第6戦マイアミGP。読めないFP1の序列、波乱続きのスプリント予選

F1 2024シーズン

ゴールデンウィーク終盤のイベント、マイアミGPが開幕しました。

前戦上海同様、スプリントが開催されるプログラムなので、フリー走行が今日の一回しかありません。

路面グリップは中国ほど酷くはないですが滑りやすい。

走れば走るほど路面が改善されるトラックエボリューションが高いので、フリー走行の段階で多く走ってもらう必要があります。

セッティングが難しいこのサーキットで各チームはどのように対応することができたのか振り返っていきましょう。

いきなり赤旗

フリー走行がこの一回というだけに、開始直後から続々とマシンがコースイン。

ハードブレーキングによるオーバーランやコースアウトが続出する中で、ルクレールがターン16で単独スピン。

本来であればスピンターンでそのまま走行を続けられるところですが、クラッチが効かないのかそのままマシンを降りてしまいました。

ルクレールはこのフリー走行でたった3周しかできなかった。

不安を残すままスプリント予選に臨まなければならなくなりました。

このスピンによりコース上残ったマシンを撤去するために赤旗中断。

それからほどなくして再開。

各ドライバーたちがぬるぬる路面に苦戦しながらもタイムを更新していく。

しかしその中でフェルスタッペンがターン17で二度もオーバーランを犯してしまう。

今回のセットアップはリアウイングが薄め。

ダウンフォース不足により低速コーナーで苦しんでいるのか・・・

そんな中でもチームメイトのペレスは暫定でトップタイムをマーク。

今年はフェルスタッペンが良くなくてもペレスがしっかりと仕事してくれるのは心強いですね。

しかし路面状況がどんどん良くなり続々とタイムを更新。

メルセデス、特にラッセルは乗れているのかな?という印象。

ここまで大掛かりなアップデートをしていないだけに不気味な存在。

ただしリアの不安定さという大きな弱点が心配なところです。

一つ気がかりな点としては大きめのルーバーを投入してきたこと。

今年はパワーだけでなく信頼性も今一つなメルセデスPU。

ダウンウォッシュ流れを邪魔してリアセクションに向かう気流の流れを乱さなければいいのですが・・・

アルピーヌも両ドライバーに軽量シャシーが投入されたことでパフォーマンス改善が見られたような気がします。

今回はリアウイングセッティングをガスリーとオコンで分けていますがほんの僅かにオコンの方が速い。

トップタイムから0.6以上落ちなかった辺り、アップデートが上手くいっているという印象です。

RBはフロアとディフューザーにアップデートを入れてきました。

ミディアムで両ドライバー共に良いタイムを計測できているのでこの先期待が持てそうな滑り出しです。

ハースはフロアフェンスにアップデートを入れてきました。

フロアフェンス入口を前に突き出す。レッドブルに似たような形を取り入れてきました。

こうすることでトンネル内部を通る気流は渦を作りながら流れていき、画像では分かりませんがキックポイントが前に移動しているならば、フロントダウンフォースも強まっているはずです。

フリー走行でもトップ10には及んでいませんが中団勢として悪くない位置に付けられています。

意外にも期待外れだったのがザウバー。

こちらもフロアフェンスとフロントウイングのアップデートでアウトウォッシュを強めてきましたがいまいちタイムが伸びてこない。

RBのライバルと目していましたが、ハースの方が厄介かもしれません。

ウィリアムズは薄いウイングのせいでセクター1が他チームよりも遅れている。

セクター3のロングストレートでは最高速をたたき出していますが、セクター1の遅れを取り返せるレベルではない。

マクラーレンはノリスがいまいち乗れていないのが気になりました。

逆にピアストリの方が調子は良さそうに見える。

結局終盤でフェルスタッペンが最速タイムをたたき出し誰も更新できずに終了。

決して調子は良くなさそうですが、ポンっと一発でタイムを出してくるあたりが強いです。

私の予想通りトップがレッドブル、僅差でマクラーレン、三番手にフェラーリという形でフリー走行が終了しました。

スプリント予選は今回も波乱続き

前戦上海では天候が雨だったこともあり、波乱が起きたスプリント予選。

今回は天候こそ晴れでしたが波乱は起きました。

SQ1はウィリアムズとザウバーがそれぞれ2台、アルピーヌのガスリーがまたしてもSQ1敗退。

この5台について共通して言えていることは、セクター1のタイムが遅い。

ウィリアムズに至ってはアルボンが唯一の30秒台とかなり遅れを取っています。

セクター3のロングストレートではアルボンが全20台中最速の344km/hをたたき出しているので、相変わらずトップスピードは最速クラスです。

リアウイングが薄いので高速コーナーが続くセクター1で遅いのは仕方ないのかもしれませんが・・・

ストレートよりもまずはコーナリングを何とかしないと戦えないレベルのマシンです。

ザウバーが2台とも敗退したのは正直意外でしたが、フリー走行の結果を見れば妥当なのかもしれません。

ガスリーは軽量シャシーが投入されたうえでこの結果。

色々と厳しい位置に立たされています。

トップタイムはノリスが唯一の27秒台を記録。

その後ろにピアストリが続きSQ1はマクラーレンの1-2。

低速コーナーが連続して続くこのコースではコーナリングマシンであるマクラーレンの長所がさく裂しています。

トラックエボリューションが良いのでFP1でのタイムはあまり参考になりません。

タイヤに優しいチームは熱入れに苦労しているかもしれません。

あとはどの位置でマシンをコースに送り出すか、チームの戦略が求められることになります。

SQ2では角田がまさかのタイムを記録できずにSQ2敗退。

ワンアタックに賭けたことが裏目に出る形になりました。

ここ最近チームの戦略が機能しかけていただけに残念な形で終わりました。

スプリント予選とは言え一つ上の順位にマグヌッセンがいるというのも嫌な予感がします。

パフォーマンス向上が見込まれているアルピーヌのオコンもここまで。

しかし意外だったのがメルセデスが2台ともSQ2で敗退してしまいました。

SQ2を9位で通過したストロールとのタイム差を見ると0.1秒も差がないあたり、かなり熾烈なSQ3争いであったことが伺えます。

ここでもノリスがトップタイムを記録。

SQ2で2番手につけているペレスに対して0.268秒と結構な差を付けたうえでのタイム。

もしかするとスプリントレースで2戦連続ポールもあり得るのではないかというSQ2のセッションでした。

SQ3では全車ソフトを履いてのアタック。

ここまでトップタイムを記録し続けているノリスでしたが嘘のようにタイムが伸びなくなりました。

ノリス、まさかの9番手。

ピアストリは6番手。

トップスピードの伸びの悪さとデグラがやはり今後の課題。

シーズンを通してどう改善していくか。

今回はリカルドが大健闘の4番手。フロアアップデートが効いています。

しかしそれだけに角田に対する戦略ミスは勿体ないです。

決勝では3グリッド降格が決定しているリカルド。

スプリントで頑張ってもらいたいところです。

ハースのヒュルケンベルグは手堅く10番手を獲得。

予選が上手いこともそうですが、このチームもフロアアップデートが効いているように見えます。

後はいかにレースペースが速くなるか。

角田の前にマグヌッセンがいるというところも嫌な予感がします。

フリー走行ではスピンによりたった3周しか走れなかったルクレールですが、スプリント予選では見事にリカバリーしフロントローを獲得。

先ずは確実にフィニッシュして、ポイントを積み上げていきたい。

結局フェルスタッペンがポールポジションを獲得。

自身が記録したポールラップに対して不満だというのも驚き。

良いドライバーの条件の一つとして、一発でポンっとタイムを出せるというのが持論です。

単純な事のようですが、やはりこれができるドライバーは強い。

タイヤに優しいけどミディアム、ハードだと熱入れに若干苦労するレッドブルとフェラーリの両チーム。

発熱が良いソフトタイヤを履けばこうなることは明白か。

今回も低速コーナーの出口でトラクションを利かせられれば、オーバーテイクは比較的容易なコース。

スプリントレースでどのような動きが見られるか注目です。

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