータなどの冷却にも一役買っているのでしょうか?

実走行に関しては正直に言うとアルピーヌ大丈夫か?という印象です。

ブレーキングをすればロックアップ、コーナーは曲がり切れない。

ウィリアムズに近いような印象です。

重量超過、空力も非効率、1周のタイム、ロングランも良くない。

ガスリーもあまりいい感じではないと明言しています。

トップ5に食い込めるか!?

今回分析していったのは、恐らく中団での争いが予想されるチームです。

この中で見ると安定感の面ではRBが一歩リードしているような形になっています。

レッドブルからパーツ購入できたのは前進するうえでは、本当に大きな意味を持っていると思います。

ザウバーも悪くはないけど安定感という面でかけてくると思う。

はまった時は他のチームを押しのけて入賞への期待が高まりますが、セッティングを外すとテールエンダーという可能性はゼロではないでしょう。

心配なのはアルピーヌです。

昨年までは表彰台圏内を争えることもあるくらいのパフォーマンスがあったはずなのに、今回のテストではとてもではないが争えるレベルにありません。

開幕までの勢力図はある程度分かりましたが、この先シーズンが進んでアップデートが入った時にどう変わっていけるかが重要だと思います。

別の振り返りはこちらから

バーレーンテスト2024終了。それぞれのチームを振り返ってみる(第一弾) – アルボンノート (albonnote.com)

バーレーンテスト2024終了。それぞれのチームを振り返ってみる(第三弾) – アルボンノート (albonnote.com)

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