市販車分析BMWアルピナ編。BMWのチューニングメーカーから独立したブランドに

市販車分析

F1が夏休みに入ってからマイナーなスーパーカーメーカーという特集で最近は投稿させて頂いています。

今回は車好きであれば少し聞き馴染みのあるメーカーを紹介したいと思います。

皆さんはアルピナというメーカーをご存じでしょうか?

見た目は完全にBMWと同じなので、チューニングメーカーかと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、アルピナは完全に独立した自動車メーカーとなっております。

今回はアルピナとはどんな歴史を積んできてどのようなコンセプトで車作りに励んでいるのかということを紐解いていきたいと思います。

アルピナの歴史

現在でこそ独立した自動車メーカーとして扱われているアルピナですが、かつてはBMWがモータースポーツに参加する際のチューニングメーカーとして活動していました。

昔は今の様にBMWをベースとした独自の車を作ってはいなかったのです。

しかしレースにおいてアルピナがチューニングしたマシンが結果を出し続けたことでBMW側から認められて、独立を勝ち取ることができました。

エンブレムの意味についてですが、かつてはチューニングメーカーであることの象徴として、ダブル・チョーク・ウェーバーのエアファンネルとクランクシャフトが描かれ左半分が赤、右半分が青いロゴマークとなっておりこのマークには二つの意味があります。

赤は限りない情熱、青いロゴは知性と高い志を意味しています。

元々は事務機器を製造するメーカー。

1961年から車体の内部部品に手をかけ始め、1964年にチューニングされたエンジン性能が話題となり評価され、以降BMW公認のチューナーとして認められます。

これによってアルピナがチューニングしたBMW車にもBMWの車両保証が付けられることになります。

レースへの本格参戦を開始したのは1968年のこと。

レースでもアルピナの作ったマシンが優勝するなど実績を作り続け、1983年に自動車メーカーとして正式に登録されます。

それまでは、レース活動とBMWのコンプリートカーの製作と並行してきましたが、1988年車両の受注増を受け、モータースポーツからの完全撤退を表明しました。

因みにワインの販売もとり行っているそうです。

BMWとの違い

こうしてBMWをベースにしたコンプリートカーを作っているアルピナですが、BMWとの違いは一体どこにあるのでしょうか?

私の愛車はBMWM4(F82)なので各モデルの4シリーズで比較してみたいと思います。(アルピナの場合はB4)

先述の通りBMWから公認を貰っているメーカーですので、アルピナの車種はBMWからの保証も受けられます。

先ず外見上の違いですが、5ナンバーの車種は基本存在しないということです。

そしてこれも前述通り独自エンブレムの使用。

そしてエアロパーツはスポーティーなMシリーズ・Mスポーツ仕様のものとは違って控えめなデザインのものが使われています。

先ずはMシリーズの外見、サイドミラーは縦渦を発生させるために内側中央部分を削り、内側上部を尖らせている。

ボンネットやフェンダーの張り出し、フロントバンパーもいかにもスポーツカーらしさを出したゴツゴツとした見た目です。

一方のアルピナはどうでしょうか?

見た目は最早ノーマルのBMWに近い見た目です。

フロントバンパーのフォグランプ、フェンダーの張り出しも無し。

サイドミラーもノーマルと同じ形、唯一違うところといえば、バンパーに書かれている”ALPINA”という何とも控えめな外見をしています。

そしてもう一つの特徴として、ホイールデザイン。

こちらはアルピナ独自のデザインの大量の約20本のスポークが入ったホイールが使用されています。

ホイールについては後述したいと思います。

内装についての違いですが、BMWの場合は黒などを基調とし、カーボンが張り巡らされたスポーティーな印象。

Mシリーズはシートが皮になりますが、ダッシュボードは通常のBMWと変わりません。

ダッシュボード周辺には所々カーボンが張り巡らされています。

しかしアルピナの場合は皮が全体的に張り巡らされている、どちらかというと高級車志向のデザインです。

ダッシュボードなどに木目調のデザインが使われており、スポーツカー志向の強いBMWとは真逆のデザインになっています。

因みに最上位モデルのM8とアルピナB8を比較したものが下になります。

先ずはM8

BMWはメルセデスとアウディと並びドイツ車御三家と言われていますが、その2つのメーカーと比較して弱いと言われているのが内装です。

画像を見る限り高級感のある内装ですが、メルセデスと比べるとどこかシンプル過ぎて豪華と言うには物足りない印象です。

アルピナB8はどうでしょう?

M8と比較してスポーティーさは無いものの。高級感という点では決してメルセデスとは引けを取らない豪華な内装だと私は思います。

ステアリングとダッシュボードが皮張りになっているのもより一層高級感を引き立てます。

次にメーターを見ていきましょう。

BMWは通常のモデルであると、スピードメーターのマックスは260km/hまで表示されます。

タコメーターは7,000回転まで。

しかしMシリーズとなるとスピードメーターは330km/hまで表示されるようになります。

タコメーターは8,000回転まで表示されます。

アルピナの場合はどうでしょうか?

アルピナの場合はスポーツ志向の強いMシリーズとの差別化を図るという意味で、300km/hまでの表示となっています。

タコメーターも通常のBMWよりも1,000回転少ない6,000回転まで。

車種によっては300km/h以上出るモデルもありますので、そういったモデルは330km/h以上の表示になっているようです。

因みに一般の車ではよく最高速度何km/hとよく使われますが、アルピナの場合は最高速度とは言いません。

最高巡航速度という言葉が使われます。

意味としてはその速度で走り続けられる速度、という意味です。

しかしこれだけのデザインをどのようにして可能にしているのか?

その理由としてアルピナは1台1台を手作業で作っているということが挙げられます。

BMWの場合は例えMシリーズであっても工場による流れ作業が基本。

しかしアルピナの場合は職人によるハンドメイドで作り上げられているのです。

その為年間で作られる台数は、1,400~1,700台程度。

そのうちの2割弱が日本に輸出されることになっています。

その為1台の値段はMシリーズよりも高くつくことになっています。

結論、スポーティーな車を求めるのであればMシリーズ、高級志向であるならばアルピナを検討するのがオススメかと思います。

100万するホイールの正体

アルピナにはもう一つ大きな特徴があります。

それは使用されているホイールにかなり特徴があります。

突然ですが皆さんはタイヤに空気を入れようと思ったら、ホイールについているバルブのキャップを外してそこから空気を入れますよね?

これはM4の純正ホイール、写真下にバルブがあることを確認できます。

こちらがM4コンペティションのホイール。

形は違えどホイールの上側にバルブが付いています。

しかしアルピナのホイールにはバルブが存在していません。

ではアルピナの場合タイヤの空気はどうやって入れるのか?

答えはホイールのセンターキャップを開ける、です。

一体どういうことなのか説明させて頂くと、写真の様にアルピナのホイールのセンターキャップをずらすと鍵穴が付いています。

そこに専用の鍵をセンターキャップに差すとセンターキャップが開きます。

その開いた先に空気を入れるためのバルブがあるのです。

このバルブはスポークに繋がっておりそこを通してタイヤに空気が入ります。

アルピナのホイールはこのように複雑な構造であることと、 製で作られているため値段が非常に高く4本で約100万かかるそうです。

これまで色々なスーパーカーを調べてきましたが、タイヤやホイール等の交換に大金をつぎ込んでいるメーカーが多いです。

高いかもしれませんが裏を返せばそれだけ車は足回りが大事だという風にも捉えることができます。

ケチって重大な事故を起こすよりいいでしょ?というメーカーからのメッセージかも知れませんね。

ということで今回はアルピナについて調査していきました。

私はBMWオーナーなので元々アルピナの存在は知っていたので、割と身近に感じました。

改めて調べてみると通常のBMWとは違ったコンセプトで車作りしているということが、よく分かります。

F1もまだ夏休みですので今後もF1とは違った形で車に触れて行ければと考えています。

今回も読んで頂きありがとうございました。

その他の市販車分析はこちらから

市販車分析 – アルボンノート (albonnote.com)

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