2024年の日本GP開幕まであと2週間を切りました。
皆さん準備は進んでいますか?
ですがドライバーたちが日本に移動してくる前に一つレースが控えていることをお忘れではないでしょうか?
そうです。
3戦目オーストラリアGPが明日から始まります。
前戦のサウジアラビアGP同様にエンジンパワーがモノをいうサーキットです。
サウジアラビアほどではないですがところどころに存在する高速区間でのパフォーマンスも無視はできません。
では、各チームがどのようなマシン、セッティングを持ち込んできたか早速確認してみましょう。
3つに分かれたリアウイングセッティング
見出しの通り今回のリアウイングセッティングは
- ミディアムハイ(ややダウンフォース強め)
- ミディアム(中間)
- ミディアムロー(ややダウンフォース弱め)
の3種類に分かれています。
以上の画像が10チームのリアウイングセッティングになります。
先ずミディアムハイセッティングのチームは以下の通りです。
- レッドブル
- アストンマーティン
- マクラーレン
- ウィリアムズ
- ザウバー
の5チームです。
前戦のサウジアラビアでも他チームよりもダウンフォース多めのリアウイングセッティングにも関わらずしっかりとストレートのトップスピードを確保していた。
今年のレッドブルのマシンRB20はマシンのボディ形状に変更を加えることで調節している。
それはどこなのか?
キャノンデッキ横に備え付けられた開口部の面積で変えているんです。
排熱効率が他チームのPUよりも良いホンダPUだからこそなせることです。
多少熱効率を犠牲にしても問題ないという信頼性の高さが空力効率の上昇に繋がっています。
私の持論ですが熱効率を優先させれば空力は犠牲になる。
逆に空力を優先させれば熱効率は悪くなる。
私の持論はあながち間違っていないのかも知れません。
続いてアストンマーティンとマクラーレン
前戦のサウジアラビアでのストレートスピードはワーストレベルでしたがコーナリングが速い。
いわゆるコーナリングマシンです。
今回のオーストラリアでもトップスピードを犠牲にコーナリングを重視したセッティングです。
この2チームともにリアの不安定さが欠点なので立ち上がりでのトラクションを意識したセッティングにしたのではないかと考えています。
しかしエンジン全開率は全グランプリ中トップクラスで高いので、トップスピードを削るという選択がどう出るかは何とも言えないところです。
ザウバーも同様にリアのスタビリティが弱点ですがサウジアラビアの時のレースペースは悪くなかった。
意外だったのがウィリアムズです。
サウジアラビアではトップスピードが最も速かったチーム。どうやらウィリアムズはボディ構造でトップスピードを稼ごうとするレッドブルと考えは同じですが、違った場所で実現しているみたいです。
ウィリアムズといえばこの極端に窪んだサイドポッドスライダー。
本来サイドポッドスライダーはそこでダウンウォッシュを作ろうとすために作られている機構。
ですがウィリアムズの場合は急激な角度をつけることによって、窪みの部分に負圧を発生させて空気抵抗を減らそうという考え方。
そうしてトップスピードを稼いでいるのではないかと考えています。
続いてミディアムダウンフォースのセッティングにしたチームは
- フェラーリ
- ハース
によるフェラーリPUを積む2チーム。
フェラーリPUはサウジアラビアでもトップスピードは上位を記録。
やはりパワーという面においてはグリッド上で最強だと思います。
そして昨年のこの2チームの共通の課題はタイヤのデグラが酷くレースで持たなくなり順位を落とす
というのがお決まりでしたが、前回のレースを見ているとそれは見事に改善。
決勝でも同等のパフォーマンスを持ったチームと競り合いができるようになりました。
今回の2チームのセッティングを見る限り、PUが持つストレートスピードの伸びの良さも生かしつつ、高速コーナーでのパフォーマンス、決勝でタイヤを持たせることを考えたセッティングだと考えています。
最後にミディアムローセッティングの3チーム
- メルセデス
- RB
- アルピーヌ
です。
メルセデスPU勢はみんなミディアムハイセッティングにも関わらず、本家のメルセデスだけダウンフォースを削ったトップスピード重視のセッティング。
マクラーレンとアストンマーティンはリアの不安定性を考慮したうえでのリアウイングセッティングです。
メルセデスにも同様のことが言えるのですが果たして・・・
RBは前回のサウジアラビアではモンツァ並みに薄いリアウイングを持ち込み最高速はトップクラスでした。
しかしそれが仇となりダウンフォースを削りすぎたが故にリアが不安定、しかもタイヤを早く傷めてしまいズルズルと後退してしまう何とも残念な結果に終わってしまいました。
今回持ち込まれたリアウイングも前回とまではいきませんがトップスピードに振ったかのような薄めのウイング。
正直に言って前回の反省を全然生かしていないのでは?と思ってしまいました。
今回は立ち上がりのトラクションが大事だと思っていますが、そんなリアダウンフォースが少ないセッティングで思い切って踏んでいけるのか・・・疑問です。
アルピーヌに関しては10㎏の重量超過ハンデというのを考えると仕方ないか、と言わざるを得ません。
しかし今回もエンジン全開率は高いサーキットなので苦戦は必須だと思います。
しかしリアウイングセッティングでここまでばらけるのは珍しいことだと思います。
ザウバーのアップデート
今のところアップデートが確認されたのは、ザウバーのリアウイングのみです。
結論から言うとザウバーが入れたフロントウイングのアップデートは全体的にアウトウォッシュを強めたアップデートになります。
翼端板に近づくにつれ、外向きの傾斜が急こう配になっています。
傾斜の急こう配はより外側に空気を流そうとしている。
フラップ2枚目と3枚目の間にセパレーターが設けられました。
隙間を埋めて上下に流す空気をより切り分けるデザインになっています。
翼端板の形状も全体的に変更され
翼端板の前側の傾斜はより丸みを帯びたような形に
翼端板下の切り欠きの形状にも変更が加えられました。
何れもアウトウォッシュの強化に一役買っています。
セッティングを出すのが難しい
アルバートパークサーキットは半公道サーキットですが、実際に使われるのはF1によるレースがあるときのみ。
そして暦上、日本とは真逆の秋なので落ち葉があり路面も埃で汚れている。
それ故にFP1ではまともにタイムを出せませんが、走り込めば走るほど路面は綺麗になっていく。
トラックエボリューションが非常に高いサーキットです。
それだけタイムが劇的に変化するということはマシンセッティングには細心の注意を払う必要があるということです。
今回のセッティングでは見事に3通りにばらける運びとなりましたが果たしてどのセッティングが正解なのか?
少なくともFP1・2では分からないかと思います。
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