ベルギーGPが終了し、F1は現在夏休みに突入しています。
それと同時に世間ではパリオリンピックが開幕。
渋谷では角田のオフィシャルストアが限定開店など、実際にレースは無くとも色々な話題で溢れかえっています。
F1が丸々1ヶ月もないわけですが皆さんはその間をどう過ごそうと考えていますか?
マシンに対する知識を今のうちに深めておこう。
前半戦の振り返りをしようという方もいらっしゃるのではないかと思います。
勿論私もレースが無い時うちに知識を深めて皆さんにより良い情報を提供できるよう勉強や分析に励んでいます。
ただ、私の場合それだけではありません。
F1を観て分析をする上では、細かい動きや違いに気付かなくてはいけません。
そのためにはマシンの挙動や姿勢、ドライバーのステアリングの切り方など一つ一つをよく見て切り抜かなくてはならないのです。
要するに”観察眼”や”眼力”が必要なのです。
でも今はレースもないしどうやって鍛えれば・・・
皆さん、冒頭でも触れましたが今はオリンピック真っ最中です。
観察眼はF1以外のスポーツでも十分に鍛えることができます。
今日はそんな”眼”の鍛え方を私の場合のケースも含めて紹介したいと思います。
私の場合の観察眼の鍛え方
F1第14戦ベルギーGP決勝リポート。ラッセル二勝目がまさかの結末に。 – アルボンノート (albonnote.com)
ベルギーの決勝レースの分析が大変遅れました、と上記の投稿で触れましたが、それには理由があります。
2025年の日本GPに向けたデータ取りの練習に行っていました。
番外編-鈴鹿に向けた準備はできていますか?私が提唱する鈴鹿の楽しみ方2 サーキット編 – アルボンノート (albonnote.com)
こちらの投稿で、データを取るための資料を作って実際に現地でタイム等を計測していたのですが、やはりやっていく上で反省材料は色々と出ました。
来年はどの部分をどう改善して、どんなデータを取りたいのか?
それを練習しておく必要があると感じました。
そこで私が行ったのはこちらになります。
そうです、東京ドームです。
何をしに行ったの?と思われた方も多くいらっしゃると思うのでお答えします。
都市対抗野球という社会人野球の全国大会です。
毎年6月辺りから各地方で予選が行われ、勝ち上がったチームが7月中旬から終わりにかけて東京ドームで優勝をかけて試合をするトーナメント形式の大会です。
大きな特徴としては、同じ地区の予選を敗退したチームから3人まで選手をレンタルできる”補強選手”という制度があります。
前年の優勝チームは無条件で次の年の都市対抗本選に進めますが、この補強選手という制度を使うことができません。
社会人野球を勧めるメリットとして。
- レベルが高く、元プロ野球選手も所々見られる
- 初日、準決勝、決勝以外は毎日3試合行われている
- 野球はワンプレー毎に区切られるので、整理が付きやすい
先ず説明すると、社会人野球はアマチュア野球の中では最高峰のレベルです。出場しているほぼ全てのチームが企業チームであり、企業でプレーできる選手はほんの一部のレベルの高いプレイヤーたちです。
もっと簡単に説明すると、トップクラスの企業はプロの2軍程度であれば勝ってしまいます。
社会人野球では戦力外になったプロ野球選手も所々散見されます。
社会人の選手はそんなプロで何年も現役を続けてきた選手たちが相手であっても、互角もしくはそれ以上の勝負をすることができます。
2つ目のメリットについては、このレベルの高い試合を一日3試合もやってくれます。
選手の動きや一挙手一投足を観察できる時間が沢山あるということです。
それに加えて都市対抗野球は全て東京ドームで行われますので、雨による雨天中止で予定が狂うということも先ずありません。
3つ目のメリットとして、野球の場合は1球ごとにプレーが止まってくれるので、データの整理がしやすいです。
F1の場合絶えず動き続けるマシンに対してストップウォッチを構え続け正確に押しデータ用紙に記入、と情報量が多く延々と続けなくてはいけません。
前述の通りワンプレー毎に止まってくれる野球では、データをまとめやすくデータ取りの練習としては持ってこいだと思います。
敢えて4つ目のメリットとして挙げませんでしたが、社会人野球独特の雰囲気緊張感を楽しめることもできます。
例えば高校野球は華やかな応援も魅力の一つですが、社会人の応援も地域性に富んでいて中々魅力的です。
そういった周りの雰囲気を楽しめる余裕があることも、観察眼を鍛えるうえでは重要になってきます。
アルボンさんって何者? – アルボンノート (albonnote.com)
上記で管理人の生い立ちについて触れたことがありますが、私は元々社会人野球の選手でした。
その際に私は野球に対して色々な批評、批判を書きましたが、やはり四半世紀近くかけてやってきたもの。
困ったことがあった時には、戻るべき場所なんだと思っています。
データ取りの練習として用意したもの
今回データ取りの練習と評して試合を見てきたのですが、このデータ取りの練習として用意したものが下記になります。
- 配球表(3試合分)
- 打球方向図(3試合分)
- 各チームの注目選手の経歴(データ、選手の特徴等)
の3種類の情報用紙を用意しました。
約1ヶ月前から準備を始め、何のデータを何の為に取るのか?そのデータを取ることで分かることは何なのか?という目的、目標ははっきりさせる必要がありましたので早めの準備を心がけました。
配球表は投手視点からとします。
球種によって記号の形を変えます。
投手の利き腕によって記号の書き方を反転させています。
1試合目はセンター方向から。
2・3試合目はバックネット裏から観戦しました。
ここで私が定めたデータを取る際の課題として、視点が変わっても正確に取り続けるということと決めました。
この場合、特に配球表の記入に注意です。
センター方向から見ている時は投手と同じ視点になるので、投げたコースに対してそのまま記入すれば良いのですが、バックネット裏でデータを取る際には視点が反対になります。
特に投手の利き腕によってもガラリと変わってしまうので注意を払いながらの記入となりました。
打球方向図についてですが、配球と打球方向の関係性を調べるために用意しました。
ゴロは〇、ライナーは□、フライは△で記入するようにしました。
赤字で印を書いた時はヒットとします。
各チームの注目選手の経歴などをまとめた用紙を用意した理由として、選手の特徴を理解しておけば、どんなタイプの選手なのか?どんな配球が考えられるか?という視点が定まりやすいだろうという考えで用意しました。
こちらも1ヶ月前に用意しだしましたが、流石に出場が決まっていない段階から用意し始めたので不確定な部分も多い中での準備となりました。
そこまでやるか?と思う方もいらっしゃると思いますが、
例えF1ではなくともデータを取ると決めた以上は徹底的に調べて本気なってやる必要があるというのが私の信念でもあります。
観察眼を鍛えることは色々なスポーツからできる
データ用紙に正確に記入することも勿論目的の一つですが、それだけではありません。
選手の動きを観察して観察眼を鍛えることも目的の一つとしています。
今回私の様に野球を例にして考えた時に。
守備側の目線になって考える場合、選手の目線(ベンチからの指示は?)や守備位置、ランナーは何処にいるのか?キャッチャーの配球等から、どの様にして打者を抑えようとしているのか?点差とイニングの関係性によってどういうポジショニングが適切なのかを考えます。
そしてこれらを加味して予想される配球を割り出そうとしています。
逆に打者目線で考えた時に、何球目の何の球種に手を出したのか?どういうスイングの仕方だったのか?タイミングはあっているのか?
等という観点からどの球を待っているのかという打者心理を、一挙手一投足から観察して割り出す、というところまで私は観る様に心がけています。
上記の写真が今回まとめたものの例となります。(3試合目)
反省点はやはり沢山あり、ヒットを打った球ははっきりしたのですが、それを誰が打ったのか?
そして三振を取った球や、フォアボールになった球が一切分からないような記入になってしまったということは反省点だと思います。
来年も勿論練習に伺わせていただこうと思っているので、来年までに反省点を潰してより良いデータを取れるよう改善していこうと思います。
・・・とこのように、PSDAサイクルを意識したのですが、耳にしたことがあるでしょうか?
PCDAサイクルとは・・・
- P・・・Plan(計画)
- D・・・Do(実行)
- C・・・Check(確認)
- A・・・Act(反省・改善)
の4つのサイクルを経て業務などの継続的な改善を図ろうとすることを言います。
自分で計画したことを実際にやってみて振り返りをするということはとても大事だと思います。
今回はあくまで私の例で紹介させて頂きましたが、色々なスポーツから観察眼を鍛えることはできるはずです。
テニスであれば、ショットの意図であったり、サッカーからは選手の目線は何処にあって、どの様に動こうとしているのか?
今開催されているオリンピックはそういった観察眼を鍛える絶好の機会だと思います。
ただ、注意点としては、何のデータを取るのか?そのデータは何を意図していて何に活かしたいのか?という目的を自分の中だけで良いのではっきりと決めておく必要があります。
今回は番外編として、F1とは全くかけ離れた話をしてしまいましたが、F1のレースが無い時にそういった知識を付けたり、観察眼を身に付けようとしたりする、F1がオフの時期だからこそ時間を無駄にせず有意義に使って見てはいかがでしょうか?
そういったところで他のファンと差を付けていくべきだと思います。
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