第9戦カナダGP、FP3・予選リポート。最早差が無い予選パフォーマンス

F1 2024シーズン

先日から始まったカナダグランプリ。

雨予報が出されていましたが天気は何故か持ちこたえて、時々晴れ間を見せている。

しかしFP1・2では所々路面が濡れていたので判断の難しいセッションが続いていきそうな予感。

最後のフリー走行と予選はどうだったのか見ていきましょう。

FP3もいきなり赤旗

最後の走行練習となるFP3。

昨日のセッション、FP1では大雨の影響によりいきなり赤旗提示。

天気は曇りでドライですがここでもいきなり赤旗が提示されることになります。

周冠宇のコースアウトです。

ホームストレートを抜け、1コーナーをクリアしようとしたその時に、マシンを滑らせてリアからウォールに激突。

軽くぶつけた程度ですがグラベルから抜け出せなくなってしまった。

周はFP1のクラッシュに続き早々とセッションを終える形になりました。

前回のモナコではボッタスがFP3で早々にマシンをクラッシュさせてしまいセッションを終えていました。

金曜日のセッションも雨がありまともに走れていなかったので、路面が汚くグリップレベルが低いということと、ザウバーの欠点であるリアの不安定さが悪い意味でマッチしてしまったことが、クラッシュないしコースアウトを招いた原因だと考えます。

マシンは手早く撤去されセッションは再開。

昨日はセッティングが決まっていないのか、それともアップデートを外してしまったのか

いまいちパフォーマンスが上がってこないレッドブル。

この日のセッションでも苦戦気味です。

曲がり切れずにウォール・オブ・チャンピオンズをショートカット。

次はアウト側のウォールにすれすれ。

いや、最早当たっていました。

ここ数年余裕で勝てていただけに、苦戦すると中々活路を見いだせずにいます。

予選は大丈夫なのでしょうか?

この後赤旗はありませんでしたが、最後の走行練習ということもあり、今度はトラフィックがドライバー、チームを悩ませます。

どの区間を走っていても必ず前走車がいる。

クリーンエアはおろか、まともにアタックできないドライバーたちのフラストレーションが溜まるセッションでした。

FP3ではハミルトンがトップタイムをマーク。

ハミルトンはカナダで通算7勝。シューマッハと並びタイ記録です。

単独トップの8勝目に弾みをつけた形になりました。

金曜だけ速いと言われていたメルセデスですが、今週はずっと速い。

フロントウイングのアップデート次第で今シーズンを戦い続けるか、それとも諦めるかという重要な一戦で、好結果が期待できそうなセッションでした。

Q1ペレスまたも・・・

FP3は完全ドライだったとはいえ、トラフィックの影響でまともにアタックができなかったドライバーも多かった。

果たしてこれが予選にどういう影響をもたらすのでしょうか。

ピットレーンでは早くいけよと言わんばかりに、フェルスタッペンがピアストリのリアを突く。

良くはありませんが裁定は結局不問となりました。

トラックエボリューションによるタイム改善の幅が大きいこのサーキット。

勝負のカギを握るのはやはり”どこでコースインをするか?”にかかってきます。

その影響は早速現れたようで、タイムを更新しても後続のドライバーが次々にタイムを更新。

トップチームのマシンとはいえ一切の予断も許さない状況です。

前回モナコで勝利を挙げたルクレール、しかしタイムがイマイチ伸びてこない。

ペレスのアタックはイマイチ。

契約更新直後だけにQ3進出は絶対条件、果たしてQ2に進めるか?

後続が次々にタイムを更新し暫定15位、アルボンのアタックはどうなる!?

アルボンタイム更新、なんと4番手!

ウィリアムズ、ロングストレートのコースではやっぱり強かった。

角田もトラックエボリューションの利点を活かし、トップのフェルスタッペンに約0.4秒差の2位につける。

アルボンのタイム更新によりペレスまさかの2戦連続のQ1敗退。

この結果にはペレスも怒り爆発。

契約更新直後とはいえ流石にこの結果はまずいのでは・・・

レッドブルのマシンは今回もイマイチ、そのマシンをペレスが乗りこなせていない。

ニューウェイもレッドブルの技術者会議には出席をしていないみたいです。

ということは今のレッドブルの現状はマシンの内部構造を完璧に理解している人間がいないということ。

ニューウェイがいなければアップデートパーツも用意できない、セッティングもどうしていいか分からないという状況なのでは?

今のレッドブルのマシンから伸びしろというものが感じられません。

ザウバーのQ1敗退はセッションを見ているとある意味納得ですが、ヒュルケンベルグの敗退は少し意外でした。

Q2フェラーリまさかの・・・

Q2で待ち受けていたのはまさかの結末でした。

Q2になってもピリッとしないフェラーリ。

Q3進出ギリギリのタイムしか出せません。

特にサインツはタイムを出せていない、このまま終わればQ2敗退になってしまう。

しかし、それとは逆に今回はメルセデス勢が好調。

Q1はメルセデスPU勢全てがQ1を通過しています。

特に本家のメルセデスが予選でも絶好調。

ハミルトンもQ2ラストアタックできっちりタイムを出してQ3進出を確実なものにしました。

タイムも1分1秒台に入ってきた。

ポールラップは11秒台中盤~後半あたりか?

しかしハミルトンのタイム更新直後、ラッセルが0.2秒上回りQ2トップ通過。

メルセデスかなり良さそうです。

フェルスタッペンはまだ苦しんでいるのか、Q3進出は確実にしましたがタイムが伸びてこない。

その後ろからサインツがラストアタック。

まさかQ3進出をかけてチームメイト同士が争うことになるとは。

しかしタイムは伸びずまさかのQ2敗退が決定、ウォール・オブ・チャンピオンズクリア後に滑ってしまったのが原因か。

これでルクレールは暫定10位、果たして守れるのか。

タイム更新の芽が無いルクレールはアタックを諦めピットに戻る。

その直後にアルボンがフィニッシュラインを通過。

タイムは・・・なんと6番手。

この結果によってフェラーリまさかの2台ともQ2敗退。

前戦モナコの優勝者であり、予選が得意なルクレールが敗退というとんでもない結果に。

ルクレールは無線で怒りを訴え、サインツは無線でミスした自分に対してガッカリというニュアンスの内容でした。

アルボンはQ1ではペレス、Q2でフェラーリ2台というトップチームを食ってのQ3進出。

アルボン、やはりただものではありませんね。

暫定9位だったストロールは、これにより10位に転落も何とかQ3に進出。

地元で何とか面子を保った形になりました。

Q3にフェラーリがいない。

ティフォシである私にとってこの上なくショックといえるQ2でした・・・

全く同じタイム、ポール争いを制したのは

Q3は前回のモナコと同様タイム差が殆どない接戦になると予想。

フリー走行とこれまでの予選結果を見ると今回はメルセデスが抜けている感じがしますが、この好調が最後まで続くか・・・

Q3で雨が降ることが予想されましたが、ここでも天気は持ちこたえた。

この12分も完全ドライセッションとなりました。

先ずは、ピアストリがコースインしタイムを記録。

その直後にフェルスタッペンがタイムを更新し暫定ポールに付ける。

他のドライバーも続々コースインし、タイム更新を狙うも何れもフェルスタッペンのタイムには届かず。

他のドライバーたちがコースインしているにも関わらず中々出てこないメルセデス。

余裕があるのか・・・どちらにしても今回のメルセデスは何か不気味な雰囲気を感じます。

完全なクリーンエアーになったところでラッセルがコースイン。

暫定ポールのフェルスタッペンのタイムを余裕で上回っていきます。

その後ろからハミルトンがフィニッシュラインを通過しようとしている。タイムは・・・

ラッセルに及ばなかったものの、フェルスタッペンのタイムを抜き、メルセデスが暫定でフロントローを独占する形に。このまま終わるか?

しかし、好調が続くマクラーレンが黙っていなかった。

先ずピアストリが2回目のアタックでラッセルのタイムに僅か0.1秒差と迫るも暫定2位。

次にノリスがアタックを仕掛ける。

結果はほんの僅か及ばず0.021秒差でピアストリを抜き暫定2位を更新。

コンマ100分の1を争う。まさにこれこそF1の予選のあるべき姿です。

そして暫定4位に付けてきたのは意外な伏兵、リカルドが0.178秒落ちでハミルトンの間に入ってきた。

RBのマシンが戦えるマシンになっている。メキーズの加入は大きいです。

ここ数戦予選で振るわず、4戦連続でストロールに負けていたアロンソ。

今回は鬱憤を晴らすかのようにQ3にやってきました。

タイムはリカルドに及ばず暫定5位。

コンマ100分の1の戦いはまだまだ続きます。

フェルスタッペンがラストアタック。セクター1は全体ベスト。

セクター2は自己ベストもラッセルとの差は0.008秒差まで縮む。

セクター3でどこまで伸ばしてこれる!?

なんとなんと全く同じタイムだ!!

今週ずっと苦しみ続けたフェルスタッペン。最後の最後で合わせてきた。

凄い闘いです。

これにはメカニック達も驚きの表情。

そうでしょう、こんなこと滅多にありませんから。

しかしルール上タイムが全く同じだった場合は、先にタイムを出したドライバーの方が上の順位なのでこの勝負はラッセルに軍配が上がったことになります。

ハミルトンのラストアタックもアロンソのタイムに0.005秒及ばず7位。

ラッセルもラストアタックをしたもののタイム更新とはなりませんでした。

これによりラッセルの通算2度目のポールが確定。

無線で喜びを爆発させています。

これにて今回も白熱だった予選は終了!

そして忘れていました。

ラッセルはこういう奴だったということを・・・(笑)

天気次第で変わる決勝の展望

ここまでは何とか天気が持っている格好となりましたが、決勝がどうなるかは予測が付きません。

メルセデスは今回最高の結果になった要因として、フロントウイングのアップデートが機能していると思います。

モナコの時からフロントウイングの最上段のフラップを他チームと同じ仕様にしたことで空力的に安定したパフォーマンスを得られていると考えますが、フロントウイングを変えただけでそんなに劇的に変化するものなのでしょうか?

とはいえドライバビリティのマージンを削ってその分マシンパフォーマンスに充てているのですから、乗りこなせたときに速いというのは、ある意味当然の結果だったのかも知れません。

レッドブルが少しずつ停滞し、その他の勢力がもっと力を付けてくればこの先面白いレースは何度でも見られそうです。

一方予選で振るわなかったフェラーリ。

原因として考えられるのは、タイヤに対する易しさが仇になっていると考えられます。

タイヤに対して易しいということは、逆に言えばタイヤが温まりにくいということ。

ジル・ヴィルヌーブサーキットはグリップレベルが低く、ダウンフォースを必要とする高速コーナーもない。

無線でグリップが無いと訴えていましたが、それはアウトラップでタイヤを十分に温めきれないままアタックラップに入ってしまったということ。

今回もマクラーレンがトップに食い込んでいますが、メルセデスとはある共通点があります。

それはタイヤに対する攻撃性が高いマシンだということです。

しかし、マクラーレンはメルセデスよりデグラが少ないので予選で及ばなかった分、決勝で追い抜けるペースを持っている可能性は十分にあるマシンです。

アストンもここ数戦振るわなかった分、タイヤのデグラがかなり少ないので、決勝でも十分に戦えるマシンです。

ここ数戦落ち込んでいたチームが今回はトップ10、上位を争う展開となりました。

カナダは追い抜きが簡単なコースなので下位スタートのドライバーにも可能性は十分に残されているコースです。

フェラーリはスタートで一台でも多く抜いて、ダメージリミテーションを最小限にすることが今回の目標になってくるはずです。

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