エミリアロマーニャGP初日が終了しました。
多くのチームが大規模アップデートを入れて臨んだ第二の開幕戦。
順調にプログラムをこなしたチーム、セッティングを外して苦戦したチーム、意外にもアップデートが機能したチーム。
それぞれのチームに明暗が分かれました。
特に大規模アップデート敢行のフェラーリ、ルクレールがFP1・2共に首位でセッションを終えました。
フロアエッジにアップデートを入れたメルセデスも調子が良さそうです。
絶好調のフェラーリ
今回はフェラーリが最初のフリー走行から絶好調。
予選ペースも速く、レースペースもそこそこ良い。
FP1からフェラーリは絶好調。
何度かコースアウトをする場面は見受けられましたが、ミスなくまとめられた時のタイムは他チームと比べて本当に速いです。
一部RB20を見習ったアップデートを敢行してきたフェラーリですが、所々に独自解釈を加えた部分も見受けられる。
風に弱いと言われていたフェラーリだった昨年とは大違いのパフォーマンスです。
コーナリング時もステアリングの修正がほとんどなかったことからも、パフォーマンスの改善が伺えます。
FP1ではサインツがバリアンテ・アルタでオーバーランしていました。
しかしこれだけマシンが跳ねてしまうと、マシンの挙動も予測不可能ですし操縦も難しいでしょう。
これがグランドエフェクトの一番の弱点。
グランドエフェクトはいわゆる車体底部(フロア)と上部との圧力差でダウンフォースを発生させている。
真空状態を作るということです。
マシンが跳ねることで真空状態が解けてしまうと、ダウンフォースは無くなるどころか下手したら浮力が発生してしまう。
非常に危険な状態です。
40年前のグランドエフェクトカーでは、これが原因で重大な事故が何件も発生してしまっていた。
現代のグランドエフェクトカーはまた違った解釈でマシンが作られているので、昔のようなことにはならないとは思います。
RB予選ペース〇、レースペース×
今週は持ち込みアップデートを上手く機能させているRBが好調。
特に角田はFP1では6番手タイムをマーク。FP2ではまさかの3番手タイムをマークした。
追い抜きが難しくトラックポジションが重要なイモラでは予選にセッティングを振った方が良いのかもしれない。
初日なのでまだ何とも言えませんが、少なくとも入賞圏内は確実なパフォーマンスは持っている模様です。
・・・と言いたいところですが、決勝レースでのペースが明らかに悪い。
ハードタイヤでのロングランは見たところ悪くないですが、問題はミディアムタイヤ。
ロングランのタイムは良くないだけでなく、デグラも酷い。
いくら追い抜きが厳しいコースとは言え、これだけロングランが良くないと決勝レースは置いてかれるかもしれない。
逆にリカルドはロングランのペースが角田よりいい。
これに関してはセッティングを分けている可能性が高い。
上の図を見てください。
トップ5と呼ばれているチームはロングランのペースが良いことはもちろん、デグラも少なくタイヤのタレも少ない。
特にマクラーレンとメルセデスはハードタイヤをかなりうまく機能させている。
ハードタイヤを機能させるためには、ある程度の攻撃性が必要。
マクラーレンはともかく、メルセデスはタイヤに厳しいマシンなので、ハードタイヤを上手に機能させられているのだと思います。
下位チームのミディアムタイヤのロングランはデグラが良くないチームが多い。
特にRBとザウバー。この2チームは特にデグラが酷い。
ザウバーはアップデートを通して改善されたかと思いましたが・・・
フロアエッジの処理の理解度が未だに進んでいないのが原因か。
リアの安定感がまだ完全ではなさそうです。
セッションを見ていてリアから火花も良く散っていた。
サスペンションセッティングが硬いからポーパシングも起きている。
ザウバーはまだまだ発展途上といったところですね。
決勝でトレインが形成されずオーバーテイクがおきるレース展開になれば、フェラーリとマクラーレンが本命と言えるレースになりそうです。
メルセデスもレースペースは良さそうなのでこの2チームにどう食い込めるか。
どうしたフェルスタッペン!?
二度のフリー走行を通して調子が悪そうだったのがレッドブル。
多くのドライバーがオーバーランを幾度も繰り返していた。
アクエ・ミネラリでのブレーキングミスによるオーバーランでサンドトラップに突っ込む。
バリアンテ・アルタでは曲がり切れずにオーバーラン、縁石に乗り上げた際にバランスを崩してスピン。
リバッツァではブレーキングが遅すぎるのか、減速が足りなさすぎるのか・・・ブレーキがロックしてしまいサンドトラップに突っ込んでしまう。
コーナークリアができても膨らんでコースアウトをしてしまう。
イモラはセクター2からセクター3の後半にかけてミスが起きやすい区間が続出している。
しかし、FP2になると多くのドライバーはFP2が進んでいくにつれてミスを犯すドライバーは減っていきました。
しかしフェルスタッペンに関しては、最後の最後までミスが無くならなかった。
一体どうしてしまったのか?
高速コーナーが中心のセクター1は速いのですが、セクター2・3ではフェラーリに後れを取ってしまっている。
イモラはバンピーな路面だけにダウンフォースがしっかり出せるマシンであるほど今回は苦戦している。
ダウンフォースが強すぎるせいかストレートが全然伸びてこない。
これまでは他のチームよりダウンフォースを付けてもストレートスピードをあまり損なっていなかったからあれだけのパフォーマンスを発揮できていた。
まさかとは思いますがニューウェイの離脱による影響が早くも出ているのか・・・
予選次第ではいくらでも変わりますが、前述の通り決勝はフェラーリとマクラーレンが本命、メルセデスが対抗馬と予想しますが、レッドブルも土曜日セッションでの修正次第で、優勝争いに加わる可能性があるかもしれません。
土曜以降の各チームの対応に期待
という訳で初日はフェラーリが地元での優勝に向けて好調なスタートを切りました。
角田もFP2で3番手タイムを記録するなど好調ですがロングランのペースが良くない。
逆にリカルドは一発は速くないですがロングランのペースは角田よりも良さそうです。
フェルスタッペンも結局最後までコースアウトを繰り返すという非常に珍しいシーンも印象的なセッションでした。
とはいえフェルスタッペンレベルの技術であればきっとFP3の頃には巻き返してくるかも知れません。
とはいえまだ初日なので結果に対して一喜一憂は良くないと思います。
土曜日セッションではまた序列が変わることが十分あり得ますので、土曜日セッションがどうなるか見てみましょう。
コメント