第5戦中国GPが終了しました。
決勝は2度のセーフティーカーによってレース展開が変わる。
チームの戦略が問われるレースとなりました。
結果だけを見た方の中にはやっぱりな・・・と思う人がどれだけの数いるのでしょうか?
フェルスタッペンがセーフティーカーをものともせず、最後まで安定した走りで他のドライバーを大きく話しての優勝。
レッドブルの両ドライバーには、1戦出場停止くらいのハンデがあっても良いように思えてきます。(笑)
レースはとても面白かったのですが、レース運営に関しては気になることが、いくつもありました。
今回はどんなレースだったか早速振り返っていきましょう
バトル多発の決勝レース
レーススタートではスプリント同様動きが。
9位のヒュルケンベルグがフェラーリの2台を抜き7位浮上。
後方では角田が19位→16位へ。
ルクレールはヒュルケンベルグを抜きすぐに順位を取り返し7位。
次周にサインツもヒュルケンベルグを抜き8位浮上。
オープニングラップのターン2でアロンソに2位を奪われたペレスも5周目にポジションを取り返す。
やはりレースペースが良くないアストンマーティンのマシン。
次周には後ろにいたノリスに抜かれてしまう。ノリスは3位浮上。
私の予想ではトレインが出来上がって、ロングストレートでDRSを使ってもなかなか抜けないという状況が続くのではないかと見ていましたが、オープニングラップから激しい順位の入れ替えが行われていました。
各チームのピットワーク
鈴鹿の際にもピットストップ練習のタイムを測りましたが、やはり現代のレースで勝負を左右するのは、ピットストップ。
ピットワークなどのチームプレー。
今回はタイヤ負荷が高く、ピットストップもそれなりに多くなるだろうと予想。
そんなことを考えていると、9周目に最も早いピットインが行われました。
ヒュルケンベルグ、角田、周が入ってきました。
ハース2.4秒、RB2.2秒、ザウバー3秒ジャスト!
ハースは鈴鹿でのピットストップ練習のタイム平均が2.4秒。
これは練習通りの作業ができたのではないでしょうか?
RBは練習の時から2.3~2.5秒を平均して出していました。
ピット作業に関しては上位クラスに入るレベルだと考えています。
そして今回も見事なピットワークを発揮。
それに比べるとザウバーはかなり遅い。
しかしピットストップ練習ではもっと遅いタイムを記録をしているので、ザウバーにしては早い方なのでは?
12周目のアルピーヌ、ガスリーのピットストップは19.3秒と大幅ロス。
マシンパフォーマンスが低いチームは何とかここで少しでも挽回を図りたいところ。
ピットワークで足を引っ張られてはドライバーにはどうすることもできません・・・
このレースで圧巻だったのはレッドブル。
2度のダブルスタッキングも難なく決めて完璧にマシンをコース上に戻しました。
1回目のピットストップは14周目。
フェルスタッペン2.1秒、ペレス2.0秒。
ピットアウト時にはフェルスタッペン4位、ペレス6位と順位こそ落としましたが、文句のつけようが無い完璧なピットワークでした。
2回目は24周目。ここでもダブルスタッキング敢行。
フェルスタッペン1.9秒、ペレス2.0秒
2台続けて作業しているのにミスが一切ないどころかタイムが上がっている!?
フェルスタッペンのピット作業に至っては史上最速レベル!
ただでさえ速いマシンに加えてチームワークも完璧だと本当の意味で手が付けられないチームですね。
一方同じ周回で入ってきたザウバー周が2度目のピットストップ。
1度目は3.0秒。2度目は・・・
5.3秒・・・
練習通り・・・どころか酷くなっています。
いいマシンを手に入れかけているだけに非常に勿体ない。
これにはファンの方もがっかりです。
一体何が原因なのでしょうか?
アクシデント続出。最悪の週末だったRB
19周目にボッタスのエンジンから煙が噴き出し無念のリタイア。
予選でトップ10グリッドを抑え、決勝も期待できるレベルのマシンパフォーマンスを持っていただけに非常に残念なリタイアでした。
これによりVSCが入るも、結局ボッタスのマシンはギアスタックにより動かす事ができないのでSC導入。
このタイミングで殆どのマシンがピットストップに入る中、サインツとリカルドがステイアウトを選択。
サインツはハードですしまぁ分からなくもないのですが、15周目に新品のミディアムに交換しているリカルドのステイアウトには疑問です。
他のチームはハードタイヤを装着する中、アロンソだけはソフトタイヤを選択。
レースペースが悪いアストンマーティン。同じハードを履いていては何れ抜かされる。
ならばソフトタイヤでギャンブルを仕掛ける。といった感じでしょうか?
25周目、ストロールがリカルドに追突。
新型のシャシーに変えたばかりのリカルド。早速壊されました。
追突によりフロアも損傷。
この時前を走っていたピアストリも押し出されたリカルドによりディフューザーを傷める。
映像を見る限りピアストリは大丈夫だと思っていましたがダメージを受けていたようです。
ストロール・・・結局ペナルティをもらうことになりますが無線で不満を訴える。
契約について焦る気持ちは分からなくもないですが完全に自責。
これはいけませんね。
27周目にレース再開。
この直後にマグヌッセンと角田が絡んでしまう。
右リアタイヤを引っ掛けられてしまった角田はそのままコース脇にマシンを止めリタイア・・・
これにより再びセーフティーカーが導入。
32周目に再開しましたが、リカルドのフロアはやはり壊れていた。
ずるずると順位を下げていくリカルド。
2周後にピットに戻りリタイア。
RBにとっては最悪の週末になってしまいました。
角田との接触でペナルティをもらったマグヌッセン。
レース終盤にはストロールとペナルティを貰った者同士でバトルしていました。
何だったのか・・・(笑)
アロンソはソフトタイヤで走り続けていましたが、持たずに44周目にミディアムに交換し12位に後退。
結果的に失敗にはなりましたが、ハードを履いて後退するよりかはソフトで攻め切るという積極策でした。難しい判断でしたがこれはこれで正解だと思います。
ミディアムに履き替え次々とオーバーテイクを決めていくアロンソ。
しかし47周目の最終コーナーで滑るもいち早くカウンターを当て最悪の事態を免れる。
土曜の予選ではサインツが同じ場所でミスを犯しています。
F1ドライバーの反射神経は常人の何倍も早く群を抜いているものですが。
アロンソは常軌を逸脱しているレベルですね。本当にすごいと思います。
49周目にハミルトンとピアストリをパスし7位でフィニッシュ。
最後の最後までアロンソは魅せてくれました。
2度のセーフティーカーがあったもののフェルスタッペンが圧倒的な差で優勝。
2位はマクラーレンのノリス。
決勝は厳しいかと思われましたが、ハードタイヤのペースが最後まで落ちませんでした。
3位にはペレス。2位は獲れませんでしたが表彰台ということで最低減の仕事はできました。
4位ルクレール、5位サインツのフェラーリ勢。
サインツはステイアウトによりハードタイヤを引っ張っていたので分かりますが、ルクレールのハードタイヤのペースがいまいちでした。
10位にはヒュルケンベルグが入りました。
11位オコン・12位アルボン・13位ガスリーと続きました。
アルピーヌは惜しくも入賞を逃しましたが、アップデートの効果は間違いなく表れていると思います。
今回はオコンにのみ軽量シャシーを入れましたが、次回のマイアミではガスリーに軽量シャシーを導入予定とのこと、今後に期待です。
周冠宇は残念ながら14位と入賞は叶いませんでした。
が初の母国GPを無事に終えることができ、涙を見せていました。
来年以降も契約を勝ち取って、またこのサーキットで走れるように頑張ってもらいたいものです。
レースは◎、レース運営△
今回は目まぐるしく変わるレース展開で、レース自体は面白かったのですが、マーシャル等レースに関わる方たちの質(対応)があまりよくなかったように思えます。
先ず一つ目のボッタスがエンジントラブルでコース脇にマシンを停止させたとき。
重機での撤去を試みずに人力で押し出そうとしていました。
その間VSCが出されていましたが、撤去することができず結局セーフティーカーを導入。
世界一と評判の鈴鹿のマーシャル達だったらどうだったのか?
あのシーンはそう感じさせられてしまうものでした。
結果的にチームの戦略に違いが出て面白い展開にはなりましたが、早急な撤去を心がけてもらいたいものです。
2つ目、角田がマグヌッセンとの接触でリタイアをした際の対応。
コース脇まで自走した角田のマシンはここでは重機に吊られて撤去されることになりました。
しかし、その際にクレーンで吊り上げられていた角田のマシンが地面に叩きつけられるような形で落とされてしまいました。
動画で確認したところ、それほど強い衝撃で落とされたわけではないですが、フロアには間違いなくダメージを受けてしまっていると思います。
現代のF1には予算制限が設けられており、クラッシュやマシンの修理もその一部に含まれてしまっています。
しかしこれは酷いですね。
リカルドもストロールに追突されて、新型シャシーを壊されている。
RBにとってはかなり痛手になるでしょう。
来年以降も引き続きこのサーキットでのレースが開催されますが、レース運営をしっかりしてもらわないと、ドライバーたちも安心してレースをすることなんてできないかと思います。
中国GPの課題は、サーキット運営だと考えています。
過去の投稿でも触れている、アスファルトを塗っただけの路面や発火する芝生も十分な問題です。あんなことが立て続けに起こってしまうと、ドライバーもレースがしにくくなると思います。
来年はそれが改善されてもっといいレースが見られることを期待します。
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