金曜日から始まった中国GP。
5年ぶりに開催される今回は、今シーズン初のスプリントがあります。
まだこのコースを走ったことのないドライバーにとっては非常に厳しい週末になりそうです。
そもそも走ったことのないドライバーがいるにも関わらずこの形式のフォーマットを採用するのはいかがなものか・・・
金曜セッションを振り返っていきましょう。
FP1から早速問題発生
スプリントレースが組み込まれている週末は、フリー走行が金曜セッションの一回のみ。
つまり、このフリー走行で、予選とレースのプログラムをこなさなければいけないことを意味しています。
初走行のドライバーにとっては少しでも多く走ってコースの習熟をしたいところ。
たったの60分で全てを仕上げることは流石にプロとはいえ難しいのではないでしょうか?
セッション開始から続々とマシンが出走。
淡々とプログラムをこなしていく各チーム。
セッション開始から約20分後、突然の赤旗。
何なんだろう?原因はまさかの芝が燃えるというありえない事態が起きました。
アスファルトは再舗装ではなく、ただ塗っただけ・・・
中国GP・・・しっかりして下さい!
久しぶりに開催されたF1ということで路面も汚く汚れている。
セッション中もコースアウトするマシンが続出しました。
FP1のトップタイムは何とストロール。
トラックエボリューションが非常に高いのであとからタイムを出した方が当然タイムは良くなります。
予選ペースでのアタックタイムを計測しなかったドライバーがいるということもありますが、ここ数戦苦戦が続きシート喪失の噂が立つストロールにとってはいい結果なのではないでしょうか?
前戦でサイドポッドとフロアにアップデートを入れたアストンマーティン。
ダウンウォッシュが増えたことで安定感も増し、上手く機能させられているように見えました。
セクター1はマクラーレンの2台が唯一の24秒台を記録
セクター2でストロールが最速を記録
セクター3ではペレスが最速。
低速コーナーではコーナリングマシンのマクラーレンがやはり強い。
その速さはセクター2の途中まで続く。
やはりロングストレート区間はレッドブルが強いです。
フェルスタッペンは最速ではなかったものの、トップのペレスに次ぐセクタータイムを記録しています。
今シーズン初のスプリント予選
今シーズンからスプリント予選の形式が以下の様に変更になりました。
- 土曜日にスプリントレース、終了後決勝レースの予選を行う
- 各セッションの時間 SQ1 12分 SQ2 10分 SQ3 8分
- 各セッションの使用タイヤ SQ1・2 ミディアム SQ3 ソフト
- スプリントレースと決勝レースの予選の間にパルクフェルメルールを一時解除。マシンセッティングの変更が可能になる
簡単に説明すると大まかなルールはこんな感じになります。
途中の赤旗は数分で解消されましたが、それでも数分の無駄は大きい。
これが各ドライバーたちにどんな影響を及ぼすのか・・・
SQ1
これまで3戦連続でQ3進出と好調だった角田がまさかのSQ1敗退。
ノーグリップと怒りをあらわにしていました。
初めてのサーキットでの走行、練習時間の短さによる被害者になってしまいました。
対してチームメイトのリカルドはSQ2進出。
チームメイトで明暗が分かれる結果となってしまいました。
他のSQ1敗退者はウィリアムズとアルピーヌのそれぞれ2台。
ウィリアムズは伏兵と見ていたのですが・・・ストレートは伸びてもコーナーでの不安定さが完全に裏目に出てしまっています。
アルピーヌは相変わらずの定位置・・・ここではオコンが軽量化された新シャシーを投入してきましたが劇的な変化は現れず・・・
この状況を一刻も早く脱出するために早急な対策が必要です。
トップ5を除いたチームを見るとハースとザウバーとフェラーリPUカスタマーの2チームが好調。
見立て通りRBにとっては今週厄介な存在になりそうです。
セッション終了後にまたも赤旗。
原因は先ほどの赤旗と同じ別の芝生が燃えてしまいました。
コースアウトしてきたマシンに飛び火したら大変なことです。
細かいところの管理もしっかりとして頂きたいところです。
セッション終盤で雨が降り出したSQ2
SQ2の序盤辺りから雲行きが怪しくなりいつ雨が降ってきてもおかしくない状況下でスタートしたSQ2。
序盤からタイムを続々と出しに行くドライバー。
天候が怪しい時は一発でタイムを出せるかが重要になってきます。
相変わらずトップ5は盤石かと思われましたが、ラッセルとストロールのタイムが今一つ伸びない・・・
もう一度アタックをかけようとしたところ、突然雨が降ってきてしまい泣く泣く断念。
結局15位ストロール
14位リカルド
13位ヒュルケンベルグ
12位マグヌッセン
11位ラッセル
という順位になりました。
ストロールはFP1で好調だったもののスプリントでは振るわず。
ハースはここで2台ともSQ2落ちですが悪くない位置に付けている。
このサーキットはストレートが長いのでDRSによるオーバーテイクは容易。
しかしトレインを作られてしまうとストレートが速いチームでも苦戦は必須でしょう。
初の地元でのレースとなった周冠宇はSQ3進出。
雨に救われた結果かも知れませんが、母国GPでこの結果を得られたのは嬉しいことでしょう。
周以上に目立ったパフォーマンスを見せてくれたボッタス。
アップデート効果によるリアの安定化は実現されていますし、今後アップデートが進めば益々怖い存在になり得るかも知れません。
大荒れのQ3を制したのは・・・
SQ2から降り出した雨は一向に止まず、ついにウェットコンディションの中で始まったSQ3。
アウトラップからコースアウトするマシンが続出。
特にルクレールはコースアウトしバリアに激突しフロントウイングに多少ダメージを受けてしまった。
ここ最近予選での不調が目立つルクレール。自分の価値を示すためにも早く復調する必要があります。
SQ3は雨によるコースアウトでトラックリミットによるタイム抹消が続出。
あのフェルスタッペンでさえファーストアタックでコースアウトを犯しタイム抹消。
ただでさえ路面グリップが低いコースに雨が降れば、ドライバーも大変でしょう。
ただ、SQ3で存在感を示したのはベテランドライバーたち。
アロンソがトップタイム!ハミルトンがトップタイム更新!
伊達に20年近くものキャリアを積んできているドライバーではないです。お見事です!
更に更にノリスがトップタイム!・・・
かと思われましたがトラックリミットによるタイム抹消。
ハミルトンのポールが確定かと思われたが・・・
なんとノリスのタイム取り消しを取り消し!!
なんだそれは!
結局判定は覆らずノリスが今シーズン初のスプリントでポールポジションを獲得。
コーナリングマシンのマクラーレン、DRSが使えずコーナーでタイムを稼ぐ必要があるときにこのマシンは真価を発揮することを改めて認識しました。
普段決勝レースではペースが良くなく落ちていくアストンとメルセデス。
今回は雨が降っていたため周回を重ねてタイヤを温める必要があった。
ステアリング修正など入力が多くタイヤに対して厳しいチームが上位に上がった。
対してタイヤに対して優しくなったフェラーリはタイヤを温めるのに苦労した感じがします。
雨が降らなければどうなっていたのか・・・
確かにそれも感じましたが、雨の予選がこんなにも面白いとは・・・
これだからF1というスポーツは世界一面白いんですよね。
スプリント当日の天候は・・・
当日の天候はどうやら雨予報はなさそうです・・・
今回4位スタートに甘んじているフェルスタッペンにとってはちょうどいいハンデ程度になってしまうかもしれません。
しかし今回のスプリント予選のトップ3は普段中々見ることができない布陣です。
これまでの予選を見ていると当たり前のようにいるレッドブルが2台ともトップ3に入っていないという、雨のお陰で珍しい展開になりました。
レッドブルの間々にフェラーリの2台が、ペレスはいかに早くサインツを攻略するか、フェラーリはいかにペレスを封じ込めるかがスプリントレースの焦点になるでしょう。
結果次第ではトップ3は大きく変わってくるはずです。
予選で19位に沈んだRB角田も予選までにいかにしてマシンを合わせられるか・・・
適応力という観点でも多くのチームから見られていると思います。
初日から色々なことが起こっている中国GP。
どうなるか最後まで見てみましょう。
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